時間外診療 できないんです。 | ほぼ年中無休 もりぞの内科の「ホンネでぶつかる医療の話」

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専門は糖尿病ですが、内科一般診察しています。時に子供も。糖尿病で病院を迷われている方、介護施設を探している方、ご相談下さい。

昨日小児の 時間外診療の事書きました。

 

 


コメントで、 昔の開業医は夜でも診てくれた。

最近は 診てくれないって のがありました。

 

 


おっしゃるとおりです。 

最近の 開業医は 診ません。

 

 

大変だ ってのが 一番の理由だと思うんですが

 

 

もう一つ 診たくても診れない理由があるんです。

 

 


そう もうひとつ大きな 理由は 国が 勧めている 医薬分業 のためです。

 

 

現在ほとんどの 開業医が 院外処方です。

 

 

それは 院内処方だと、7種以上処方すると、10%の薬代カットとなり、どうしても多剤必要な人は、診れば見るほど病院の収入が赤字になりかねない現状なので、 院外処方にするしかないからです。

 

 

ここで、院外処方の開業医で時間外診療する時をシュミレーションしてみましょう。

 

 

 

時間外に来て、診察して、普通は 薬を処方します。

 

しかし 病院(医院)の中には薬はありません。

 

 

門前院外薬局は、現在多くはチェーン調剤薬局です。 サラリーマンの薬剤師に、夜22時に門前調剤にきて薬作ってくれと言っても無理なケースが多いでしょう。 

  

 

こんな感じで、事実上時間外診療は無理です。

 

 

当院の場合 院内処方もあるので、対応できますが。

(ただし、院内にある薬は、かなり限られています。)

 

 

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それと、国が開業医の 入院の 診療報酬を ありえないレベルまで下げてしまったので、バタバタと開業医は、入院を止めました。

 

 

それで院内で、薬のある開業医は、さらに減ってほんのわずかになってしまいました。

 

それでも、まだ頑張る開業医は院内と院外の併用処方にしますが...(当院も併用です。)

  

 

小児科で院内処方は もっと厳しいです。

 

 

 

なぜなら、 粉薬が中心で 分包機がいるからです。 

 

小児を時間外にみるには、分包機が必要です。 時間外に診るためだけに、分包機を購入して、場所をとって、その月々のメンテナンス代を払うなんて無理です。

 

 

 

と いうわけで、国の方針から言って、時間外に開業医が患者さん(特に小児)を診るって事は、かなり困難な状況になっているのが、現状なんです。

 

 

私も、時間外診療は大人&かかりつけ患者に限って小児はお断りしています。以前はあった分包機を捨ててしまったので。

 

 

院内処方箋の、薬代10%カットルールを止めるだけで、院内処方を大幅に増やす事ができて、時間外診療にも十分に対応することができるのですが・・・

 

 

(薬代は 時に2万位になり、 10%カットされると2000円カットです。薬価差がほとんどない現状では、院外処方にせざるを得ません。)

 


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あと。昭和には。

開業医と言えば、医院のすぐそばに自宅があって っていうのが普通でしたが、今は、自宅と離れた所に、専門に特化した医院を作ってって感じが多いですよね。

 

 

個人的な意見ですが、医院と自宅が近くて、時々時間外も診ている開業医の診療報酬は上げてほしいものです。 専門分野だけ特化して診る方が、はるかに楽ですから。


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糖尿病診療

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