2017年 熟慮断行の旅 その6 | 964 makes me happy

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 そういえば、先日千葉で開催されたエアレース会場で日本人パイロットによる操縦で零戦が飛んだというニュースを見ました。 
 太平洋戦争後、初めてのことだったそうです。 

 戦艦大和、そして零戦ってなんでしょう…。
 その姿、その言葉の響き。
 胸にこみあげてくるものがあります。
 普通の日本人ならこの感覚理解できますよね?
 私はそう思いたいのですが…。 

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 見学者にはいろんな人がいます。
 いろんな考えがあって当然ですから。
 でも、これらの展示品を二次元の世界とごっちゃにして観るのは、私はあまり好まないかな…。
 我々の前を男性が二人歩いていたのですが、彼らの会話はゲームの世界にある大和や零戦のことばかり。
 私もゲームの世界とリアルの世界を混ぜて楽しむことをするので、彼らを全面的に非難するつもりはありません。
 けれども、太平洋戦争とその敗北というのは、まだ清算されていない現在進行形の出来事だと思っているので、複雑な気持ちになってしまいました。
   
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 旅は四日目。
 旅の計画はゆる~く立ててあるので、この日は山口県の湯田温泉に向かうだけです。
 本当はアメリカ海兵隊・岩国基地のフレンドシップデーに行きたかったのですが、恐ろしいほどの混雑らしい、とのうわさを聞いて断念。
 呉を舞台にしたアニメ「この世界の片隅に(※)」の舞台を訪ねるのもいいかな~と思ったのですが、今回の旅の主人公は旦那。
 そして秋山真之の足跡を辿る旅。
 ということで、急きょ、陸路で江田島に渡ることにしました。
 第二音戸大橋が綺麗でした。
 
 ※我々が泊まった呉のホテルは主役を担ったのん(能年玲奈)さんも来たらしく、ロビーには能年さんのサイン等が展示されていました。

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 江田島の学校は説明するまでもありませんが、戦前は海軍兵学校。
 現在は第一術科学校と幹部候補生学校があります。
 潜水艦乗りにも憧れてたという旦那。
 江田島の穏やかな海を見て「こんなに凪いだ海なら、海上でもよかったかな~」とまたもや呟いておりました。
 いやいや、あなたは陸がお似合いだからw
 
 入り口で受付を済ませ、見学者控室で待機します。
 やはり連休ということもあり、見学者数はいつもより多いとのこと。
 急きょ、ガイドさんが見学者を二つに分けて案内してくれることになりました。 

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 我々を案内してくれたガイドさんはいかにも「海自の猛者」といった感じ。
 かつて、玖珠駐屯地で会った「戦車の猛者」さんと同じ雰囲気を持っていました。
 「戦車の猛者」さんは先任曹長(だったかな?)を務められていたそうなので、我々のガイドさんは先任伍長にあった人なのかもしれません。

 見学時間は約一時間半。
 江田島の学校は観光地ではありません。
 ので、色々制約があります。
 時間厳守は言うまでもありませんが、服装もそれなりの格好が求められます。
 ガイドさんのキビキビとした言動に我々、見学者もおのずと背筋が伸びます。

 ドラマ「坂の上の雲」の撮影で秋山真之役の本木さんが真摯に撮影に臨んでいた話や、江田島の本当の正門は海側との話、そして「同期の桜」の話など、旧海軍・海自に関する話を次々に紹介してくれましたが、私が印象に残っているのは「戦艦 長門」の最期の話。
 私も米軍の「長門」に対する仕打ちに関しては納得していません。
 「勝てば官軍」なのかもしれませんがね。
 (長門、つまり長州も官軍だった訳ですが。何かの因果でしょうか?) 
 ガイドさんは無意識だったでしょうが、解説に感情が入っていました。
 が、その気持ちは分からないでもありません。
 観光地の気分で江田島の訪れたであろう人には、もしかしたら、ガイドさんの感情の籠った解説に虚を突かれたかもしれませんね。

 江田島の見学で一番、重きを置いているのは「教育参考館」での見学だと思われます。
 ただの資料館ではありません。
 その名の通り、海上自衛官のための教育施設でもあるのですが、廟としての性格も持ち合わせておりました。
 服装に制約を設けているのはこのためでもあります。
 ただ、限られた時間での見学になるので全体的に駆け足で巡ります。
 「大和ミュージアム」の場合、それなりに儲けも考えなきゃいけないので展示の形式も「ウケのいい」ものにならざるを得ない訳ですが、こちらはそんなの関係ありません。 
 本当は史料を一点一点、丁寧に見学したかったです。
 じっくり見ていたら、半日はかかるでしょう。
 横山大観やレオナール藤田の絵も圧巻でした。

 「あのさ、(ゆっくり見学するために)自衛隊OBとしてのコネは使えんの?」と旦那に突っ込んでみました。
 と言っても、旦那の同期はほとんど定年退職しているので無理なんですけどね。
 (以前、親族を連れて某海自の航空基地に行った時にはVIP待遇を受けたそうです。同期さんが偉い人だったので)

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 見学を終えるとちょうどお昼です。
 そのまま構内の食堂で食事をとります。
 その辺りは上手く考えていますね。
 ご飯を食べた後は売店へ。
 「てつのくじら館」と「大和ミュージアム」でたくさんの買い物をしたので、こちらで買うものは限られていたのですが、それなりにお買い上げ。
 一応、これも自衛隊への還元となることでしょう。

 そう、「教育参考館」で気になることがあったものですから、帰り際、旦那がガイドさんに質問しました。
 (質問の内容はいろいろ差しさわりがあるので、内緒です)
 ガイドさん、旦那の質問にちょっとビックリし身構えたので「いや、僕は陸なんですけどね」と説明すると「ああ、なんだ」という表情を見せたものの、本当に旦那が本当に自衛隊OBなのか疑っている様子でした。
 やっぱりね…。 
 「ガイドさん、驚いてたね。どう見てもOBに見えん。ただのオタクのオッサンにしか見えんもん」と笑うと、「そんなことないよ」と口を尖らせるんですが、なんかね…。例えば、中谷前防衛大臣のようなスマートさ旦那には無いのよ。(笑)

 秋山真之の青春時代を過ごした地を堪能した旦那は大満足です。
 連休の旅もいよいよ終盤となります。