「フルマラソンを攻める」その54

〜厚底シューズの特徴と効能について


 「フルマラソンを攻める」という内容でフルマラソンの練習について、書かせて頂いてます。


 僕はこんな風に、記事を書かせてもらっていますが、普段の僕はたくさんの人の中に入るのが苦手です。

 数人なら話せますが、人が増えると、静かに見ちゃうタイプです。

 そもそも日本語が下手というのもあると思いますし、周りを気にせずに発言や行動して失敗した経験が多いからかもしれません。

 そんな僕がこうして、多くの方のお役に立てれば、と思いながら書かせて頂いているのは、以前の僕には考えられなかったことです。昔よりは少しだけ、苦手意識が弱くなっているのかもしれません。


 書き溜めたりする訳ではなく、日々気楽に書かせてもらってます。それでも、いつもマラソンのことは頭の片隅にあるから書けるんだろうなぁと思います。

 LINEで、スマホアプリゲームについてのアンケートが来ました。

 残念ながら、アプリゲームはやりません。ポケモンGOは多少やりましたが、レースでタイムが出なくて、即座に止めました。

 ゲームはやりませんが、パン屋さん巡りで出会うパン屋さんは新しいポケモンに出会う感覚です。リアルなポケモンの旅をしてるのかもしれません。これからもランニングを通した日々の出会いを楽しんで行きたいなぁと思います。


 今週は練習内容に見る弟子の進化、僕の進化、そして、シューズについて書いて来ました。今週の最後は厚底シューズの効果についてまとめます。



シューズ選びは最大の悩みです

 僕は大学生の頃、テニスサークルに入っていました。当時、ラケット選びは悩みました。それでも、他の方のラケットを借りられるので、買う前に試せる点は良かった覚えがあります。

 それに対して、スキー板は長さが色々、スキーブーツの大きさも色々なので、簡単に仲間のスキー板を借りて試すのはなかなか難しかった覚えがあります。


 ランニングで言えば、自分にはどのシューズが合うのか?は大きな悩みです。仮に買っても、当たる場所があったりする時もありますから、試着なしに買うのは悩みます。

 特に今はレース用の厚底シューズと言えば金額も高いので、本当に悩んじゃうんです。店頭で履いても、仮に数時間履いて走っても、これなら!と確認するには、足りない気がします。


 ですから、新しいシューズの購入は慎重になります。

 また、Alphaflyのように、力を出せるコースと出せないコースがあるなぁと感じるシューズがあります。難しいですね〜

 それでも、厚底シューズが主流になる中で、良い点や課題を改めて紹介していくことが大切かなぁと思っています。



そもそもカーボンプレートは何が良いの?

 元々シューズには薄底時代からプレートが入っています。例えば、adidasやasicsなど、多くのブランドはミッドソールの下、つまりシューズの底にプラスチックプレートと配置していました。トーションバーと呼ばれるものです。これに対して、例えばonやNIKEではミッドソールの上にプラスチックプレートを配置していました。

 このプラスチックプレートに曲げ構造を加えたのが、Vaporflyです。プラスチック素材では強い反発力が出せないので、カーボン素材に切替えた訳です。



 上の写真の通り、最初のVaporfly 4%ではソールの部分にカーボンプレートの形状が描かれていました。つま先部分と拇指球後ろを上から押した時にカーボンプレートがバネになる構造でした。
 この時は下のような分解図が出されていました。



 この構造は板バネの原理を使いますので、地面を蹴る時に強い力でシューズを踏むことで反発力が強まります

 なので、体重を掛けることか大切で、足を後ろに送る形より、下に地面を蹴る動きが大切になります。


 強い跳ね返りを得るには、板バネを強くすることがカギです。1つは横幅を広げること、もう1つは曲げを増やす(ミッドソールを厚くする)ことが大切です。

 このため、厚底が採用されたり、シューズの横幅が広がる傾向になっています。


 プレート素材がプラスチックの場合、素材が柔らかいため、反発力が弱かったり、反発のタイミングが遅くなります。プレートをカーボン素材にしたことで、反発力を強めて、反発のタイミングを速めています。



ランナー目線で見た厚底シューズの効能

 1番の効能は当然ながら高い反発力です。

 この反発力は荷重を掛けてから、跳ね返りが戻って来るまでの時間が大切です。

 特に、ピッチ走法の僕は跳ね返りまでが短いほど、ピッチが高くできます。逆に跳ね返りまでが長くなりますとスピードが上がらなくなります。逆に、あまり反発力を活かしてないですね〜😅

 ストライド走法の方は反発力の大きさが大事です。なので、跳ね返りまでの時間はあまり影響しないかもしれません。


 多くのシューズは跳ね返りに着目して開発されていますから、ストライド走法の方はシューズを選びやすいかもしれません。ピッチ走法の方は各社の開発の方向と合っていないので、なかなか難しいですね。

 asicsはストライドとピッチと分けていますが、逆の方が効果を得やすいと言う方もいるので、なかなか思い切れません。



厚底シューズに合ったペース配分

 カーボンプレート入りの厚底シューズはレース後半まで疲れにくいと言われます。これは、先に書きました通り、ストライドやピッチを伸ばせるからです。シューズがサポートしてくれるので、レース後半の落ち込みがなく、走れます。

 ですから、レース全体を通して、同じペースで走るのが、お勧めです。

 確かに、大きなレースでもペーサーが抜ける30kmからペースが増えることか多くなっていますよね!


 逆に!

 加えるべきこともあります。

 先に書きました通り、蹴る動作が大切です。

 蹴る時、蹴った力が推進力に繋げられる間は速く走れます。でも、例えば、前傾姿勢を保てなければ、跳ねる力が上に逃げてしまいます。こうなれば、推進力ではなく、力が上に逃げちゃいます。当然、ストライドが狭まってしまいます。

 また、蹴る力が弱くなれば、跳ねなくなりますから、ストライドが狭まります。

 こうした失速する時は薄底シューズより変化が急です。

 この失速を減らすには足作りが大切です。もしかすると、厚底シューズが登場してから、その大切さは増しているかもしれませんね。


(かすみがうら2023のゴール手前です。この時は前の週が彩湖ウルトラ71kmでしたから、前半を抑えて、後半にペースを上げました。3:40/kmを切るペースでゴール手前でした)