さて今夜は、本日の購入品の中に、特記すべき1品がありましたのでこれについて詳説したいと思います。
ものは「IORI工房(以前に過去作品「走るゆっくり」をここで紹介したことがあります)」さん作の「木造客車ナハ22000系」です。
実車は明治の終わりから大正年間にかけて量産された木造の3等客車です。Wikipediaによると、基本形の3等車だけで1800両に迫る両数が生産され、車掌室つきの24000型などを加えた一族合計は3000両に届かんとしたというからその量産振りがお分かりいただけることかと思います。
ところが、これだけ凄まじい数が量産されたポピュラーな3等客車であるにもかかわらず、Nゲージの世界では省みられることが少なかった形式でもあります。
この22000系、驚いたことに太平洋戦争を生き抜いた車が多数存在しますが、経年劣化により危険だということと、この車を廃車にしてしまうと3等客車が輸送需要を満たせない駒不足に陥ってしまうことから、昭和20年代半ばになると鋼製の上回りに乗せかえる「鋼体化」改造が大々的に実施されました。その作業状況の記録がこちらの動画です。
なお、この鋼体化改造後の姿であるオハ61やマニ60、スロ60などとしては製品が多数存在しています。
【中古】Nゲージ/TOMIX 8520 国鉄客車 オハ61形 2008年ロット【A】
¥1,000
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さて、今回購入したのは基本形3等客車のナハ22000とその車掌室付きタイプのナハフ24000です。ぶどう色1号+赤帯の製造当初の姿で8620あたりに引かせるのが最も似合いそうですが、赤帯なしの鋼体化寸前の姿にすると意外な機関車に引かせても可となります(例:高崎線普通列車の運用に、落成直後のEF58に牽かれて就いている姿を捉えた写真が残っています)。個人的には、この2両は赤帯なしの姿で作り、2軸貨車(ワム23000など)を若干両併結した混合列車として、C11に牽かせて楽しむことを画策しています。小型電機(海南島型がベスト!)があれば、この2両を牽かせて超小型レイアウトで走らせることもできるかと。
さらには、北海道の
8620の製品も充実してきたこともあり、そろそろ製品化が望まれる大正の量産客車。アイディア1つで幅広い楽しみ方ができる、正しい意味で上級者向けの客車ではないでしょうか。