幹事のアッコちゃん
柚木麻子
2018/01/31読了
★ひとことまとめ★
明日からも頑張ろうと思える本
↓ 以下ネタバレ含みます ↓
作品を読みたい方は見ないほうが良いかも
【Amazon内容紹介】
アッコ女史&“永遠の部下"澤田三智子みたび!
「アッコちゃん・ロス」の方々の嘆きが編集部に届き、期待にお応えして、今回はすべて黒川敦子登場の「オール・アッコちゃん」短編集。
とてつもない存在感でいつでもブレない、ご存じアッコ女史が今回もストレートすぎる叱咤激励を連打します!
妙に冷めた若手男性社員、敵意を持ってやってきた取材記者、そして時間がうまく使えない三智子。
栄養たっぷりのアドバイスはいかが。さくっと読めて元気をもらえるビタミン小説、待望の第3弾!
アッコちゃんの意外な一面も!?
「アッコちゃん・ロス」の方々の嘆きが編集部に届き、期待にお応えして、今回はすべて黒川敦子登場の「オール・アッコちゃん」短編集。
とてつもない存在感でいつでもブレない、ご存じアッコ女史が今回もストレートすぎる叱咤激励を連打します!
妙に冷めた若手男性社員、敵意を持ってやってきた取材記者、そして時間がうまく使えない三智子。
栄養たっぷりのアドバイスはいかが。さくっと読めて元気をもらえるビタミン小説、待望の第3弾!
アッコちゃんの意外な一面も!?
読んでから、この作品がシリーズ物だと知った。(さらにこの作品が第3弾という…)
けれど、3作目から読んだけれど、1・2を読んでなくてもついていけた。
ビシバシしているアッコちゃんの言葉には、読んでいて元気がもらえた。
「人間はエゴイスト。自分さえ良ければいいと思っているからこそ、誰も二度漬けしないんだと私は信じているの。(P26)」
信じたら必ず裏切られると思っている涼平にぴしゃりとアッコちゃんが放った言葉。
他人を裏切るということは、自分を裏切るということ。自分が裏切ることで、他人も裏切るはずだと思ってしまう。そのためにも、自分の為に、信じる。
「 嫌い、苦手、怖い。人でも物でもネガティブな印象を持って遠ざけてしまうことは、そりゃ私にもよくあるわ。でも、もしかして、好きになれるチャンスが今まで来なかっただけなのかなって、思うようにしてるの。(P39)」
「でも、大きい女って…きっと、そうじゃない人より、遠くまで見えるんじゃないかな。東京タワーみたいにね。(P87)」
若くて小さくて未熟で可愛い人が可愛がられる世の中で、たくましくて気が強いタイプは、誤解されるし、損もする。でも、損だけじゃなくて、いいところもきっとある。私自身も高身長なので、アッコちゃんの言葉には背中を押される感じがした。
「でも、私は誰かのものじゃなくて、私のものなの。どんなにたくさんの人が渡しを見ていても、色々なことを感じていても、黒川敦子の時間も身体も、黒川敦子だけが自由にして良いものなの。嫌なことがあった時、ぜんぜん傷つかないくらい強いなんて私、言えないわ。でも、その日の予定は変えないって決めてるのよ。(P93)」
「こんな自分でも生活を気楽に楽しんだり、憎まれ仕事であれ、自信を持ってしまってもいいのだと思う。どんなに批判されていてもアッコちゃんがアッコちゃんの時間を守って良いように、温子の時間もまた温子だけのものなのだ。自分の時間を大切にすることを、もういい加減、許したい。若くも器用でもないのだからこそ、個人の時間をもっと優先しよう。(P100)」
「自分が完全に消え、ひたすら目の前の作業に飲み込まれていくという感覚を、久しぶりに三智子は味わった。身体が汗ばみ、心臓がなっている。時計を見るとここに来てからたったの十五分だ。どこか魂だけが遠い場所を旅してきた気分だった。(P118)」
仕事でもプライベートでも、ここ最近ここまで熱中していることって、無い気がする…。
「 非難するような視線が身体の柔らかい部分を刺していく。自分はアッコさんのようにさっそうとは生きられない。できるだけ戦いたくないし、嫌われたくない。だからこそ、正直に言うしかないのだ。(P140)」
アッコちゃんに対する憧れや尊敬はあるけれど、自分はそうはなれないことをきちんとわかっていて、自分なりのやり方で解決しようとする三智子にも、アッコちゃんとは違った強さを感じた。
「全ては社会生活では取るに足らないこととされても、本人にとっっては何にも代えがたい貴重な予定なんだと、今の三智子にはわかる。(P141)」
予定だけじゃなくて、重要なものって、人それぞれ違うよね。忘れがちだけれど。
「どんなに離れた場所にいたって、私たちは相棒、コンビなんだから、M&Aは三智子とアッコ、のイニシャルでしょ。(P174)」
これにはうるっときた。
「今ないものではなく、今あるものを工夫する。どうにもならないことがあるなら、まずどうにかなりそうなことから充実させる。(P179)」
文中でグっときた言葉を淡々と書いてしまったけれど、本を読んでるだけで、アッコちゃんも実際にはいないのに、なぜかメンターのような、自分のコーチのような感覚になった。
頑張りなさい!って背中を押されているような気分になった。
話も非常に読みやすいし、読んでいて元気が湧いてきた。
あとは、食べ物の描写がおいしそうでおいしそうで、特に焼きそばのところは思わず焼きそばを食べないと!!!という気持ちになってしまった笑
アッコちゃんは、ビジネス成功の秘訣はランチ!と文中で言っているけれど、
おいしい物を食べるって、それだけでとっても元気が湧くと思う。よし!頑張ろうって思える。
3作目から読んでしまったけれど、1・2作も取り寄せたので読むつもりです◎