これから観る方も、

すでに観た方も、

 

公開中の映画「聖なる呼吸」がさらに楽しめる情報をお伝えしています。

 

前回は、

その1:伝統的なヨーガの学び方

その2:映画の中に登場する呼吸法

 

今回は映画の中の時代背景について。

 

生徒さんからのご質問は、

 

「そもそもなぜクリシュナマチャリア師はマハラジャ(王様)の元でヨーガを教えたのか」

 

です。

 

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インド社会のことは複雑なので詳しくは書けませんが、

できるだけシンプルに書きたいと思います。

 

 

当時の状況は今とだいぶ違います。

 

 

インドが英国領だった時のことなのですね。

 

当時の植民地支配のやり方として、

土着の文化や風習を制限または禁止したりする政策がとられていました。

(ハワイアンの文化や風習もそうですね)

 

 

インドでも当然それは起こります。

 

インド人の思想、文化に影響を及ぼしているもの・・

 

ヨーガはその中にもちろん入っていました。

 

 

ヨーガはほぼ壊滅状態になります。

 

ヨーガは死にかけたんですね。

 

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しかし、いくら制限または禁止しても、

頭の中にある知識までは破壊できません。

ほんの一部の知識人、ヨーギー(ヒマラヤの山奥などにいたようです)たちの中で、

ヨーガは生きていました!

 

(映画の中に少しコメントがあります。クリシュナマチャリア師の次女の方のコメントだったと思います。)

 

 

クリシュナマチャリア師はヨーガだけでなく、

他のあらゆるインド哲学をマスターされています。

アーユルヴェーダやサンスクリット語のマスターでもあります。

 

ものすごい頭脳の持ち主です。

 

そしてヨーガにコミットし、ヒマラヤの山奥(登山靴もゴアテックスもない時代にヒマラヤの山を21日かけてトレッキングしたという…すさまじい情熱です)で先生の元で8年間修行し、


あらゆるアーサナ(ポーズ)、プラーナーヤーマ(呼吸方)、ヨーガ哲学・・・


ヨーガの全てを学びました。



先生から山を降りて社会に出てヨーガを伝えるように言われ、

それを守り教え始めます。

 

 

同じくして、

マハラジャ(王様)もまた、インドの文化・風習・知識を復興させたいと思っていました。

 

マハラジャはクリシュナマチャリア師の噂を聞き、

クリシュナマチャリア師はマハラジャにヨーガを教え始めます。

 

そして、二人はヨーガを継承することを目指します。

 

継承する。ということはどういうことか。

 

これからの人たちにヨーガを伝えることが大事だということになるのです。

 

子供、そして若者です。

 

 

映画では、子供や若者がヨーガの練習をしているシーンがたくさんあります。

 

それは、「ヨーガという素晴らしい知識を残したい」という、

 

クリシュナマチャリア師と、マハラジャの願いです。

 

(ちなみに太陽礼拝のシークエンス(ポーズ)もこのとき生まれます。クリシュナマチャリア師がいろいろなポーズを組み合わせて呼吸に合わせて動くやり方を考案しました。)

 

 

ヨーガはただ体を曲げたりする体操ではありません。

 

人が本当に幸せに生きていけるための、知恵、哲学なのです。

 

それを後世に残していく。どれだけの思いだったでしょう。


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ヨーガのポーズを曲芸のように人に見せていたシーンがありましたね。

 

「ヨーガの練習は人に見せるものではない。」

これもクリシュナマチャリアのヨーガの考え方です。

 

ここも映画を見た生徒さんが矛盾を感じたことです。

 

 

ヨーガを知らない人に、どうやってヨーガというものを知ってもらうか。

そもそも興味を持ってもらうか。。

 

みなさんだったらどうしますか?

 

 

「ヨーガは心のためだから」と瞑想や呼吸方をしても、

 

見ている人はなんだかわかりません。

(やってる本人の中ではすごいことになっていますが!)

 

街中でヨーガ哲学を説法のようにプレゼンしたら危険だったかもしれません。

 

 

じゃあ、「これがヨーガですよ」と、だれでも一発でわかるようにするにはどうしたらいいか。。。

 

 

ヨーガのポーズです。

 

体を普通の人にはありえない形にすることで、

 

人の興味を引いて、「へぇ、すごい」と見てくれる。

 

 

クリシュナマチャリア師は、インドのいろいろな場所へ行って、

 

アーサナを見せてまわりました。

(映画の中ではマハラジャが見ているシーンがありましたが、それだけではありません)

 

ヨーガの普及に努めたのですね。

 

 

でも、それが逆に「ヨーガは体をグネグネと曲げる曲芸のようなもの」と、

間違えて伝わってしまった、という副作用が生じてしまうことになります。

 

 

あらゆるインド哲学をマスターされたクリシュナマチャリア師も、

 

あの曲芸のようなポーズを見せてまわることに

 

ヨーガの本質があるなんて思うはずがありません。

 

 

全てわかってやっていらしたことです。

 

 

たしかに副作用はありました。

 

でも今、世界中の人がヨーガを楽しんでいる。

 

クリシュナマチャリア師のチャレンジは成功したのです。

 

 

 

また長くなってしまいました!

 

明日お会いしましょう!!

 

森田尚子


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☆明日の19時からの回でトークショーに出ます。

映画の中に出てきたマントラをみんなでチャンティングしますよ!

 

☆映画公式サイト

http://www.uplink.co.jp/seinaru/

 

☆明日はシネマデーで入場料がお得になるのもあり、

たくさん方の来場が予想されています。

ネットからお好きな席を選んで購入できますので、ぜひご利用くださいね。

http://www.unitedcinemas.jp/yebisu/film.php?movie=5456&from=top