蜘蛛の糸、杜子春・トロッコ他十七篇
芥川龍之介
2017/12/31
こちらも本棚整理。
当時は蜘蛛の糸と杜子春が読みたくて購入。
蜘蛛の糸は、有名なお話だと思うけれど、様々な悪事を犯して地獄に落ちた大泥坊の犍陀多。
でもただ一つだけ犍陀多も蜘蛛を助けるという良い事をしていた。
極楽を散歩中のお釈迦様が、そんな犍陀多に蜘蛛の糸をたらしてあげて、地獄から助けようとしてあげるけれど…ってお話。
自分ばかりで独占せず、他の罪人たちも助けていれば犍陀多は助かったんだろうか?
あと、死にかけ蜘蛛を助けてあげたならまだしも、普通の蜘蛛を普通に殺そうとしたけどやっぱやーめた!
しただけで地獄から助けてあげよう、と思えるお釈迦様のハードルの低さ…。
というより、そのレベルの良い事しか(しかもたった一度)してこなかった犍陀多。。
そのほか読んでよかったお話は犬と笛。
美しくて笛の得意な木こりの髪長彦が、きれいな笛の音色に感謝されて神々から3匹の犬をもらう。
その犬たちには不思議な力があって、「嗅げ」という名前の犬は、その名の通り嗅ぐことでなんの場所でもわかってしまう犬。
「飛べ」は、行き先をつげればひとっ飛びしてつれていってくれる犬。
「噛め」は、噛めといえば鬼神でもひと噛みで殺せてしまう犬。
この3匹のわんこと旅して、さらわれた姫たちを助けて、めでたしめでたしの話。
なにがいいって、犬が話すんだよね。想像するとかわいい。
あとは、杜子春。
財産を使い果たして途方に暮れてる杜子春に片目眇の老人が話しかけ、
言われてたとおりにしてみると黄金を掘り当て大金持ちに。
しかし金は使えば無くなる、無くなればちやほやしてた人たちもいなくなる。というのを2セット繰り返して、ようやく金、というより人間に愛想が尽きる。
仙人になりたいと言って修行したりもするけど、最終的にはまっとうに正直に生きようと思う杜子春。
片目眇の老人優しすぎるなあ〜と思った。
一度ならまだしも、二度も財を与えたのに、またもや使い切る杜子春。。。
何もせず二度も(もともとのときも含めると三度)も金持ちになって、ようやく気づいたか…。
富は一瞬のもので、大切なものはそういったものではない、ということに気がつける話。
途中杜子春死ぬけど、え?死ぬの?というかまだ修行続いてるの?と思ってしまった。笑
私ならたぶん早々に話してしまっただろう…
芥川龍之介は読みやすいけれど、そのなかでもこの作品たちは子供向け?で読みやすかった。
芥川龍之介の命日は私の誕生日なので、謎の親近感がある
