「映画の力」EPISODE:
映画一本が与えてくれる勇気、力、希望を信じる!
若かりし頃、ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノに憧れ、英語もロクに出来ないのに、アメリカで俳優をやりたいなどと無茶な発想でニューヨークに渡ってから、早33年が経ちました。住み始めた頃、友人も出来ず、独りぼっちで辛いときや、悲しいとき、そして苦しいときに観ていた映画が、不思議なことにアメリカの作品ではなく、日本🇯🇵の生んだ大スター、高倉健さんの映画でした。健さんの作品には、「もう一日頑張って生きてみな」と言わんばかりのメッセージが込められていて、いつも私の背中をポンと押してくれた気がしました。
いま世の中が凄いことになっています。ニューヨークで 9/11/01を直に経験した私ですが、今回はある種、あの時よりも状況は深刻です。先日アメリカでは、COVID-19の死者数が、9年間にわたるベトナム戦争で命を落とした米国兵士の数を超えました。
しかし、こういう極地に立たされた今こそ、我々には芸術が必要ではないかと信じます。人類はいま、試されているのではないでしょうか……、私は映画一本が与えてくれる勇気、力、希望を信じて止みません。皆さんと一緒に、”映画”という大切な文化を残していけないかと切に願っております。
▼日比遊一監督 待機作品
『名も無い日』2020年公開予定