今日の一曲!ALI PROJECT「朗読する女中と小さな令嬢」【テーマ:朗読】 | A Flood of Music

今日の一曲!ALI PROJECT「朗読する女中と小さな令嬢」【テーマ:朗読】

 【追記:2021.1.4】 本記事は「今日の一曲!」Ver. 1.0の第三十八弾です。【追記ここまで】

子どもに読んであげたい本は?

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 うーん、全然思いつかないな。これは自分が男だからかもしれないけど、自分が子どもに本を読んであげるという状況が想像できない。「子どもに読ませたい本は?」ならまだ回答のしようもありそうに思うけどね。「自分で読んでくれ」って言うタイプ。笑

 そもそも本を読み聞かせてもらった記憶があまりないような…。その理由かどうかはわかりませんし理由になるかも微妙ですが、僕は0歳児の頃から早期能力開発施設?みたいなところに通っていて、教育の一環に素読があったという話を親から聞いたことがあります。

 僕自身にその記憶は全くないのですが(使っていた教材やノートは後に見たことがあるので事実だとわかっているぐらい)、確かにそこでそういう教育を受けさせていたなら態々読み聞かせをしようとは思わないかもしれませんね。

 方法は何であれ本好きになって悪いことは何もないと思うので、子どもに本を読んであげるというのは意義のあることだと思います。現代はその為(子どもに読み聞かせる用の)本が昔より充実していそうだし。

モモ (岩波少年文庫(127))/岩波書店

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 ここまで書いて急に思い出しましたがひとつだけ好きな児童文学がありました。それはミヒャエル・エンデの『モモ』(1973)です。といっても読んだのは大人になってから。分類上こそ児童文学ですが、メッセージ性が強いので子どもに適しているかといったら疑問の一冊。参考までに。


令嬢薔薇図鑑/徳間ジャパンコミュニケーションズ

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 今日は【テーマ:朗読】なのでそのまま朗読が取り入れられている曲を紹介しようとも思いましたが、今回の質問内容に沿った曲を知っているのでそちらをご紹介します。タイトルに「朗読」も入っているしぴったりかなって。

 ということで「今日の一曲!」は、ALI PROJECTの「朗読する女中と小さな令嬢」(2013)です。13thアルバム『令嬢薔薇図鑑』(2013)収録曲。アリプロのオリジナルアルバムの中でも五指に入る完成度だと個人的には思っている好きな一枚です。


 05.「朗読する女中と小さな令嬢」はタイトル通り女中が令嬢に対して朗読を聞かせてあげる内容なのですが、"最後の朗読をしましょう"という一節が予感させるように、激しい運命に晒されることが確定している"お嬢さま"に対して、最後の忠義を尽くそうとする女中の決意の歌といった趣なので、題からあたたかなイメージを想定していると裏切られます。

 不穏な空気を十分に孕んだ重苦しいストリングスで幕を開け、真っ先に「没落」という言葉が脳内に浮かぶ。歌が始まると一気に暖色系のアレンジになり慈しみが伝わってくるようですが、優しい"お聞きなさいませ"に潜む陰に胸が苦しくなります。


 再びストリングスが入り"童話"の世界へ。俄にビート感が生まれ"朗読"の始まり。このパートで示されているのは"お嬢さま"に待ち受けている運命でしょうか。

 "茨の鎖に巻かれても"や"木の棒 打たれて叫ぶ"などの苛烈な言葉が並びますが、"気高く"あれば乗り越えられるという教訓…というか教育を施すのが女中最後のせめてもの務めといったところかな。

 
 "朗読"が終わると再び現実へと戻りますが、哀しいのは"私はもう今宵限り/忘れます"という女中の言葉。前向きに捉えれば「つらくないように」だとか「任を解かれるから」と解釈できますが、僕にはどうも物理的な忘却(=死)に思えてならない。

 …と悲観的に解釈しましたが、最後に来る"馬車"が絶望の象徴だと断定はされていないので、せめて強く生きたと思いたいですね。



 さて、先述の通り『令嬢薔薇図鑑』はアリプロの中でもかなり好きなアルバムなのでお気に入りの曲も多いです。個人的トップ3は、02.「ローズ家の双子達」、06.「少女と水蜜桃」、08.「南無地獄大菩薩」。表題曲の01.「令嬢薔薇図鑑」も良いですし、07.「黒百合隠密カゲキダン」も好き。

 02.は『Rozen Maiden』ファンを狙い撃ちしたかのようなあざとさすら感じる楽曲ですが。そのあざとさに見事にやられてしまったのは言うまでもありません。笑 実際にローゼンメイデンのOP曲だった「私の薔薇を喰みなさい」(2013)は、発売時期が近いもののこのアルバムには収録されていないのでサービス精神でしょうかね。

 06.はA/Bメロとサビの緩急が素敵な曲で、サビのアレンジの激しさとメロディのうねりっぷりが堪らないです。08.はタイトルからして強烈ですが、歌詞も旋律も編曲も題に劣らぬプログレッシブさを持っていて凄まじい曲だと思います。特にAメロ2後半から入るシンセがツボ。

 01.はサイバー感のあるイントロが持つ意外性と流麗なメロディが、07.はキャッチーさとシニカルな歌詞がそれぞれ好きなポイント。


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