しばらく全く話さない日々が続いた。
それでも夜ごはんとお弁当を作り続けた。


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​ごはんありがとー


会話はなかったけど、毎日ゆうくんのお昼休みにお礼のLINEだけが来た。


そんな日が毎日繰り返されて1週間が経った。
土曜日、ゆうくんは珍しくお休みだった。
朝からうるさくて起きるとお掃除ロボットが動いていた。

🙋‍♂️「ななはロボットと比べたら無能だから。」

と起きて早々言われたのでお掃除ロボットが掃除できない場所を寝起きでひたすら掃除した。

そしてしばらくすると朝のことは忘れたかのように

🙋‍♂️「なな!ドンキに一緒に買い出し行こう!」

と言い出した。
荷物をまとめたかったけど行くことにした。

わたしの運転で行くことになった。
わたしは免許を取ってまだ1年経っていない初心者だった。
ドンキまでの距離は約2km。
短い距離だけど初心者で普段運転しないわたしには精一杯の道のりだった。

ドンキまでの道のり、ゆうくんの舌打ちが何度も聞こえた。嫌な予感がした。
駐車場に着いたけど運転が下手なわたしはなかなか駐車できない。
ゆうくんの無言の圧に吐きそうになって手汗が止まらなかった。
10分ほど駐車に苦戦してゆうくんは大きくため息をついた。

🙋‍♂️「お前さ、免許持ってるんだよね?なんでこんなに下手なの?俺の車壊される前に運転やめて欲しいんだけど。」

🙋‍♀️「ごめん。もう運転しないから。」

🙋‍♂️「お前の運転は急ブレーキ急アクセルなのわかる?俺に喧嘩売ってる?」

🙋‍♀️「全然売ってないよ。自分なりに一生懸命運転してた。」

🙋‍♂️「お前さ俺が車大事にしてるのわかっててわざとそういう運転してんだろ?まじでやめろ。お前みたいなの免許持ってる資格ねーから。」

🙋‍♀️「わかった。もう運転しないから。」

🙋‍♂️「いやいや、俺さお前に運転するななんて言ってないよね?無能すぎない?」

🙋‍♀️「…」

どんどん声を荒げるゆうくん。
車の中という密室で怖かった。
でも逃げたらなにを言われるかわからないし、きっと家にも入れてもらえない。

わたしは震えながらバッグからiPhoneを取り出しボイスをONにした。

🙋‍♀️「え、言ったじゃん。」

🙋‍♂️「俺の車で運転するなって言ったの。お前実家帰って実家の車で練習してから俺の車で運転してくれない?」

🙋‍♀️「新潟で運転できないのに東京でなんて怖くて無理だよ。一回お家の駐車場入れようと思ったら後ろにいるパパひきそうになってトラウマなの。そこからパパも練習してからにしようって言って実家の車大きいし運転してない。」

するとゆうくんから衝撃の一言…

🙋‍♂️「ならお父さんひいてみてくれない?」

わたしは言葉が出なかった。

🙋‍♂️「お父さんひいてから運転できないとか言ってくれる?ひいてみろよ。それでお父さん死んだらお前捕まるし運転できなくなるから。」

怖さで涙が止まらなかった。
(1年経った今もこの言葉を思い出すと涙が止まらない)

その後もしばらく説教は続いた。
するとゆうくんは「親に電話しろ!」と言い出して、わたしは母に電話をかけた。