先日の「鉄をつくる」お話で、「備前長船」という地名が出てきました。
この「備前」の近くには、「備中」「備後」という地名もあります。
日本の古い地名の地図を見ると、「越前」「越中」「越後」、
「筑前」「筑後」など、「前」「中」「後」がつく地名がいくつかあります。
この「前・中・後」は、当時の中心であった「京都」からの遠さを表しています。
京都に近いほうが「前」だったのですね。
唯一、「陸奥」だけが、「陸後」ではないのが気になりますね…。
「上・下」もそうで、京都に近いほうが「上」。
(上総・下総については、瀬戸内経由で船で行くことを考えてください。)
なので、関西を「上方(かみがた)」と言い、今でも「上方落語」というと、関西の落語をさします。
東京に行くことを「上京」と言いますが、京都に行くことは「上洛」。
この「上り/下り」を「くだらない」の語源とする説もあるようですが、少し確認が必要なようです。
ちなみに兵庫県は、旧国のうち5国が一つになった県。
旧国名が分かると、古典の勉強にも広がりが出来てきます。