今日の一曲!クリティクリスタ「ビビビーチ♡ビビビビーチ!」
【テーマ:夏】の「今日の一曲!」第四弾は、クリティクリスタの「ビビビーチ♡ビビビビーチ!」(2016)です。『SHOW BY ROCK!!』関連の楽曲で、扱いとしてはアニメ版(『しょ~と!!』)の挿入歌という位置付けになります。
いきなり変化球を投げますが、本曲のレビューに入る前に上掲ディスクのc/w曲「コ・ア・ク・マ♡サマーモード」に言及させてください。前々日と前日の「今日の一曲!」では「GS・サーフ風のアニソン」を紹介しましたが、その流れを期待していた方には当該のナンバーをおすすめします。テケテケもダサ格好良さも夏らしさも全て詰め込まれているので、きっとお気に召すことでしょう。
そちらをメインに立てても良かったのですが、今回フォーカスするのは表題曲のほうです。本曲に関しては当ブログ初の『SB69』単独記事の中でも一度言及していて、そこでは作品との出会いの経緯やクリクリの良さについても語ったので詳細はリンク先を参照していただきたく存じますが、内容が長いため本曲に対する文章のみを引用してからレビューに入ります。以下のパラグラフが丸々引用です。
あざとさ全開のサマーアイドルロックチューンの皮の下に、プラズマジカへのあてつけのようなパロディ心と唐突なハワイアンアレンジをぶっこむというプログレッシブさが潜んでいるのが堪らない「ビビビーチ♡ビビビビーチ!」(中略)言わば「本気のあざとさ」が楽曲自体の精錬にも繋がっているというのがクリクリが圧倒的だと思う所以です。
本曲のツボをなるべくコンパクトに伝えようとした結果がこの一文なので、これだけでも簡単なレビューとしては成立しているとは思いますが、せっかく曲単体で記事を立てたことですし、ここでは各表現で言わんとしていたことをもう少し細かく見ていくことにしますね。先に書いたc/w曲も含めた試聴動画があったので、埋め込んでおきます。
まず「あざとさ全開のサマーアイドルロックチューン」というのは、曲全体に対しての感想です。「サマー」以外はクリクリの音楽の殆どにあてはまる類の形容かもしれませんが、本曲のそれはとりわけ顕著だと感じます。
曲名の良い意味でのアホらしさもその一端ですが、たとえばAメロの歌詞"あちちちちちな夏が来て/コゲコゲコゲに日焼けして/トコなっちゅっちゅなムードやっぱ/そうコレ、ス・イ・カ割りでしょ♡"は、この詞を書く方も歌う方も相当振り切っていないと恥ずかしい仕上がりになってしまうほどにあざといので、これをキャッチー&ポップの範疇で聴き易く出来ているだけでも流石はプロの仕事だと絶賛します。リズミカルな作編曲の妙のおかげも勿論あるでしょうけどね。このセクションでは、"キンキラキラキラリンの1ページ"のフロウの良さが最も好きです。
BメロにPPPH(が可能なつくり)を持ってきているのも最早様式美の域ですが、「こういうのでいいんだよ」を外さない王道のあざとさこそがクリクリの真骨頂であると評価します。
次に「プラズマジカへのあてつけのようなパロディ心」というのは、冒頭やサビ終わりに登場する"GO!GO!気分"のパートのことです。フックとしての役割をきちんと果たす、定番と言えば定番のバンドアレンジだという気もしますが、本曲のそれには明確な元ネタがあると推察され、おそらくプラズマジカの楽曲「Have a nice MUSIC!!」(2015)の"GO GO LUCKY"の部分が意識されているのだと思います。
両バンドの関係性…というかロージアの持つライバル心が反映された、もしくは反対に親しみを込めて遊び心を滲ませた、将又その両方かもしれませんが、こういうセルフパロディは楽しいのでガンガンやってほしいですね。
最後に「唐突なハワイアンアレンジをぶっこむというプログレッシブさが潜んでいる」についてですが、これは2番Aメロで急に落ち着いた編曲になる箇所を指しています。こういうサウンドを「ハワイアン」と形容するのが果たして正しいのかどうかは疑問ですが、歌詞が"アラモアナ~ここは天国~"なのでサウンドスケープ的にはハワイだろうということでご容赦ください。
クリクリだとかアニソンだとかは関係なく、1番→2番の変化量の大きさにはある種の正義があると考えているため、この雰囲気をガラリと変えるアレンジには称賛を送りたいです。メロディも1番の面影を残しつつ変化させている系なので、個人的なこだわりにも合致していました。2番Aに全く別のメロを持ってくるというアプローチも嫌いではありませんが、巧くやらないとただ闇雲に曲の断片を繋げただけという評価になってしまうので、変化量が大きけりゃいいってものでもないのが難しいですね(ゆえに「ある種の」としました)。
このセクションではブラスと重なる"パッパッパラソルの下"のパートが、歌声の質も含めてバカっぽくて好みです。
![]() | TVアニメ「SHOW BY ROCK!!」クリティクリスタ『ビビビーチ・ビビビビーチ!』 1,136円 Amazon |
いきなり変化球を投げますが、本曲のレビューに入る前に上掲ディスクのc/w曲「コ・ア・ク・マ♡サマーモード」に言及させてください。前々日と前日の「今日の一曲!」では「GS・サーフ風のアニソン」を紹介しましたが、その流れを期待していた方には当該のナンバーをおすすめします。テケテケもダサ格好良さも夏らしさも全て詰め込まれているので、きっとお気に召すことでしょう。
そちらをメインに立てても良かったのですが、今回フォーカスするのは表題曲のほうです。本曲に関しては当ブログ初の『SB69』単独記事の中でも一度言及していて、そこでは作品との出会いの経緯やクリクリの良さについても語ったので詳細はリンク先を参照していただきたく存じますが、内容が長いため本曲に対する文章のみを引用してからレビューに入ります。以下のパラグラフが丸々引用です。
あざとさ全開のサマーアイドルロックチューンの皮の下に、プラズマジカへのあてつけのようなパロディ心と唐突なハワイアンアレンジをぶっこむというプログレッシブさが潜んでいるのが堪らない「ビビビーチ♡ビビビビーチ!」(中略)言わば「本気のあざとさ」が楽曲自体の精錬にも繋がっているというのがクリクリが圧倒的だと思う所以です。
本曲のツボをなるべくコンパクトに伝えようとした結果がこの一文なので、これだけでも簡単なレビューとしては成立しているとは思いますが、せっかく曲単体で記事を立てたことですし、ここでは各表現で言わんとしていたことをもう少し細かく見ていくことにしますね。先に書いたc/w曲も含めた試聴動画があったので、埋め込んでおきます。
まず「あざとさ全開のサマーアイドルロックチューン」というのは、曲全体に対しての感想です。「サマー」以外はクリクリの音楽の殆どにあてはまる類の形容かもしれませんが、本曲のそれはとりわけ顕著だと感じます。
曲名の良い意味でのアホらしさもその一端ですが、たとえばAメロの歌詞"あちちちちちな夏が来て/コゲコゲコゲに日焼けして/トコなっちゅっちゅなムードやっぱ/そうコレ、ス・イ・カ割りでしょ♡"は、この詞を書く方も歌う方も相当振り切っていないと恥ずかしい仕上がりになってしまうほどにあざといので、これをキャッチー&ポップの範疇で聴き易く出来ているだけでも流石はプロの仕事だと絶賛します。リズミカルな作編曲の妙のおかげも勿論あるでしょうけどね。このセクションでは、"キンキラキラキラリンの1ページ"のフロウの良さが最も好きです。
BメロにPPPH(が可能なつくり)を持ってきているのも最早様式美の域ですが、「こういうのでいいんだよ」を外さない王道のあざとさこそがクリクリの真骨頂であると評価します。
次に「プラズマジカへのあてつけのようなパロディ心」というのは、冒頭やサビ終わりに登場する"GO!GO!気分"のパートのことです。フックとしての役割をきちんと果たす、定番と言えば定番のバンドアレンジだという気もしますが、本曲のそれには明確な元ネタがあると推察され、おそらくプラズマジカの楽曲「Have a nice MUSIC!!」(2015)の"GO GO LUCKY"の部分が意識されているのだと思います。
両バンドの関係性…というかロージアの持つライバル心が反映された、もしくは反対に親しみを込めて遊び心を滲ませた、将又その両方かもしれませんが、こういうセルフパロディは楽しいのでガンガンやってほしいですね。
最後に「唐突なハワイアンアレンジをぶっこむというプログレッシブさが潜んでいる」についてですが、これは2番Aメロで急に落ち着いた編曲になる箇所を指しています。こういうサウンドを「ハワイアン」と形容するのが果たして正しいのかどうかは疑問ですが、歌詞が"アラモアナ~ここは天国~"なのでサウンドスケープ的にはハワイだろうということでご容赦ください。
クリクリだとかアニソンだとかは関係なく、1番→2番の変化量の大きさにはある種の正義があると考えているため、この雰囲気をガラリと変えるアレンジには称賛を送りたいです。メロディも1番の面影を残しつつ変化させている系なので、個人的なこだわりにも合致していました。2番Aに全く別のメロを持ってくるというアプローチも嫌いではありませんが、巧くやらないとただ闇雲に曲の断片を繋げただけという評価になってしまうので、変化量が大きけりゃいいってものでもないのが難しいですね(ゆえに「ある種の」としました)。
このセクションではブラスと重なる"パッパッパラソルの下"のパートが、歌声の質も含めてバカっぽくて好みです。