33冊目:ごめん | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

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ごめん

原田マハ

2018/05/17
 
 
 

 

★ひとことまとめ★

いろんなシチュエーションの「ごめん」のお話

 

↓以下ネタバレ含みます↓

作品読みたい方は見ないほうがいいかも

 

 

 

 

【Amazon内容紹介】

あなたに、伝えようと思う。 危篤の夫の口座に毎月振り込まれていた謎のお金。振込み人を探して妻は高知へ。静かな町並みに響く路面電車の音。女が覚悟する瞬間だった──表題作ほか3編収録

 

【感想】

原田マハさんの、「一分間だけ」と「本日は、お日柄もよく」がよかったので、読んでみることに。

 

・天国の蝿

娘の明子の詩が掲載されていた雑誌に載っていたのは、おそらく範子の父親の詩…。範子の回想のお話だけれど、父親は借金作って逃げるクズだし、母親は過労から病に倒れるし、範子は片思いしていた大学生にレイプされるは、不幸のどん底みたいな学生時代。父親は要所要所で姿は見せないけれど、レイプした忠雄をボコボコにしたり、母親の入院費を払ったり(でもそれ詐欺でとった金だよな)してくれるけれど…。そんな父親が書いた置き手紙に書いてあった詩とそっくりな詩。範子には同情はするんだけど、父親もいい風に書いてあるけどただのクズだし、忠雄はレイプしたくせに謝ってきて、「君のお父さんかっこよかった、君のお父さんみたいになりたい」とかばかみたいなこと抜かすし、いや、あんた犯罪者だぞと思っちゃったわ。軽すぎるだろ。

 

・ごめん

陽菜子が不倫相手と旅行に行ってる間に、仕事中の事故で意識不明になってしまった夫の純一。好みでもなかったが、実直だったところが気に入り結婚。けれど、まあそういう人との結婚ってつまらないのかな?若い男との不倫にはしる陽菜子。純一が倒れ、彼のクローゼットを漁った時に発見した通帳。そこには、2年前から毎月「オリヨウ」宛への入金履歴があった。そして、入金した翌日には「オリヨウ」より同額が入金されている。初めて知った、夫の秘密。それを知るために陽菜子は彼の地元高知に向かう…。結局、オリヨウの秘密はわかるけれどさ、どうして陽菜子は自分が浮気して裏切ってたくせに、夫の嘘に対して「嘘つき」とか言えるんだろうな~。自分はいいけど、夫の嘘はだめってか。お互い様やん。

 

・夏を喪くす

同級生で結婚した旦那とはもう冷え切った関係の咲子。夫も不倫している。自分にも恋人はいる。仕事も順調。努力によって美貌、スタイルも保っている。

まあ、そういうおばさんは不倫するよね。そんな時、不倫相手から言われた「胸のしこり」が気になり検査すると、乳がんであることが発覚。うだうだ悩まずに病院いって切除しろよと思うが。そんな切除が嫌なのか。スタイルが保てなくなるのが嫌なのか?いまは乳房再建手術もあるぞ?お仕事かなり儲かっているようなのに、保険に入っていないのでしょうか?とツッコミをしてしまった。仕事の仲間たちと行った旅行先で、仕事上のパートナーの青柳から、実は失明するため仕事ができなくなることを聞かされる。

なんか、青柳、咲子といちゃついてたくせに元嫁と元サヤかよwちゃっかりだな。 咲子はそれを聞いて、不倫相手との関係もやめるけれど、なんだかな~。一体なににごめんだ。もしかして青柳が咲子に謝ったところの「ごめん」なのか?

 

・最後の晩餐

なんか謎解きみたいなお話だった。探偵ごっこみたいなことをして、犯人当てゲームしてるようで、結局自分の懺悔のためのお詫び訪問みたいな。

麻理子は、クロを裏切った。クロは麻理子を信じ(というか裏切られたことすら知らない)、去ろうとする麻理子を最後の晩餐に誘うも断られる。クロは、麻理子が前に最後の晩餐を食べるならココと言っていたお店に明日行って、ツインタワーを見ながら朝ごはんするね、という手紙を麻理子に出してから、おそらく911に巻き込まれ、亡くなってしまう。

彼女の消息がわからないっていうけれど、身元がわからないってことなのかな~。これはただただ麻理子がクソ。最後、あなたがいつかえってきてもいいように、なんて綺麗ごといっているけれど、ゴメンじゃ済まないよね。だからこそ、一生償うつもりで部屋の家賃入れてたのかもしれないけれど。誰にも真相を言わず、さも友人を亡くした被害者みたいに生きてられるんだから、全然ごめんじゃないよね・・・。自分がよければ良いんじゃないか、麻理子は…と思ってしまった。クロが不憫。

 

 

話自体は胸糞みたいな話だったけれど、書き方とかは読みやすいんだよね。「ごめん」がテーマだから胸糞話になりがちだったのかもしれないけれど。子供のごめん、みたいな話ならまだしも、大人になるとどうしても不倫だとか、暗い話になりがちだよなあ。