カウントダウン
真梨幸子
2018/01/28読了
★ひとことまとめ★
じっくり本をよむ時間のあるときにおすすめ
↓ 以下ネタバレ含みます ↓
作品を読みたい方は見ないほうが良いかも
【Amazonの内容紹介】
余命、半年――。
海老名亜希子は「お掃除コンシェルジュ」として活躍する人気エッセイスト、五十歳・独身。
歩道橋から落ちて救急車で運ばれ、その時の検査がきっかけで癌が見つかった。余命は半年。
潔く〝死〟を受け入れた亜希子は、“有終の美"を飾るべく、梅屋百貨店の外商・薬王寺涼子とともに〝終活〟に勤しむ。
元夫から譲られた三鷹のマンションの処分。元夫と結婚した妹との決着。そして、過去から突きつけられる数々の課題。
亜希子は“無事に臨終"を迎えることができるのか!?
【感想】
主人公の亜希子のお掃除コンシェルジュという設定は、確かにこういう人いるかもなあ!と思えて、サクサクと読み進めることができた。
癌を告知されて、終活を始める亜希子。
結局、人の幸せとは何なんだろうか?と思う話だった。富と名声なのか?それとも家族?それとも…。
真梨さんの作品でいつも感じる、ドロドロした気持ちとか、嫌な気持ちはこの作品にはあまり感じなくて。(とは言ってもどの登場人物にも例のごとく闇というか、秘密があるけれど。)
それよりも、自分の人生のしまい方のほうが気になってしまった。
まいどまいど感じるのは、真梨さんは女性の嫉妬とか妬みを書くのが上手いなあということ。
真梨さんの作品において、男性はホントおまけ。そのおまけをめぐって、女性同士のバトルがあるわけだけれど。
読み終わって残るのは、ほんと、女の執念みたいなもの。男の人の印象は薄い。
この作品はミスリードも特になく、スーツケースにはきっと何かあるだろうとは思っていたけれど、ラストでそう繋がるのね。と言う感じ。
自分と他人を比べても、どす黒い気持ちが広がるだけ。
自分が正しいと思うことを信じていれば、どの人物もこんな結末にならずに済んだのに、と感じた。