22冊目:サンカクカンケイ | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

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サンカクカンケイ

小手鞠るい
2018/03/28読了
 
 

★ひとことまとめ★

過去の叶わなかった恋をしみじみ思い出せる本

 

↓以下ネタバレ含みます↓

作品読みたい方は見ないほうがいいかも

 

 

 
 
【Amazon内容紹介】
強引で傲慢に、役者になる夢につきすすむ龍也と、どんなときでも、温かな笑顔で見守ってくれる幼なじみの俊輔。初恋を追いかけて、故郷・岡山から京都に向かった大学生の広瀬あかねは、激しさと穏やかさ、ふたつの未来の前で立ち止まる。さよならサンカク、またきてシカク。なつかしい童歌にのせて送る、恋愛3部作第2弾は、過去の恋を乗り越え、現在の愛をキラキラ輝かせる物語!
 
【感想】
 「忘れろよ」
「今すぐ、じゃなくてもいいから。少しずつでいいから。それならできるだろ?きょうはここまで、あしたはここまでって、毎日決まった分量だけ忘れていけば、ある日きっと、完全に忘れられるよ」(P10)
 
この作品は、忘れたくても忘れられない恋と向き合おうとするあかねの視点で書かれているから、恋の苦しさとか辛さとかがビシビシ伝わってくる。
 
 
自分中心な龍也みたいな人を好きになると、本当に苦しい。どんなにふり向かせようとしても、そういう人って、その振り向かせようとしていることにたぶん興ざめするんだと思うんだよね。
 
「あのなあ。教えてやるよ。人は誰ひとりとして、ひとりの例外もなく、自分以外の人を変えることは、できないんだよ。他人をコントロールすることは、絶対にできない。だから、状況を変えたければ、他人を変えようとするんじゃなくて、自分で自分を変えるしかないんだ」(P129)
 
要は俺は変わらないお前が変われと龍也があかねに言うセリフだけど、このセリフだけでも力関係がわかるよね。
世の中に一定数こういう男性いるけど、そもそもこういう人は好きになったらだめだよね。
こういうタイプの人は、追っかけられるの慣れてるし、そういうのつまんないんだよ。
どうするかって言ったら、近づかないのが1番だけど、どうしてもっていうなら好きにならせるしかないよね。
自分のこと好きな人にはすごく冷たいけど、高嶺の花とか届かない相手に対してはこういう人ってすごく熱心に追いかけてくれるからね。
この作品の中では、竹岡先生がそのポジションかな。
 
でも、この作品でもそうだけれど、そういう手に入らない存在だからこそ、手に入れたくてもがくし、忘れようとしても忘れられない。
手に入ったら、なんだ、こんなもんか、って思えるかもしれないけど、人って手に入らないものにすごく執着しちゃうよね。
私の周りにも現に手に入らない男性をずっとおってる女の子がいるから、わかる。
傍から見たら、そんないいやつでもないのに、熱中してる本人にはその助言は届かない。
 
冒頭のセリフを言ってくれた、俊輔みたいな存在をぞんざいに扱ってしまうほど、手に入らない存在は大きい。
冷静になれば、俊輔みたいなそばにいてくれて、理解してくれる人のほうがいいってわかるのにね。
 
ずっと、サンカクカンケイに苦しみながらも、それでも自分のことを大切に思ってくれてる存在。いまバイバイしたら次会えるかわからない、もう二度と会えないかもしれない、みたいな不安定な関係じゃなくて、明日も明後日もきっとそばにいてくれるような安心できる存在。
あけねはそれに気づけて、龍也とのころにいくのをやめて。(とは言っても、お母さんの手紙がなければきっと龍也のところに行ってただろうけど。)
 
胸を張って、自分の大切な人にその人を紹介できるのかっていうのは、一つの大事な指標だよね。
ちゃらんぽらんな人に、私のことを見てくれない人に、私は振り回されてるのなんて、言えないよね。
 
「どんなに忘れられない思い出があっても、何千回、何万回、過去に旅しても、結局、戻ってくる場所は、ここしかない。」(P234)
戻れる場所があるって、すごくありがたいことだよね。自分が散々振り回されて、傷ついても、おかえりって言ってくれる場所。自分の帰りを待ってくれる人。
 
 
この作品を読んで思ったのは、叶わない恋愛で苦しんでる人は、安心して戻ってこれる場所・存在のこと忘れてない?ってこと。
自分も思い返してみれば、私のことを大切に思っててくれた人をぞんざいに扱って、叶わない恋に熱を上げてたこともあって。
でも、今考えてみると、本当に申し訳なかったなと思うし、なにより自分にもよくなかったかな。追っても追っても離れてく人といても、惨めな気持ちとか、悲しい気持ちがつのるだけだし、自尊心がどんどん低くなる。
 
 
追っても逃げるような人を追いかけて苦しんでる人は、一度立ち止まって考えたほうがいいなあと思うよ。
追いかけ回して、大切な存在まで傷つけて、戻る場所もなくなってしまった人を身近でみてるから、なおさら思うよ。
手に入らない存在を高く見積もりすぎ。近くにある存在を適当に扱いすぎ。冷静にかんがえれば、どちらを大切にしなければいけないのかわかるはず。
まあ、そんな理屈、好き好き好きのさなかの人には聞き入れられないかもしれないけど。
失くしてから気づいても遅いからね。人の気持ちは巻き戻したりできないからね。なかったことにはできないからね。
 
だから私は、もう追いかけ回す恋愛はしないし、そういう人がいたら逆に追わせる努力はするけど、そのひと1本には絞らないかな。
無理と思ったらすぐに手を引くし。だいたい好きだった期間の倍くらいの時が経てば、そんな人もいたなあって思うくらいには落ち着ける。
その人の香水とか街で嗅ぐと思い出しちゃうんだけどね〜ww
 
 
なんか、昔の苦しんだ頃の自分を懐かしく思うような作品だった。
 
 
3月は3冊しか書いていない!!!!
今年は1年で70冊の予定なので、今の時点で進捗率約31%
1年のうち大体25%くらい経過した?
それを考えると、まあまあまだ頑張れば70冊は超えられそうですが…!
とりあえず読んだ本の感想を早く書いて溜まっている本読みます。。。