お泊まり恋愛詩 -14ページ目

お泊まり恋愛詩

恋愛詩を集めたブログです。彼氏視点です。

かなりえっちな内容のものも少なくないですが、年齢制限せずにすむよう、端正で遠回しな表現に収めています。また、旧作に手を加えている作品が多いので、現在進行形のものはほとんどありません。更新休止中です。


おなかやかかとでいっちゃう昼下がり


洗ってそのままの小松菜から転げ落ちる水滴

火を止めたコンロの上で圧力鍋が角煮の香りを漏らしている


夏のくっきりとした影の境目が

部屋を2つに分断している

影の側で最終工程を待つ角煮と

日向の側で最終工程を待つ君


予定のない日曜の午後2時


手首をカーテンレールにつながれた君は

カーテンレールを壊さないように背伸びしている

日光をはじく 伸ばされた四肢は

冷水に漬けた野菜のようにみずみずしい


おへその下 本来なら生え際のあたりに

親指のつけ根を圧しあてる

圧しあてて回し続ける

開発の成果だね

君は猫のような声を絞って

両脚の間に粘ついた液体が満ちていく


背伸びで浮いたかかとの側面で舌を踊らせれば

さらに繰り返し達するんだろうね


炊飯器が電子音の呼び声をあげる

炊きたての君は応えない

僕はごはんも君も同時に応援する気持ちで

君の耳に唇をかすらせる


おなかすいたね。

ちょうどいいね。


君は猫に戻る


君が猫なら「ハチミツ」と名づけただろう。

とろりと崩れた君は目を閉じて動かない。

熱帯夜、体温に満ちた薄暗がりが部屋の外までふくらんでいて、

開け放した窓の呼吸は弱々しい。


ハンガーに吊されてセーラー服は息災なものの、

散らかりようはおびただしい。

・注ぎきれなかったシャンプーが少しだけ残ったままの浣腸器

・空の練りからしチューブ3本

・湿ったスライブ

・湿った7本の麻縄

・キネティックテープがついたままの2つのローター

・結んだ使用済みコンドーム

夜の結末は猛獣の食べ残し。

あちこちに飛沫の跡を伴っている。


もちろん猛獣は荒々しく吠えていた君で、

僕はえさを投げ与える猛獣使いに近い。


獣性を吐き出しきった君は、

目覚めたらすっかり猫に戻っているだろう。

水をねだって、

シャワーに消えて、

ドライヤーとブラッシングをねだって、

下着を探して、

朝食にチョコレートをかじって、

めまぐるしく部屋を往復して、

そして、

にゃむにゃむと何かつぶやきながら、

玄関に置きっぱなしの鞄を拾って、

そのまま登校する。

深夜よりもひとまわりちいさくみえる後ろ姿を

「バイバイまたね」の姿で上書きして。


映画未満の空き時間


僕の好みからすると明るすぎる店内。

ガラスと肌色の合板で形造られた喫茶店。

エプロン姿が若奥様然とした女主人が

カウンターの中を繰り返し拭いている。

僕たちのテーブルの隅で

薄いコーヒーが冷たくなっている。


明日締め切りのレポートを書く君をチラ見しながら

僕は明日の講義の参考文献をナナメ読み。

朝えっちの時に口紅で落書きし放題だった肌を

行儀よく服で隠した君は真剣そのものだ。

隣に座る僕は気が散って仕方ないのに。


ボリュームの小さすぎる有線が

安っぽいジャズを流している。


映画未満の空き時間。


ふたりの間には、

バイトへ行かなくてはいけない時間にセットした

旅行用目覚まし時計が立てられていて、

蓄光塗料で薄緑に塗られた針が時間を刻んでいる。


まだ

しばらくは鳴らない。