芝居をやっていて
常日頃考えているのが
自分が俳優として何を社会に還元できるのかということだ
私の所属する劇団TRASHMASTERSでは
今まで社会問題を多数取り扱ってきた
近年ではIR問題や核のゴミ問題
入管収容所でのウィシュマさん死亡事件
について
そして2月に下北沢駅前劇場にて舞台上演され
8/30に映画上映開始された
「掟」は安芸高田市議会をモチーフに地方自治ひいては国政のあり方について問うた作品だ
当たり前だが作品には作り手の意思が反映される
舞台版は劇団で制作し
映画版に関してはより多くの人々が関わっている
それが大きくなればなるほど
あるゆる人の思惑が介在する
舞台版と映画版はその意味で良くも悪くも異なるものになっているが
そこに関してはもはや言っても詮無いことだろう
舞台版を上演した際に、気になる投稿が目についた
おそらく安芸高田市にゆかりのある方の投稿だとは思うが
「私は辛くてそれを見ることができないだろう」
という内容だった
私の所属する劇団は、まさに今起こっている問題について取り上げることが多い
それは今この時を生きる人々と作品を通して
一緒に考え、より良い社会に向け行動を起こしていく契機にしてもらいたいと思っているからだ
しかしながら当事者の方々の思い
辛さは正直なところ理解できる
私の所属する劇団だけでなく
こういった問題をとりあげると
「私たちの人生を消費するつもりか」
という声があがるのを度々みてきた
これに対して私は明確な答えをもたない
この世界に生きている限り私も当事者だとは思ってはいるが
どんなに言葉を尽くしても、結句私たちが
それをとりあげることによって辛い思いをする方がいるのは事実としてある
私に出来るのは、その方々へ想いを馳せ
責任を持って演じることしか出来ない
尊重するとはどういうことなのか
やるべきなのか否か
答えの出ない問いに、ことあるごとに頭を悩ませる
8/30から映画「掟」が上映開始された
9/13からは関西、中部、中国、北海道と全国へ拡大される
モデルのイメージが色濃くはあるが
フィクションとして出来ることならフラットに
目を開き"そこで起きていること"を観て貰いたい
そして共にこれまでを知り
これからを考えていきたい