和文化・おもてなしマナー講師の安達和子です
10月に入りましたね~秋のことわざで
天高く馬肥ゆる秋が、有りますが
これは「空が澄み渡り高く見える秋ごろ
馬たちも過ごしやすく食欲も増してたくましく育つ」と
いった秋の快適な気候が表現されますね
実はこの言葉には・・・
元は今のような意味ではなく「天高く馬肥ゆる秋」は
中国唐代の詩人・杜審言(としんげん)の
「漢書」にある一文に由来します。
「雲浄妖星落 秋高塞馬肥」
(そらきよくしてようせいおち あきたかくしてさいばこゆ)
「妖星」とは
凶事の前兆と信じられていた不吉な星で
「塞馬」とは
北方の馬のことをさします。
秋になると肥えてたくましく育った馬に乗って
敵が攻め込んで来るから警戒せよという意味です。
中国の王朝・前漢(紀元前206年-8年)では
遊牧騎馬民族・匈奴(きょうど)との戦いが激化していました。
匈奴は秋になるとたくましく育った馬に乗って
収穫物を略奪しに来ることがあったため
前漢の将軍が敵の襲来に備えるよう警告したのです
紀元前214年に秦の始皇帝によって作られたといわれる
「万里の長城」は
騎馬民族の侵入を防ぐために高い壁にしたようですが
当時は一部しか建設されていなかったため
匈奴の侵入を十分に防げなかったようです。
その後、匈奴が滅亡すると
「天高く馬肥ゆる秋」は
過ごしやすい秋の到来を表す意味で
使われるようになりました
お読みいただき嬉しく思います
ありがとうございました
一般社団法人大和撫子和乃会