35冊目:春、戻る | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

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春、戻る

瀬尾まいこ

2018/05/27
 
 
 

 

★ひとことまとめ★

私も、こんな「おにいさん」がほしいなと思った。感動。

 

↓以下ネタバレ含みます↓

作品読みたい方は見ないほうがいいかも

 

 

 

 

【Amazon内容紹介】

結婚を控えたある日、私の前に兄と名乗る青年が現れた。明らかに年下の「お兄さん」は、私の結婚にあれこれ口出しを始めて・・・。
人生で一番大切なことを教えてくれる、ハートフルウェディングコメディ。

 

 

【感想】

最近ちょっと落ち込んでいて、瀬尾さんの本は読むと感動したり、ほっこりする作品が多いから、読もうと思って。

 

結婚が決まり、間もなく和菓子屋さんの山田さんの家に嫁ぐことになった、さくら。そんなさくらのもとに、どう見たって自分より年下なのに「お兄さん」となのる青年が現れる。自分の情報もいろいろ知っている。彼は、何者なのか…?

 

あきらかに年下なのに、自分の情報も知っていて、「君のお兄さんだよ!」なんていう人が現れたら、すごく怖いと思う笑

いったい、彼は何者なのか…?という気持ちで読んでいたら、あっという間に読み終えていた。

 

なんとなく紹介されて、妥当なところで結婚することになって、たまたま相手の山田さんがいい人で、環境も整っていたから、決め手はないけれど、結婚してしまう。そんな風に自分の結婚について考えている、さくら。作品を通じて思ったのは、さくらは少し人間味がないというか、良く言えば多くを望まない人だけれど、悪く言えば熱がないというか、冷たいとはまた違うけれど…。ちょっと冷めている感じがした。

なんとなく、こんなものだろう、みんなが言うのなら、そういうものなのだろう、みたいな感じで納得してしまう人。けれど、お兄さんはさくらとは対照的で、人間味があって、ずうずうしさとかもあるけれど、ちょっとずつちょっとずつさくらもお兄さんと接するうちに変わってきて。

妥協みたいな、山田さんとの関係も、お兄さんが入ることで少しずつ変わっていって。

 

おにいさんとさくらの関係も、最後のほうでわかってくるんだけれど、そこが本当に感動したな。どんな自分でも、味方でいてくれる存在って、そのままでいいんだよって言ってくれる存在って、本当にありがたいんだなと思った。頑張らなくたって、うまくできなくたって、無条件でそのままでいいんだよって言ってくれる存在。そんな存在にずっと見守られてたさくらは幸せものだよなあ~。

 

 

現実ではさ、頑張らなきゃ駄目、しっかりしてなくちゃ駄目、もっと成長!、もっと努力!みたいな、自分のこと追い詰めたり追い込むことが多いからさ。頑張らなくても、そのままでいいんだよ。成長できなくても、失敗しても、そんなあなたが好きだから、大丈夫だよって言ってくれる存在があったら、どんなに救われるかな~。最近キリキリしてたから、おにいさんの言葉にジーンと来たんだよね。頑張ってもいいし、頑張らなくてもいい。そのままでもいいんだよって、自分で自分のこともっと認めてあげようと思った。

 

瀬尾さんの作品は書き方も読みやすくていいなあ。言葉遣いとかも、心に響いてくる感じ。本のカバーもさくらに桜餅も書いてあって可愛らしい。いい本でした。