19冊目:いろごと | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

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いろごと

加藤千恵

2018/02/28読了


 

 

★ひとことまとめ★

失恋した時におすすめ(読んでも気分は晴れません!)

 

↓以下ネタバレ含みます↓

作品読みたい方は見ないほうがいいかも

 

 
 
【Amazon内容紹介】
Ginaで連載していた「いろごと」がついに書籍化! 人気イラストレーターのmiccaさんが描きおろしたイラストをフルカラーでお届け。
中心となるのは女の子なら誰もが共感できる、甘く切ない恋愛の話。揺らぎや別れ、片思い、未練、報われない想い、新しく踏み出そうとする一歩……
さまざまな恋の結末に胸が締め付けられます。切なさが募る冬にピッタリな一冊に仕上がっています。
 
【感想】
作品のタイトル通り、色ごとの、恋愛にまつわる短編の小説。あとがきにも書いてあるけれど、男女間の恋愛に関する「色事」がテーマになっているお話。
 
一つのお話自体はとても短く、2~3ページのもの。でも、どのお話も悲しい結末のお話で、心に非常にズシっとくる。
どのお話も失恋したばかりのいまの自分にはズーンとくるけれど、いくつか心にずっしりきたものを…。
 
blue
・この部屋で二人で、最後にお茶かコーヒーを飲んだのは、いつだっただろう。思い出せないのは、あまりに当たり前の光景だったからだ。これまでも日常として存在していたから、これからも日常として存在していくのだと、疑ってすらいなかった。ある日突然失われてしまうなんて、みじんも想像していなかったのだ。(P25)
 
yellowish green
・今もまだ同じ夢を持っているのかはわからない。もしかしたら本当に、自分のお店を始めているという可能性だってある。実現していたとしても、わたしには、そこに行く機会も、ましてや手伝いをする機会も、この先訪れないだろう。
 
cream
・やっぱり合わない気がする、と言い出したのは彼のほうで、そんなのわかってたよ、とわたしは思ったけど、言わなかった。合わないよ。合わないけど、一緒にいたいと思ってたし、一緒にいるために頑張っていたんだよ。(P90)
 
pastel pink
・いつかわたしにも、あんなふうに、みんなの注目を浴びながら、綺麗な色のドレスを着て微笑む日が来るのだろうか。そこまで考えて、もうとっくに大人と呼ばれる年齢になったのに、夢見がちなことを思っている自分に苦笑しそうになる。 結婚おめでとう。キャンドルサービスを続ける、恋人にならなかった男友だちの背中に向かって、心の中でつぶやいてみる。(P97)
 
 
特に、blueの一文は本当にそのままの気持ちなんだよね。これからもずっと一緒にいられるんだと思っていたのに、急にそれがなくなってしまうから、心がぽっかりと抜け落ちてしまう感じがする。ずるいよな~とも思う。ありえないことだけれど、いなくなるならいなくなるで、「いなくなりますよ~別れるつもりですよ~」って教えて欲しいわww
振る側は、心の準備ができているんだろうけれど、急に振られる側は、日常が急になくなるんだもん。だから、どこが間違えてたんだろう、どこからやり直せばうまくいったのかな。とか、めちゃめちゃ考えてしまう。
 
 
ってな感じで、この作品は失恋した時に読むと心に重~くのしかかってくる可能性が高いけれど、自分が心のなかにモヤモヤと感じている感情が、言葉として表現されているから、自分の感情が再確認できて良いかもしれない。
自分が今までしてきた恋愛で、何度も感じた思いが、全部この作品には書いてあって、こんな辛い思いをしているのは自分だけではないんだなとも思える。