リアル鬼ごっこ
山田悠介
2017/12/31
こちらも本棚整理。
学生時代に読んだ本の再読。
西暦3000年、暴君の王様「佐藤」は同じ姓を持つ人間がたくさんいることに怒りを覚え、抹殺することを思いつく。
ただ殺して減らすのも面白くないので、鬼ごっこにしてみよう!その命令によって追われることになる「佐藤翼」と、彼を取り巻く周りの人々の話。
読んでまず思ったことは、発想はおもしろいなあということ。ホラー?パニック?映画にありそうだなあと感じた。
ただ、山田悠介の本は、親指さがしもそうだけれど、ホラー映画の域を超えられていないと感じる。
普通、小説を映画化した場合、主人公の細かい感情や、ストーリーなど、どうしても削ったり、なんか原作と違う…ってなる部分が出てくると思うけれど、この人の本の場合はきっと省くところなく、そのまま映画にできるというか、本として読む意味があまり無いように感じてしまう。
なぜそうなるのかというと、たぶん文やストーリーが稚拙だから?この人の、人との別れ、特に死別はいつもひどい。
俺!忘れないから!みたいな、軽い感じ。
死ぬ間際で父親はいきなりカミングアウトするし、(なぜ死なせるのかも謎。父親を死なせておけば主人公の怒り?が増すようにしたかったのか?)
親友との別れもそう。俺のことはいいから!お前だけ生きろ!!!みたいな。
現実で死ぬ間際にこんなこと言えるか?それも久しぶりに会った友達に。(何万人も人がいるなか、大阪で偶然ばったり会った、中学時代の友達に。)
現実離れしすぎているので、映画やフィクションの話としか思えず、ハラハラドキドキできません。。。
また、ラストも謎。鬼たちのいきなりの寝返り。
衝撃のラスト!みたいにしたかったのか分からないが、いままでの親友や妹との別れも台無しになるようなラスト。すっきりもせず、中途半端。結局みんな死にましたとさ!というお話。
2017年ラストをこの本にしたのは間違いだったと感じた。山田悠介はやっぱり合わない。山田悠介読むなら乙一さんを読むことをおすすめします。。。