総画数29画の難しい漢字です。漢検1級配当です。
漢検漢字辞典では以下のように出ています。
爨 音:サン 訓:かしぐ・かまど
①かしぐ。飯をたく。「爨婦」「炊爨」②かまど。「三世一爨」
(漢検漢字辞典第二版 p591 より引用)
この漢字は組み立てに妙があり、字源を知っていればかなり覚えやすくなります。
「字通」では字源について以下のように出ています。
字形が複雑で、単位に分解しがたい。上部は興の上部と同じく、興は酒器をもち酒をそそぐ形。爨の上部は炊爨に用いる器に両手を加える形。冖(べき)は竈口。下部は木をくべ、前を開いて火を加える形である。
(字通 [普及版] 白川 静 著 平凡社 より引用)
これをもとに爨の字を見てみます。
爨は篆書では以下のようになります。(拙いイラストで失礼します)
この文字は以下のように分解されます。まず真ん中に米を炊くための鍋があり、それを両手で支えています。鍋の下にはかまどがあり、その下に燃料となる木があります。木をくべる手が左右から添えられています。最後にかまどの火が表現されています。
このように、爨という漢字はかまどで米を炊いている様子を忠実に表現したものであるといえます。このイメージを持っていれば爨という漢字は思い出しやすくなるのではないでしょうか。
ちなみに台所仕事を意味する京言葉に「おさんどん」というものがあり、これは「御爨」に由来するものという説があります。(新版 漢語林 p689)
中国語では発音はcuan1であり、「火をたいて飯を煮る」と紹介されていますが、文語的な表現のようです。兄弟が別々の家で暮らすことを意味する「分爨」という表現が昔あったようです。(现代汉语词典 第六版 p222) 日本語の「同じ釜の飯を食う」をひっくり返したような表現ですね。


