2月14日(土) | 元木昌彦の「編集者の学校」

元木昌彦の「編集者の学校」

「FRIDAY」「週刊現代」「オーマイニュース」など数々の編集長を歴任
政治家から芸能人まで、その人脈の広さ深さは、元木昌彦ならでは
そんなベテラン編集者の日常を描きながら、次代のメディアのありようを問いただす

 10時に原宿の「朝日ニュースター」の打ち合わせ現場に行く。愛川欽也さん、田岡俊次さん、二木さん、升味佐江子弁護士たちと軽く雑談。11時から生放送。

 軽い二日酔いと、テーマが、イスラエルで中道右派が勝利したとか、ヒラリーが訪日するが、その目的は?などと、私には難しすぎるテーマばかりで、口を挟むところがない。

 かろうじて、小泉元首相の麻生批判についてと、御手洗キヤノン会長と親しかったコンサルタント会社の社長逮捕をめぐって、御手洗さんまで捜査の手が伸びるのかについて、当たり障りのないコメントをした。

 小泉発言については、いま、十分総括され、批判されるべきは「小泉政治そのものである」。アメリカべったり、アメリカ製の新自由主義、グローバル資本主義を無批判に受け入れ、構造改革の名の下に、規制緩和を推し進めたこと。暴挙と思える解散をしてまで民営化した日本郵政と、規制緩和で儲けてきたオリックス宮内会長との癒着構造が明るみに出てきている。この小泉元首相がやった「政治」を一度、きっちりと検証しなければいけないのに、メディアはどこもやってはいない。

 麻生首相のどうしようもなさは論外だが、二度と、小泉流劇場型パフォーマンスに振り回されることだけはやめなくてはいけない。

 御手洗キャノン・経団連会長については、今回の事件の主役たちとの親密さは疑いようがないが、背任などに問うことができるかというと難しいのかもしれない。しかし、経営者のトップに立ち、若者たちに対しても、訳知り顔で、道を説く人は、これほどの疑惑をもたれたことを恥じて、職を辞するのが当たり前だと思う。少し前、キャノンの偽装派遣問題を追及した朝日新聞に、キャノンの企業広告を出さないということをやったり、景気が悪くなると、すぐに派遣を切り捨てる人間に、この国を任せるわけにはいかない。こういうときもっと勢いずくべき週刊誌の動きが鈍いのは、キャノンの広告欲しさではないか。そんなことをウダウダいって2時間の番組が終了。

 夜、前から行きたかった築地の「千秋」で、胃の具合が悪くて酒を控えていたという川崎嬢と、美味い魚と珍しい焼酎を呑む。