個人で開業したとき(青色申告について)で、青色申告で55万円・65万円控除を受けるためには「複式簿記」で記帳する必要があることをお伝えしました。

今回は、「複式簿記」の紹介をします。

 

 

複式簿記とは?

 

簡易簿記はお小遣い帳のようなもので、「現金出納帳」や「経費帳」などに記録していく方法です。「損益計算書」だけなら、簡易簿記でも作成できます。

 

一方で、複式簿記は、例えば「売上」であれば、その対価は現金でもらったのか、銀行振込なのか、売掛金なのか、といった「相手方」まで記録します。

複式簿記で記録することで、「損益計算書」に加えて「貸借対照表」が作成できます。

 

 

「損益計算書」 と 「貸借対照表」とは?

 

 

「損益計算書」は、収益(売上)から、費用(仕入・給与・通信費などの経費)を差し引いたのが「利益」(もうけ)となり、理解しやすいと思います。

 

「貸借対照表」は、その時点における財政状態を表します。

大きく「資産」「負債」「資本」に分類されます。

 

左側の「資産」には現金・預金・売掛金・建物・土地などがあります。財産がどういった状態にあるのかがわかります。

「負債」「資本」は、財産の「調達方法」を表します。今ある財産は、元入れ(自分で出した)したものなのか、借りたお金で調達したのか、ということがわかります。

 

 

どうして「貸借対照表」が必要なのか?

 

「損益計算書」を見れば、「売上」と「費用」と「利益」がわかるので、これで十分じゃないの?どうして「貸借対照表」まで作らないといけないの?という疑問が出てくるかもしれません。

 

事業をしている方のなかには、「利益」が出ているのに「手元に全くお金残らない、むしろ減っている、どうしてこうなるのかわからない」という方もいます。

 

実は、「お金が出ていく」のに、「損益計算書」には載らない(費用にならない)科目があるのです。

例えば「借入金を返済するとき」や「金額の大きな機械などを買ったとき」です。

 

借入金を返済したとき、「元金」は費用になりません。「利子」だけが費用になります。

 

金額の大きな機械などを買ったときも、一度に全額は費用になりません。毎年の価値減少分が「減価償却費」として費用になります。

 

借入金が多かったり、設備投資をしたりした場合は、このように「利益」が出てるのにお金が手元に残らないという場合も出てきます。

 

「貸借対照表」があれば、借入金の金額や、資産(機械、備品など)のその時点での金額がわかり、どうして手元にお金が残らないのかがわかります。

 

「貸借対照表」を見ることで、自分の事業の成績(利益)だけでなく、財産の状態がわかります。1年前の「貸借対照表」と比べることで、1年間に「現金・預金」や「借入金」がどれくらい増減したのかがわかります。

 

ご自身の事業の経営をしっかりと把握するために、「複式簿記」で記帳することをお勧めします。

 

 

国税庁   青色申告制度

国税庁  帳簿の記帳の仕方

 

 

https://ameblo.jp/ms-cpta/entry-12632458706.html?frm=theme

 

 

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