母が時折わたしに話してくれた、
母の母の話。
高校生の時に早世した彼女に、
わたしがとてもよく似ているらしい。
悪女の深情けとはこの事やなと、
思うような母だったらしく、
子供なのでそのような表現がよく分からないながらも、
悪い気はしなかった。
今思えば母は、寂しかったんだと思う。
母の母は、逝かれる前に、母に寂しい思いをさせたそうだ。
いつもの母より綺麗な格好をして、どこかへ出かける母を見送りながら、
高校生ながら、母がどこかへ行ってしまうのではないかと、そういう不安でいっぱいになった夢を、
よく見たそうだ。
わたしに、自分の母を投影していたのだろうし、それほど似ているのかもしれない。
考えてみればわたしもよく、子供の頃から昭和な感性だと言われ、それが自分でも嫌ではなかったりする。
母に寂しい思いをさせた母の母は、天国ではどう過ごしているのだろうか。母と仲良くやっているのだろうか。
娘に寂しい思いをさせた分、娘の娘に過剰な愛と過多な不安が狂気じみて降りかかった事は否めない。
やはり母の母は悪女だったのかもしれない。だけど、悪女にも深情けがあるらしい。
わたしも母の母に似ていると言われたからには、時にそんな深情けを発動できるような、そんな悪女になりたいものだと、そんな風にも思う。
写真引用:
