お泊まり恋愛詩 -15ページ目

お泊まり恋愛詩

恋愛詩を集めたブログです。彼氏視点です。

かなりえっちな内容のものも少なくないですが、年齢制限せずにすむよう、端正で遠回しな表現に収めています。また、旧作に手を加えている作品が多いので、現在進行形のものはほとんどありません。更新休止中です。


正座のにおい


待つ身の退屈さを時計の針が煽っていた。

雑誌を読み終わって、もう一度読んだ。

携帯の留守電に、一度だけお仕置きを宣告した。


お酒のにおいが もわん。

髪にはタバコのにおいが もわん。

君は反省するふりをして うつむき加減。


サークルの新歓コンパの後、

うちに来るはずなのに、3時間遅刻。

せっかくだから、買い置きのビールでお仕置き。

お酒の席の罰ゲームにならって、一気飲みでもしておこうか。


さてそれから。


今日のお仕置きは服を着たまま。

押入の奥に隠しておいた四角いたらい。

正座させた脚を束ねて、タオルを巻いて、ベルトできつめに締める。
抱き上げて座らせるのは四角いキングタライの中。

ほろ酔いの君は緊張感なく僕を見上げている。

  なあに? 正座がお仕置き~?

なんていいながら。


眺めて考える。

暴れたら、後ろに倒れるかも。

首輪と脚を束ねたベルトを、短い縄でつなぐ。

後ろ手に重ねた手首を縛り直す。


低くお辞儀した正座の君は

少なくとも3時間 そのまま待ってもらおう。

修学旅行の正座と違うのは、ビール、縄、キングタライ。

修学旅行の正座と同じなのは、真夜中、はしゃいだ後の余韻。


  待ったんだぞ、この薄情もん。

なんてゆるやかなお説教をひとしきり。


しばらくの後

  あ おしっこ。トイレ行く。

と君が言う。

僕は笑顔で

  行かせるわけないだろ? 何のためのタライだよ。

と答える。

そこからがメインディッシュだ。


夜は長い。

お説教はネタの幅が勝負なので、僕は知恵を振り絞る。

穏やかなお説教を

意地悪な笑みと共に。

延々と、延々と。

キングタライの中から、あたたかなにおいが立ち上っても、

何事もないかのように。




ちなみに、たらいというのはこんなやつ。

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僕は自分の住んでいる町を好きになったらしい


午後の止まった空気の中を

乱暴に裂いて中学生の自転車が通り過ぎる


背筋の伸びた老爺が

時計屋の中で静止している


赤ん坊を卒業したばかりの少女が

ベビーカーをのぞきこんで笑っている


徹夜明けの土曜日 午後3時

商店街

鞄がひどく重い


中心のない景色に

埃のにおいが似合っていて

僕は それが妙にうれしい


S彼氏からM彼女への手紙のあとがき


僕は君の表情の意味を、

涙や汗の意味を読み違えていないよね?

悲鳴や嗚咽の意味も。


虐待と見分けのつかない愛し方は

きちんと伝わっているよね?


こういう質問は、

僕たちの純度を濁らせることになりかねないから、

こういうお手紙の中でだけ、訊くね。


「君が拒否したいと感じること」を強要しながら、

「君が嫌悪するレベル」は避けているつもりだ。

それが僕たちの愛の行為だから。


そして、

嫌悪の領域に踏み込むときには、

慎重に階段を上っているつもりだ。


きちんと量れているよね?