生卵の捌き方 | 森由 壱 - tune bride -

森由 壱 - tune bride -

... という 、夢を視ました 。



一瞬のふとした失望
一瞬のふとした線引き

誰かに何かを言われた訳ではない
誰かに何かをぶつけられた訳ではない

一瞬のふとした人の表情だけで
絶望に陥るに足る

踏み外して落ちた側溝のように
それは不意に訪れる

自分の過失なのか
自然のいたずらなのか

そこには確かに
深くて暗い谷底がある






夜の雨の向こう側
街灯が導く道の先
横切る小さなひとの影

いつかはあそこに還ってゆくのかな

ぼくはこんな風な道を
おぎゃああああと
滑り落ちながら生まれてきたのかな

















ぼくが見失っているのか
見失っていないのか
証明もできない事象

ぼくはまたこうして
この度も失ってゆくのだろうか









誰かが傍にいても
いなくても
孤独になるのは自分独り

誰かが隣にいても
いなくても
絶望や孤独から逃げられる訳でもなく

父も母も
あの人もこの人たちも

それぞれに孤独を抱えてもがいている

ぼくだけが特別可哀想な訳なんかじゃ
当たり前にないんだ
















たまごを今回は茹ですぎてしまった
半熟にしたくて
前は茹でなさ過ぎてほぼ生だった

















人生や人との関係も
生卵みたいにむつかしいね


もっと
もっとかんたんでわかりやすくて
覚えやすくて忘れにくくて

楽で小綺麗で
思い通りになればいいのに



















写真引用:




















勝手に育ってしまう魚の目のように
頼みもしないのに上がってくる胃臭のように
せっかく洗っても臭くなる
梅雨どきの中々乾かない洗濯物のように















一所懸命関係しても
ダメになるものはダメになり

なんにもしなくたって
勝手にくっついてゆく人たちもいる

















誰かがいる時の孤独と
独りの時の孤独と

どちらがマシなんだろうか
















辞めた会社の上司の
珈琲の煮詰まった口臭が好きだった

口臭ごときで 
嫌いになんてなる訳もないほど

ぼくを救ってくれたし
救ってくれたからというよりは

存在が救いだったから













写真引用:
https://www.fashion-press.net/news/41999