「悪の教典」を観ました | ナードのMovie Reviews

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原作よりはマシかな。



生徒から慕われ、学校やPTAからの評価も高い高校教師・蓮実聖司は、
教師の鑑ともいうべき表向きの顔とは別に、他人への共感能力を持ち合わせていない、
生まれながらのサイコパス(反社会性人格障害)という隠された顔があった。
いじめ、モンスターペアレンツ、セクハラ、淫行など問題だらけの学校で、
自らの目的を達するため、蓮実は躊躇なく殺人を繰り返していく。
しかしある日、蓮実はあるミスを犯してしまい・・・という話。



貴志祐介さんのファンなので、同名の原作小説は読みましたが、
全体の2/3くらいがサイコ教師目線のスリラーとして描かれているのに、
後半になって急に生徒側に視点が移って、B級ホラー小説と化すので、
なんだか焦点が定まらない、変な小説だなあと思いました。
でも映画は最初から生徒目線で、蓮実の得体の知れなさがUPしていて、
ホラーとしての完成度は、小説版よりも映画版の方が上だと思いました。



小説と同じく、サイコ教師の蓮実が学校内での自分の居心地を良くしようと、
問題児や迷惑・邪魔だと感じた者を次々に排除していく前半の展開は、
どよんとした不気味な雰囲気が出ていて、結構よかったです。
ただ、問題なのはサスペンスパートではなく、原作と同じく生徒の大量殺戮シーンです。



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血の量は多いものの、肉片は見えないのでそれほどグロさはない



いくらなんでも生徒皆殺しにして証拠隠滅するのは馬鹿げてるし、
そんなに撃ちまくったら銃声で警察来るだろとか、返り血とか硝煙反応気にしないのかよとか、
完全犯罪としてはあまりに唐突かつお粗末な計画に、正直呆れました。
それにショットガンで若い生徒が殺される様は、最初こそショッキングなのですが、
だんだん単調になり、おまけに誰が生き残るか露骨にわかっちゃうのでハラハラもせず、
後半は前半のゾクゾク感がなくなっちゃったのが残念。



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アーチェリー以外に生徒たちの反撃シーンがロクにないのも単調さの原因のひとう



サイコパスの教師、蓮実を演じた伊藤英明は、思ったよりもよかったです。
海猿とかで爽やかなイメージを築いているので、こういう悪役に合うかなと思ったんですが、
想像していたよりも彼のサイコな演技はいい感じに狂気を帯びていて良かったですね。
生徒たちを行き止まりに追いつめて撃ちまくるシーンは怖かったです。



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謎の台詞「チーチッチチー・・・」は一体なんだったんだろう



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素っ裸で懸垂するシーンで笑っちゃいました



原作小説自体が突っ込み所満載なので、映画にも穴が大量に存在しますが、
原作にがっかりして期待値を下げて観たので、思ったよりも楽しめちゃいました。
作品によってクオリティの差が激しい三池崇史監督作品ですが、今回は当たりと言えるのでは。



※おまけ



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蓮実が生徒にぶっ放していた中折れ式ショットガンは、ベレッタ682と言うらしいです。
私の好きだったゲーム「ブラックオプス」にオリンピアという名で登場しています。
リロードが非常にかっこよかったですね・・・連続で撃てるのが二発だけなのが難点ですが。



60/100点