34冊目:神様に一番近い動物 人生を変える7つの物語 | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

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神様に一番近い動物 人生を変える7つの物語

水野敬也

2018/05/23
 
 
 

 

★ひとことまとめ★

ちょっとだけ、ハッとさせられるお話。

 

↓以下ネタバレ含みます↓

作品読みたい方は見ないほうがいいかも

 

 

 

 

【Amazon内容紹介】

7つの面白さが味わえる新感覚エンターテインメント! どの物語にも、あなたの人生観を大きく揺さぶる一文がきっと見つかると思います。 
三匹の子ぶたの元に現れたオオカミは、童話「三匹の子ぶた」を携えていた――三匹の子ぶたなう 
軽い気持ちで女の子にあげた1万円札が、怒りの形相で戻ってきて――お金持ちのすすめ 
地球を守るため、人間と動物が協力して宇宙のオリンピックに挑む――宇宙五輪 
売れないミュージシャンが流れ星に願い事をすると、その星が部屋にやってきて――役立たずのスター 
クヌギの木のヌシのカブトムシが何者かの手によって殺害された。この事件解決を任されたのは伝説の刑事だった――スパイダー刑事 
シャッター商店街で大繁盛する「蕎麦愛沢」。しかし、この店長にはある秘密があった――愛沢 
牧場で平和な生活を送っていた子牛の耳元でネズミがささやいた。「お前はこれから革ジャンになるんだよ」――神様に一番近い動物 

 

【感想】

表紙がかわいくて読んでみようと思ったお話。

 

話自体はどれも「子供向けか?」とおもうような易しいもの。読んでいて、なんだこりゃ?と退屈するようなお話が多い(というかほとんど?)。

だけど、どのお話にも、ほんの少しだけど、「なるほど」と思えるような、ちょっと自分の考えが変わるような、そんなエッセンスが盛り込まれている。

 

 

言っておきます。話はつまらない。面白い!とは思わなかった。文章も簡単で、すぐ読み終わってしまうし。でも、だからこそ、自己啓発本っぽくないというか、読書が苦手な人でもそのエッセンスに気づきやすいような書き方になっているとは思う。

 

 

「闇が深ければ深いほど、光も強く輝く」この言葉を知っている者は多いが、本当の意味を理解している者はほとんどいない。だから、闇の深さにとらわれてしまうのだ。」(役立たずのスター・P120)

 

「輝きは生まれつきのものだけじゃないんだぜ 才能をもって生まれなかったからこそ 誰も持たない才能を手に入れる人がいる 美しく生まれなかったからこそ 誰よりも美しくなれる人がいる 今 目の前にある闇が 未来の輝きを支えてるのさ」(役立たずのスター・P122-123)

 

人はどうしても持っていないものに目が行きがちで、自分なんて…と思いがちだけれど、持っていないからこそ、持てた時の喜びもあり、卑下するものでもないんだよなあ~と改めて気づかされた。

 

 

「他人を喜ばせることを自分の喜びにしなさい」(愛沢・P200)

話はなんじゃこりゃだったけれど、言いたいことはわかる。自分自分になりがちだし、愛することより愛されることの方が重要であると考えてしまうけれど、そうではなく、愛すること、人を喜ばせることこそが大事にすることなんだよね。

 

 

「わたしがもしかわじゃんになるのなら ずっとずっときてもらえるかわじゃんになりたいです わたしがかわじゃんになったら あなたが かぜをひかないように あなたがけがをしないように あなたがむしにさされないように がんばって あなたのことをまもります だから かわじゃんになったわたしをずっとずっと あなたのそばにおいてください」(神様に一番近い動物・P252-257)

 

これは本当にうるっときた。自分は結構革製品が好きで、定期入れとか名刺入れとかお財布とか、皮を選ぶことが多いんだけれど、その革のルーツについて、深く考えたことがなかった。いま、実際に調べてみたけれど、きっとこのお話にでてくる子牛のマギーは、カーフスキン・キップスキンと呼ばれる、子牛の高価な革なのかな。

基本的に、革製品に使われている革は、食肉用の牛などからとっているようだけれど、そうではない場合もあるみたいなんだね。

 

食肉用の家畜に関する環境のことなんかは、過去にそういった映像資料や本などを見て勉強したことがあったんだけれど、そのときもショックだったな。自分がいつも食べている牛や豚や鶏が、すごくひどい扱いをされていたんだよね。一歩も外に出たことがないとか、暴力振るわれたりとか。

いつもスーパーとかいくと、どうしても価格で選んでしまうし、ファーストフードなんかも利用することあるけれど、その裏側を考えると、多少価格が高かったとしても、大切に扱われた牛や豚や鶏を選びたいなとは思う。

革も使わない!肉も食べない!っていうのは、自分的には現実的ではないと思うから、きちんと理解をしたうえで利用していきたいとは思う。

革ジャンとか、ちゃんとしたやつって高いな~とか思っていたんだけれど、それが牛の命と引きかえというふうにとらえれば、むしろ安すぎるよね。いまもっている革小物も、今以上に大切に扱おうって気持ちになった。

 

 

自己啓発って程内容がかなり充実しているとは思わないけれど、読書が苦手な人が読むのにはいいボリューム感のお話ではあると思う。