婚活小説(大阪・京都・神戸;関西)『マリッジ・コンサルタント優子の婚カツ(コンカツ)物語』 -6ページ目

〈8〉 たったひとつの恋の傷(大阪・京都・神戸;関西の婚活小説『2杯目のジンジャーエール』)

第5回2杯目のジンジャーエール


この小説は、大阪・京都・神戸;関西の婚活に創業18年、約5,000組の成婚実績のある結婚紹介所エムロード のサイト上で、連載している婚活 小説(大阪・京都・神戸;関西)『マリッジ・コンサルタント優子の結婚(婚活)物語』 のアメブロ版として、連載しています。


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■最初から読む    →〈1〉16時間後の成婚

■前回のお話はこちら →〈7〉バラの花のような女性

■最新のお話はこちら ↓〈8〉たったひとつの恋の傷



二つのお見合いが終わった数日後。  


亮一はエムロード神戸支社にやって来た。


「電話でもいいのよ」と優子は言ったが、何か話したいらしかった。


「こんにちは」  


入ってきただけで、その場が華やぐだけの何かが亮一にはあった。


優子だけではなく、幸子も他のコンサルタントも立ち上がってにこにこと歓待する。


「さすがに人気者ねえ。じゃ、ちょっと私が独り占めしようかな」  


優子が立ち上がると、幸子も寄ってきた。


「いえいえ。ずっとこの支社にいるのは私のほうですからね」

「確かにね」  


二人は笑いあって亮一をブースに案内した。


「どちらも素敵な方だったでしょう」

「いやほんとに、素晴らしい方を紹介してもらえて、ありがたいです。

それぞれ、素敵な方で。

ぼくの理想をちゃんと理解してもらえているなと思いました」  


幸子が言った。


「初田さんからも白石さんからも、お付き合いしたいという返事が返ってきてますわ」

「はあ」  


困ったようにうつむく亮一に優子がやさしく言った。


「もて過ぎて結婚できなくてここへ来たのに、また困るわね」

「いや、そんなことは」  


亮一は思い切ったように話し始めた。    


「実はぼく、そんなに恋愛経験はないですよ。一度だけ、大きな失恋があるくらいで」

「へえ。あなたが、失恋」  


優子は意外な顔をした。


彼にはそんな翳りなど微塵も見えなかったからだ。


「インターンの頃に、ある有名なタレントと付き合ってたんです。

それで結婚しようとまで思ったんですけど、彼女は事務所に猛反対されて、ぼくは両親に猛反対されて... 」  


その時のことがぱっと思い浮かんだのか、亮一は一瞬言葉を詰まらせた。


「あの時、彼女はもう芸能界辞めるとまで言ったんです。

それなのに、ぼくは親の反対を押し切ることができなかった。

今思えば、結婚してたらその彼女とうまくいったかどうかはわかりません。

でも、相手があそこまで思いつめてくれたことを、ぼくは親の反対で翻してしまった。

そのことに、ぼくは今でも自分が歯がゆいんです」  


情にもろい幸子はもはや目に涙をためていた。  


優子は亮一の顔をじっと見つめていた。


「その頃のあなたはまだ結婚への自信がなかったのね。

でも、時間が経って、いろんなことに気づいてよかったじゃないですか。

今度はあなたの意思で、あなた自身が納得して、一生愛せる人を探しましょうね」  


亮一は、食いしばった口元をゆるめて、うなずいた。



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以下のリンクから過去のお話をお読みいただけます。

是非ともご覧下さいませ。



第1回『花火』

第2回『クリスマスイブの庭

第3回『△のきもち

第4回『あなたへのドルチェ』



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