6月31日の同窓会
真梨幸子
2018/02/12読了
★ひとことまとめ★
ドラマを1シーズン見終わったような疲労感(悪い意味ではない)
↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも
【Amazon内容紹介】
「さて、同窓会を下記のとおり開催することとなりました。……
日時 六月三十一日 場所 ホテルニューヘブン」――
神奈川県の伝統ある私立女子校・蘭聖学園の卒業生・柏木陽奈子(28歳)のもとに、突然届いた同窓会の案内。
「あれ、6月に31日ってあったっけ……」と案内を受け取った後、陽奈子は謎の死を遂げる。
学園卒業生の連続死を調べている弁護士・松川凛子は、死亡した女性が皆同じ案内状を受け取ったことを突き止めるも、自身にも案内状が届いて――
『殺人鬼フジコの衝動』『人生相談。』『5人のジュンコ』など話題作を次々と世に送り出す「イヤミスの女王」が、自身のかさぶたを剥がしながらダーク過ぎる女の園を描く、
ノンストップ「女子校イヤミステリー」!
【感想】
真梨さんの本は、読んだあとにずーんとした気持ちになるというか、嫌な気持ちになるので(それが良くて読んでいるんだけれど)、真梨さんの本をよむぞ!と決めてかかって読まないと、本に飲み込まれちゃう感じがする。
伝統、格式ある蘭聖学園にまつわる噂、6月31日の同窓会。素行の悪い生徒に行われる、お仕置き。同窓会の案内が届いたものは、お仕置きを受ける…
また、その噂をモチーフにした劇、6月31日の同窓会。同窓会の案内が届き、当時のその台本通りに実際の役と同じ順番で卒業生が亡くなっていく。案内を受け取ったものは、次は自分では…と不安にかられる。犯人は誰なのか?脚本を書いたあの子なのか?それとも…
まあ、要はその犯人はだれかというお話なんだけれど。
真梨さんの話はただでさえドロドロなのに、さらにその舞台が女子校ということもあって、女の憎しみ、嫉妬などがむき出しになっていた。
みんながみんな、誰かを憎んでいたり。こんな学校には、本当に通いたくない…。楽しい学生生活とは無縁の学校だと思った。
だいたい今まで読んだ真梨さんの本は、読んでいる間に人間関係や時系列でごちゃごちゃしてきて頭がこんがらがるのだけれど、この作品は文中できちんとまとめてくれているので、比較的読みやすかった。整理したい情報を文中できちんと整理してくれている。ただ、別の作品のあとがきかでも書かれていたんだけれど、語り手を信用していいのか?というところが真梨さんの作品では重要であると感じる。
整理したい情報を整理してくれているその語り手は、本当に信用できるのか?ということ。今回も、ふむふむ、と思って信用してしまうと、最後の最後で「そうきたか!」となってしまう。
噂とか思い込みは怖いと感じたのと、こんな学校って存在するのかなあ?と思った。卒業しても、毎年のように会合があって、卒業しても絆が続いていくって、羨ましくも思うけれど、窮屈だなとも思う…。過去の自分や、卒業校が自分のステータスというか、自分の存在の大部分を占めるというのは、なんか生きづらいよなあと思ってしまった。
しばらく真梨さんの本はストップしようかな
元気が湧くような本を読みたい気分