
(東海道線吉原駅付近)
東海道線は日本の大動脈といえる長大な路線です。その中で様々な風景を見ることが出来ます。ここでは東海道線の主要駅、東京駅→大阪駅を東海道線で移動した場合の見どころなどをご紹介したいと思います。

【使用切符と料金の比較】
・青春18きっぷ
5枚綴りで11850円です。1回分当たり2370円になります。これでJRの全線(北海道から九州まで)が乗り放題になる凄い切符です。
これを使えば2300円くらいで東京大阪を往復できます。どこかのビジネスホテルで一泊してゆっくり2日かけて行くのがお勧めです。ホテル代を4000円として、青春18きっぷ二枚分を使っても計8600となり、これでも新幹線より安くなります。観光もできるので大変良いです。
・普通車グリーン券
できれば熱海までの普通車グリーンを買うことをお勧めいたします。熱海までの約2時間をゆったりと車窓を眺めながら過ごすことが出来ます。土日はホリデー料金となり、780円です。駅の券売機か、ホームにグリーン券の販売機で買います。買いそこなった場合は車内で乗務員さんから直接買うこともできますが、その際は1040円となってしまうので注意です。ちなみに、平日料金は事前料金980円、車内料金1240円で割高なので、できれば土日を狙いましょう。
以下、普通に切符を買って移動する場合と、新幹線を使った場合をみてみましょう。
・青春18きっぷを利用しない場合
東京大阪をJR在来線で移動する場合、運賃は8750円掛かります。1年のうちいつでも移動できるというメリットがありますが、青春18きっぷによる移動と比べて非常に高額になります。また、新幹線よりも圧倒的に時間がかかるので、そこまでの利点は感じません。また、途中下車は可能ですが引き返したり経路を変更することが出来ません。これを買うなら、自分なら普通に新幹線の切符を買います。
・新幹線で移動する場合
東京大阪を新幹線で移動する場合は、運賃と特急券を合わせて13620円掛かります。やはり高額ですが、静かで快適な車内で過ごせること、2時間30分という超短時間で移動できることを考えると、それに見合う価値はあります。新幹線は仕事や用事で使う、在来線は旅行で使うなどの使い分けが最も良いと思います。
在来線と新幹線にはそれぞれのメリットがあるので、うまく使い分けると効果があると思います。
【東海道線を移動する際のコツ】
・ゆったりとした旅を楽しむ
東海道線による長距離移動は、急いでいる人や効率重視の人には向きません。新幹線を利用したほうがはるかに高速で快適に移動できます。ゆったりとした時間の流れを楽しむ心の余裕が最も大切です。
・暇つぶし用具を持っていく
非常に長旅になるので、本を持っていくことをお勧めします。スマホはバッテリー切れになる可能性があるので、自分は使用を必要最低限にとどめています。
・財布にお金を余分に入れておく
予定より出遅れてしまった、電車が遅延している、運休になった等、不測の事態になってしまった場合に新幹線に乗る必要が出てくるかもしれません。またはどこかで宿をとる必要が出てくるかもしれません。そんなときのために、財布に5000円ほど余分にお金を入れておくことをお勧めします。
・(可能なら)2日間に分ける
なんだかんだで1日で移動するのは大変なので自分は2日かけて移動することが多いです。これの良いところは、長距離移動と旅行をダブルで行えるというところです。単発で旅行に行くときは現地までの移動が必要になり、その分の時間と交通費が掛かりますが、それが0になるのでなかなか合理的です。移動距離的には浜松か静岡で分割するとちょうどよいです。
【東海道線を楽しむために】
新幹線にはない、鈍行ならではの楽しみ方はどのようなものがあるでしょうか?
・車窓の変化を見る
東海道線ではビジネス街や住宅街、畑、山、川、海など、日本を象徴するような車窓が展開されます。このような風景を眺めていて、「日本はこんな風景をもつ国なんだ」という気づきが得られます。
・海鮮丼を食べる
おそらく移動の途中で昼食か夕食を食べることになると思います。東海道線の静岡区間には漁港が多いので、どこかで下車して海鮮丼でも召し上がってみてはいかがでしょうか。
・沿線を観光する
1日移動だと厳しいかもしれませんが、2日かけて移動する際はかなり時間に余裕があるはずです。沿線で途中下車して観光してみると面白いです。
このように新幹線による移動ではできないような楽しみ方ができるのが在来線による移動の醍醐味です。
【絶景区間】
・東京~新橋 (東京)
両サイドを高層ビルが囲みます。特に夜間は都会の夜景が楽しめる区間です。
・早川~根府川~真鶴 (神奈川)
左手に雄大な相模湾が見えます。東海道線で最大の海区間です
・吉原~富士~富士川 (静岡)
右手に富士山があらわれます。おそらく初めて見る際にはその迫力に圧倒されることでしょう。
・弁天島~新居町 (静岡)
左手に浜名湖の出口付近が見られます。並走している新幹線も見られます。
・垂井~関ケ原 (岐阜)
荒涼とした山間部の風景が続きます。東海道線は基本的には海沿いを通る路線ですが、名古屋~米原はどちらかというと山側をとおるのでこのような風景になります。
【沿線各駅の紹介】
・東京
ここから東海道線が始まります。東京駅から日本のあらゆる都市へ行くことが出来ます。ただ、東京駅自体に観光に行く人は少なく、「大きな乗換駅」というポジションに位置しています。
しばらくは高層ビル群の間を抜けていきます。いかにも東京らしい街並みが続きます。
・新橋
ビジネス街です。日本で最初に鉄道が開業した駅で、構内に汽車をあしらったステンドグラスがあります。汐留まで徒歩で行くことができ、大江戸線経由で東京タワーにアクセスすることが出来ます。
・品川
近くにアクアパーク品川などがあります。東京駅の近くですが、品川にも東海道新幹線の駅があり、新幹線の混雑緩和に一役買っているようです。お台場へのバスが出ており、りんかい線よりも安いのでお勧めです。
ここから神奈川県に入ります。京浜東北線などと比べ、あっという間に入った感じがします。
・川崎
横浜との双璧をなす神奈川の有力都市です。横浜に対して工業力で優れている印象です。駅構内にある立ち食いラーメン屋の「直久」がとてもおいしいです。タマネギのみじん切りが入っていて、懐かしい味わいがします。
南武線から武蔵小杉方面へ北上することができ、東京ギガループを構成する主要駅となっています。横浜は純粋に神奈川県民が集まっているイメージですが、川崎は西東京に住む人々が多く訪れている感じがします。
・横浜
ここからみなとみらい線でみなとみらいへアクセスできます。みなとみらいの夜景は東京の夜景とは違ってお洒落で美しいです。また、元町・中華街では中国っぽい街の雰囲気を楽しむことが出来ます。
ここから徐々に日常を離れ、旅が始まるという感じがしてきます。
・戸塚
戸塚は武蔵小杉のような、大きな街には負けるけどかなり都会!という雰囲気を感じます。
・大船
大船件のサンドイッチが有名です。これは日本で最初の駅弁であるとされ、およそ100年前の味がそのまま再現されているそうです。大体500円くらいだったと思います。味は普通でした。ここから横須賀線で横須賀・久里浜へアクセスできます。
大船を超えると市街地から住宅地へと風景が変化し、東海道線の雰囲気が出てきます。
・国府津
国府津駅は開業してから130周年を迎えた非常に歴史のある駅です。侘しい感じのする駅ですが、近くの国府津海岸からは湘南の海が一望できます。都心からのアクセスも悪くないので、日常を離れて海を見たいという人におすすめの場所です。
国府津駅からは御殿場線が出ており、沼津へと抜けます。御殿場線は昔の東海道線を構成していました。かつてトンネル掘削技術が発達していなかった頃は東海道線を敷設する際に箱根山が難所となり、それを迂回するルートとして敷設されました。しかし、函南トンネルが完成してからは東海道線をそちらに譲り、地方線としての役目を負うこととなりました。
・鴨宮
静かな住宅地です。近くに酒匂川という大きな川が流れています。
・小田原
小田原駅周辺は驚くほど都会です。まるで新宿のような雰囲気があります。小田急が走っているので、その影響を受けているものと思われます。少し歩くと歴史都市の雰囲気が出てきます。小田原城があり、さらに歩くと海岸にたどり着きます。散策にとても良いです。都会的な雰囲気と歴史を感じさせる風景が共存しているので、住むのには良いのではないでしょうか。
ここからは左手に湘南の海の絶景区間が続きます。
・根府川
「海の見える駅」として有名な駅です。相模湾が一望できます。駅のホームから紺碧の海が見え、風情を感じさせる景色です。駅周辺を歩いてみましたが、坂が多く生活はなかなか不便なところが多そうです。
・熱海
最近リニューアルしたそうで、駅は新しくきれいです。改札を出て左手に無料の足湯コーナーがあり、長旅で疲れた人が休んでいます。逆に改札を出て右手の商店街を少し行くと温泉饅頭が50円で売っていて、それがお勧めです。熱海は温泉の街であり、いたるところで温泉施設を見かけることが出来ます。港付近にはヨットが停泊しており、リゾート地らしい風景です。
熱海を超えると函南トンネルに入ります。しばらくは車窓は真っ暗になり、電波も通じなくなります。この辺りでスマホを持っていた人が一斉に「あれっ?」という顔をするので見ていて面白いです。函南トンネルを抜けると急に山間部の風景になります。
・函南
静岡区間では珍しく山間部の駅です。駅の近くから山の狭間にある町が一望できます。温泉施設が多いようで、バスも走っています。函南へ観光に来る人は少ないですが、案外穴場かもしれません。
この辺りからいよいよ静岡っぽい区間に入ります。富士山が徐々に近づいてきます。
・三島
富士山がよく見えたと思います。名物の三島コロッケそばを是非ご賞味ください。伊豆方面への玄関口であり、沼津や伊豆長岡へのアクセスが良好です。新幹線駅なので、東京や大阪から伊豆観光へ来る際に利用できます。逆に、三島付近に在住であれば新幹線によって都市部へ簡単にアクセスすることができます。
・沼津
静岡では静岡市、浜松市に次いで3番手にあたる有力都市です。商業施設が集中し賑わいを見せています。沼津港の鯵の干物定食がおいしいです。びゅうおからは駿河湾の風景を一望できます。
・片浜
住宅地です。おそらく沼津付近に勤め先のある人々が住んでいる所です。大きなショッピング施設があり、地元の人が多く訪れています。駅から少し歩いたところにある広大な海岸からは左手に沼津港のびゅうお、右手に富士の工場群が見渡せます。
片浜を超えてしばらくすると富士山が車窓いっぱいに見えます。東海道線において富士山が最もよく見える区間となっています。東海道線の一番の見どころであると思います。ただ、天候が悪いときはすっぽり雲に包まれてしまい、全く見えない場合もあるので、見えるかどうかはその日の運によります。
・吉原
田子の浦港が近くにあります。田子の浦港は工場に囲まれており、かつてはヘドロなどの環境汚染が問題となりましたが、現在は大幅に改善しています。富士山が非常にきれいに見えます。岳南鉄道への乗り換えが可能です。
・富士
富士と名はついていますが思ったほど富士山は見えません。富士山を見る際は隣の吉原まで行ったほうがよく見えます。富士市は公的機関・住宅地・商業地が分散しており、駅前は簡素です。製紙業の街であり、多くの工場がひしめき合っています。身延線で富士宮・山梨へのアクセスが可能です。特に富士ー富士宮間は利用者数が多く活発な運行が行われています。
・蒲原
大辞泉p610に
もと東海道の宿場町。アルミニウム工業やサクラエビ漁が盛ん。
広辞苑p591に
東海道五十三次の宿場。アルミニウム工業が盛ん。
とあります。
・由比
交通の要衝である薩埵(さった)峠があります。
由比は大辞泉p2685に
駿河湾に臨み、清水市との境に薩埵峠がある。もと東海道五十三次の宿駅。
広辞苑p2598に
静岡県中部にある、もと東海道の宿駅。駿河湾に臨み、西隣の興津宿との間に薩埵峠の難所があった。
とあります。
薩埵峠は大辞泉p1080に
旧東海道の難所および名勝地として知られた。
とあり、山が海側に突き出た形をしているため、波を被りながら海岸線を渡る必要のある難所でした。現在においても国道1号線・東名高速・東海道本線が並走する交通の上で重要な区間であり、東京~名古屋の交通状況を把握するのに適しているため、ライブカメラが設置されています。
・清水
港湾都市です。清水港マグロの水揚げ量が日本一で、その風景は圧巻の一言です。近くのまぐろ館の食事もマグロがふんだんに使われており、とてもおいしいです。世界遺産の三保の松原からは富士山と松が共存する日本の象徴的な風景を眺めることが出来ます。
・草薙
三種の神器である草薙の剣にゆかりのある地です。
大辞泉p747に
日本武尊の草薙剣の伝説地。草薙神社がある。
と出ています。
草薙の剣に関しては
三種の神器の一。天叢雲剣の別称。名は、日本武尊が東征のおり、倭姫命から賜ったこの剣で草をなぎ払って難を逃れたのに由来し、のち熱田神社に祭られたという。
とあります。
・東静岡
イベントを行うための広場やビルがあります。静岡市内で大きな催しがあった際に使われる場所のようです。
・静岡
都会です。静岡市内で観光などをする際に拠点となります。駅の中はレストラン街があり、安いホテルも多いため便利です。近くに駿府公園という大きな公園があります。
静岡を超えるとしばらく住宅街が続きます。
・安倍川
安倍川餅の発祥の地です。
大辞泉p69に
静岡市を南流する川。山梨県との境にある安倍峠に源を発し、駿河湾に注ぐ。
とあります。
名産の安倍川餅については
焼いた餅を湯に浸し、砂糖をまぜたきな粉をまぶしたもの。江戸時代、安倍川の渡しの茶店で供されたのに始まるという。
と出ています。安倍川餅は今やコンビニでも売っているポピュラーなお菓子になっています。
・藤枝
大辞泉p2309に
江戸時代は東海道の宿場町、本田氏の城下町。茶・ミカン・シイタケ栽培や木工業・化学工業が盛ん。
とあります。
・島田
島田止まりの電車が多いため、静岡区間では比較的なじみ深い駅です。
大辞泉p1218に
もと東海道の宿場町で、大井川の渡し場として有名。
とあります。
・菊川
掛川とともにお茶の町として有名です。
大辞泉p630に
牧之原台地の西方、菊川流域にあり、製茶業が盛ん。
とあります。
・掛川
お茶とお花の町です。一応新幹線駅ですが規模はかなり小さいです。
大辞泉p480に
もと東海地方の宿場町、太田氏の城下町。茶の生産、出荷地で、楽器・化粧品などの工業も盛ん。
とあります。
掛川を超えてさらにしばらく住宅街が続きます。
・袋井
大辞泉p2305に
もと東海道の宿場町。温室メロンや茶などを産する。
とあります。
・磐田
大辞泉p199に
もと遠江国分寺・国府の所在地で、東海道の宿駅。農機具の製造・繊維・自動車工業が盛ん。
とあります。
・浜松
ビル街です。駅周辺の印象としては静岡で一番都会です。アクトタワーという大きなビルがあり、そこの展望台がお勧めです。浜松市内を一望できます。音楽の街でもあり、楽器の博物館といったものもあります。
浜松からは関西にはいったという実感がわいてきます。若干疲れてきますがまだ半分くらいです。弁天島付近では浜名湖の上を渡り、風景がきれいです。
・弁天島
どこかハワイアンな雰囲気があります。浜名湖の風景が絶景です。
新所原からさきは静岡から愛知県に突入します。このあたりから結構退屈になってきます。
・豊橋
ここのあんまきがお勧めです。どら焼きの変化形みたいなもので、おいしいです。一度天ぷらあんまきを買いましたが、これは冷めててあまりおいしくありませんでした。家で温めなおすとおいしいらしいです。
・名古屋
あまり利用したことはありませんが都会っぽいです。
ここから岐阜に少しだけ入ります。
・大垣
青春18きっぷユーザーの中では有名な駅です。ここで大垣ダッシュなるものが発生しますが、乗車時間はそこまで長くないのでゆっくり乗り換えます。
・垂井
・関ケ原
非常に山がちな場所で、聞くところでは当初は三重県側に東海道線の線路を敷こうとしたものの、山に阻まれてしまったので唯一の谷であるこの関ケ原付近に線路を敷いたそうです。うどんのつゆの色が変わるのもこの関ケ原付近だそうです。ここから西は関東の濃い色から関西の淡い色になります。
ここから滋賀県に入ります。疲れがピークに達したころです。
・米原
乗換駅です。もう完全に関西に入った感触があります。
確かここから快速が出ていて移動スピードが急に上がるので、ここからはサクサク進んでいきます。旅も終盤に近付いている感じかしてきます。
・彦根
彦根城のひこにゃんが可愛いです。
・近江八幡
バームクーヘンの工場があります。そこのバームクーヘンが美味しかったです。
京都に入ります。
・京都
駅が近代的で非常に美しいです。「四畳半神話体系」の舞台になっており、京都の生活にあこがれを持っている人も多いのではないのでしょうか。
高槻からは大阪府です。だんだん関西の観光客が増えて混みます。
・新大阪
新幹線に乗る場合はここからです。大阪と微妙に離れているので注意してください。
・大阪
駅は豪華絢爛で空港のような雰囲気であり、極めて美しいです。JRのなかで最も美しい駅であると思います。梅田とほぼ同じ場所ですが、非常に複雑で迷いやすいです。新宿駅なんかよりも遥かに複雑な構造を持っています。
東京から大阪まで最短で10時間ほどです。新幹線と比べ利便性には劣りますが、日本の様々な風景に出会うことが出来ます。時間のある方はぜひチャレンジしてみてください。
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2018年6月6日 作成
2018年6月10日 改定