『一般道でもヘアピンカーブを見つけたら写真を撮り研究材料に』
(※実際は望創家の現場でこんな場のいいところでヘアピンカーブを入れることはないのですが…イメージ力を増幅させるためにいろいろ取り入れる日々です)
世界の
「好きなことでもやりすぎたら、いろいろ、壊すだろ?だからなんでもやりすぎはよくない。好きなことを好きと思える程度にし、その好きなことを好きと思い続けられるように、何か他のことをすることも、それは好きなことの存続維持のためにすることだから、最早それも好きなことの一環なんだよ」
とタバコとお酒と缶コーヒーの絶妙なバランスの己の嗜好品のことを説いてるのか、目先の林業のことを説いてるのか分からぬ先輩の呟きに「イイから手を動かして」と思ったことのある皆さん、こんばにちは。望創家ノリです。
本日の大分県山間部は雪。最近は春の陽気な気温に天候不良が組み合わさり、己の気持ちのようにハッキリしない日々が続いておりましたが、どうやら今日から漸く冬、はじまりそうです。
皆さんの地域は如何でしょうか。
さてはて、今年も残り僅か。望創家は毎年この時期になると、自らのblogを読み返して記憶を辿り振り返りをします。
本当に忘れっぽいので、自身が紡いだコトバにも鹿児島の仲間の[いいね]で読み返し、「うん、ありがとう」と自身のコトバに(過去の自分と鹿児島の仲間に)感謝をし軽く目が覚め「がんばろう」と過ごしてきました。
『ここから上に向かってヘアピンカーブ…?!』
(※道入れ前に地図を見ながら踏査し、愕然としたのを思い出します。あれからずっと不安な日々でした。今まではスイッチバックが多かったので…)
はい、ここ一ヶ月間、ずっと逃げたい気持ちで寝られず(寝ています)、朝4時には起きてモウソウ・ノートを引っ張りだし「ヘアピンカーブは…」と書き描きし、現場に行く道中では[道ばかり]気になり、「どっち側に傾いてる?」、「法面勾配は2分?」、「このカーブでの最小旋回半径は?」と頭の中で計算しながら現場到着。
いつもながら一筋縄ではいかない道入れが続いていて、探究心旺盛な性格ですが、さすがに長期間続くと[テスト勉強な日々]のように「明日の試験(道入れ)はうまくいくかな」と一人不安になり、二度寝ができない性格なので、夜は眠気が襲ってくるギリギリまで調べものをしたりして過ごし…気づいたら朝4時頃寒くてトイレで起きて…。
『どれぐらい土を切ったか…』
(※土が少なく、奥左側の立木2本に何本も木を引っ掛け土止めし、垂直に土を盛っています。ノーマル・ユンボで作業なので大変でした)
道入れのプロなら道入れ前のルート決めのための現地調査(踏査)である程度は把握するのでしょうが、望創家の場合は「ここに道を入れて」と地図を渡され担当者が踏査した場所に道入れをするのがメインで、一応左右2mぐらいはルート幅がずらせるので、あとは勾配や次のつながりをその都度見て、細かくルート決めをしていきます。
『ヘアピンカーブの下側の法面処理に立木利用』
(※道入れ時は土は特に貴重です。土が足りないので流れないように転圧しながら丸太を入れて土止めを。勾配がキツい法面のときは立木を丸ごと一本入れ込んでいます。勿論枝払い後に)
そう、望創家の道入れはある意味[掘ってみないと分からない]のであります。なぜなら望創家が踏査してるわけではないからです。心構えゼロでぶっつけ本番なのです。
(※一応現場に重機移動後に踏査はしますが、既に決まったルートなので…)
その担当者からの地図が、テスト用紙に見えるのです。
それだから、日々己の現場での感情は「どんな問題が次は出題されるんだろう…うわぁ…岩だ…」となったりするわけです。
道入れの基本は(あくまでも望創家が思うだけです)、「その現場にあるものをフルに使い突き進む!」と思っております。それが経費節約であり、その山に馴染んでいく道になると。
しかしその道は…どこまでの使用期間を考えているかと聞かれれば…「次の伐採作業期間中もてば…」としか答えられません。
『さっきとは反対から撮影のヘアピンカーブ予定地』
(※勾配が気になり…それでもイメージ力を駆使して泣きながら…自身を信じて、任せて…)
昨今の梅雨時期の豪雨…これに耐えるのは、ほぼ無理だと思っています。なぜなら作業時間に限りがあり、人件費、重機リース代、燃料費など、諸々を考えたら…多くの時間をかけられず…言い訳です。
(※豪雨で鉄鋼スラグという水で締め固める鋼材の廃材利用の道もえぐられていましたので、よほどの止水や対策(丸太工法)をしない限り地道は崩されると思っています)
『軽バンが一回で回れる幅分しかないですが』
(※幅5mの計10mは取りました。勾配を下げて頑張りましたが、できれば12mは欲しかったです。正直一回で回れるか分かりません)
伐採でもそうですが、そこの現場によって作業時間は大幅に変わります。
天候、勾配、立木数、立木の樹齢、樹種、立木の傾き、搬出路、土場の位置…そもそもが木を伐る前の下準備として雑木や竹、カズラが大量に生えていたら…大変な下刈り作業もあります。
それらを[皆]が考慮され、きちんとフェア・トレードではないですが、適正価格が支払われなければ、やりたくてもやれず、ただの慈善事業になってしまいます。
そんな状況下、
「ヘルメットやチェンソーパンツの耐用年数は2年ですよぉ〜買い替えてくださぁ〜い」
や
「あ、あびせ倒しは法律違反ですよ、やめてください」
などなど、なんでも言うだけで、その解決方法、なぜに現場レベルでは[決められたことが徹底して守られてないか]の根本原因が解決されないままなのか、もっと上の人たちが現場の目線に立って考えて欲しい時期になっているのではないでしょうか。
『ヘアピンカーブづくりは、まずは強引につなげるところが基本に感じます』
(※上下のライン取りは、まずは道をつなげ、それから道の拡幅、勾配合わせ、土の切り盛りを繰り返しカーブでの上下のつながり勾配を合わせるようにし…地味にイメージをつくっていきます。土建屋さんのように図面がないので、一発勝負)
望創家に仕事をおろす担当者、その担当者に仕事をおろす県の担当者、その県の担当者に仕事をおろす誰か。軽く考えても望創家に仕事がおりてくるまでに2〜3人はいると思われます。
皆がお金をもらうには、その仕事を完遂しなければいけないと思います。つまり現場人がその与えられた作業を終えて、初めて成り立つ[仕事]、[お金]ではないでしょうか。
それは[対等]だと思うのです。完全にとは言いませんが、現場人が頑張って初めてその担当者の頑張りも実績になり、そして更にその上の人の実績に、そして更に更に上の実績にもつながると思われます。
(※皆が頑張って[お金]になるというお話です。現場人他多数の[皆]でつくりあげる[お金])
誰かが欠けてもこの仕事は、お金というカタチにはなりません。
少しでも安全に皆が笑顔になる仕事の仕方は、やはり、これからの未来の現場人以上に、今現在の現場人を応援するような、そんな気持ちがないと、益々林業は衰退していくと思われます。
収入が少なければ支出を減らすそれではないですが、単純に林業に参入する人が少なければ、現存の林業従事者を減らさない努力にも時間やお金などを費やすべきだと思っております。
どの産業も[未来の担い手]ばかりに力を注いでいるような気がしてなりません。
まずは現存の現場人が頑張っている姿を世の中にもっと見せられれば、自ずと未来の担い手がそれに夢を見て(現実を見て)新たな参入を決める…と。
『雪が降る前に仕上げして脱出』
(※今年も約5kmの道入れ終了。来年は…どういう林業年にしようか模索しております)
何かの安全講習会で講師の方が、
「皆さん、どうしたら労働災害が減ると思いますか」
と聞いてきました。
答えは単純ではないと思いますが、労働災害ゼロは難しいですが(自然相手なので)、半減はできると思っています。
「単純に仕事に対する対価(単価)が上がればいいだけです」
1立米辺り500円でも上がったら、やる気が出ると思います。そして心と懐の余裕ができたら、もっと安全にもお金や時間がかけられるかもしれません。
『とにかく土がなく勾配がキツかったです』
(※路面の肩づくりに立木一本利用。埋め込んで土の流出と肩の強化を。肩に入れ込むために、先に邪魔な立木を伐っておき、それから入れ込む立木を倒し込みます。順番が要)
毎年の梅雨時期の豪雨で災害が増えていき、やがて林業とは関係のない地域の皆さんの生活圏に必ず直結する何らかの産業のひとつの林業だと思っています。
己を守るため、地域を守るためとまでは言えませんが、この好きな林業を継続していくために望創家は模索し続けています。
『山ではいろんな実験が』
(※初めて見たときは「苗のお墓?」と思いました。今の現場の帰り道に発見)
好きな自然、この町のこの国の緑、いつまでも見続け感じていきたいです。
そこで、自分が楽しく幸せを感じながら日々暮らしていける林業生活を考え、そんな分野づくりをと思い情報収集をしています。
今[伐らない林業]というのがあり、つまりは育林・造林分野で、大きな重機などを使わず、木を伐ったあとの山の片付けの地拵え(じごしらえ)、そして苗の植え付け前の鹿ネット張り、そのあとに苗の植え付け、その苗場の下刈り(草刈り)、鹿ネット巡視。少し苗が成長した何年後かに枝打ちと除伐。
これらの林業の中の[育林造林業]は手作業が多く、とてもハードです。しかし刈り払い機と小さいチェンソーだけで参入できるハードルが低い利点があり、近年成り手が減少していましたが、ちょっとずつですが、林業を気軽にはじめられ人気が出ています。
望創家は…足腰が悪く(足首手首も)、この育林造林業は…無理で…しかも一匹狼ではできない分野ですので…
勝手なモウソウですが、
「この育林造林業も、木を伐ったあとに行われるもので、やはり木を誰かが伐る必要性は絶対に林業では必要」
と思っております。
『苗一本一本に被せものとポール2本が…』
(※鹿対策だと思うのですが、物凄い労力と資金だと思います。そして…私が苗だったら…苦しい。鹿ネットを張らない分どうなのかは分かりませんが、蒸し枯れしなければいいですけど)
望創家ができることは…どれもプロ級ではなく、素人に毛が生えたレベルです。たった7年の経験で何ができるか考えた結果(己の身体も考慮し)、
「ショックレスハンマー使い」
ぐらいかなと…(汗汗
今林業はどんどん高性能林業機械を導入し、機械化していっています。それと同時に高齢化も進んでおります。
つまりは、必ず[手作業]があり続けると思っております。
人間は楽を覚えると…そう、重機に乗りだすとチェンソー作業が面倒に感じてきます。特に体力が衰えていけば尚更です。
「そうだ、チェンソーマンになろう!」
と最近強く思いだしました。
勿論今はそこまでの体力も筋力もありません。これからの10年を考え、ゆるりと望創家林業を考え、自分なりのアプローチで山々のために自分を活かせたらと思っています。
『ここのスロットルレバー?が折れやすい…』
(※これで3回目。直すのは簡単なんですが…)
チェンソーの達人は沢山います。
「大体一日に2〜300本は伐るかな…毎日じゃないけど」
という声を聞きました。
望創家は山でとれたものを加工する方にも興味があるので、週3林業を求めています。狩猟だって、皮をなめしたりもしたいです。竹林だって整備して山の健全化を考えています。
まずは週3林業ができるように、いろいろと情報収集をし、仕事をとり、そんな林業生活構築のために来年は動いていこうと思っています。
それが第二の望創家のような山人の道標(みちしるべ)ではなく[ひとつの選択肢(生きる道、活かす道)]となれれば幸いです。
望創家の売りは…
「一日に2〜300本は伐れないけど、材を大切にし安全に伐倒を心掛けて100〜150本ぐらい伐ります」
と人様に言えるように、まずは武器(チェンソー)を用意し来年を準備期間として…今回のblogは望創家の壮大な夢物語な夢オチということで!
またこの[ヤマビト-ドクリツ]話をお楽しみに!
それではまた次回お会いしましょう。
Ciao!
『今度このレバーを自作してやろうと思います』
(※特に最近のチェンソーは軽量化で嬉しいのですが、脆く感じます。ちょっとプラスチック部が多すぎる。防振性も向上していいのですが…)
追記:
好きなことをしながら死にたいと思い、30年前にイタリアに行きました。
望創家のメアド(blogTOPに記載)にもある[1475]。望創家の大好きなひとの生まれ年。
Michelangelo di Lodovico Buonarroti Simoni
通称[ミケランジェロ・ブオナロッティ]
彼は最期までノミ(彫刻中)を持ち続けて死んだと言われ、
「あぁ、自分も最期の瞬間まで好きなことをして死にたいな」
と思いながら、彼の最後の作品の[未完のピエタ]を観にミラノに行きました。
無造作に置かれていたその作品に悲しみと、これからの自分を見たような気がしました。
ノミの代わりにチェンソーを持っている今の自分が、当時の自分に想像できたか、今思うと笑みが溢れます。
(※フィレンツェに当時は住んでいたので、他の3体は既に観ていました。最後に[ロンダニーニの未完のピエタ]を観にいきました。そのときに[最期の晩餐]も)
いつも望創家の戯言に付き合ってくださり2023年もありがとうございました。
2024年もどうぞ宜しくお願いします!
(※もう一回ぐらい年内の更新を目指しています!)
『現場に行く途中に…!?』
(※「山間部 チェンソー携行」に見えました…疲れてるなぁ…汗汗)