今回視聴したのは、2019年の「ミスター・ガラス」で、アマプラにて拝見しました。
wiki情報によると、「アンブレイカブル」「スプリット」という作品と3部作になっており、その3本目なのだそうです。
私、その2本を観ていないので、いきなりこの作品を鑑賞したためか、情報不足からか脳内補完しながら観ることとなりました。
この作品、「X-men」じゃないけど、何やら特殊能力を持つっぽい人が登場し、前半でその戦いが描かれますが、その描き方が微妙で、なんか中途半端でやや不発な表現になっています。
そして中盤になると、本当にこいつらは特殊能力者なのか?と観客に問いかけるストーリー演出になり、後半でそれらの回答が示されます。
いろいろと凝った演出で、かなり観客をミスリードさせるのですが、多重人格者の演技がうまいのになんか腹立って、多少イライラしてしまいました。
ほんで主なメンバーですが、
デヴィッド:怪力と不死身の肉体、弱点-水
ビースト:怪力と壁登り、弱点-光
イライジャ:高いIQ、弱点-虚弱体質
ジョセフ:デヴィッドの息子
ケイシー:ビーストの知人(元被害者)
プライス:イライジャの母
エリー:精神科医
デヴィッド、ビースト、イライジャの3人が特殊能力者で、その能力をまともなことに使うやつもいれば、そうではなく悪事に使うヴィラン(悪役)もおり、本作でもその戦いを少しだけ描いています。
ただ、マーベルの「スーパーマン」や「スパイダーマン」のような、正義vs悪の派手なアメコミ映画にはなっていません。
マーベル映画と違って特殊能力がやや弱く、とにかく本当にこれは現実なのか幻なのかといった微妙さを演出としています。
もし「スーパーマン」で描かれたように、圧倒的な正義と圧倒的な悪が闘えば、周りに甚大な被害が出てしまい、「ザンボット3」のように、正義と言えども街から出て行けと市民から迫害を受けることになります。
こういった甚大な被害を受ける前にどうにかしたいといった意思と、アメコミのような特殊能力者が存在することを証明したいといった意志の対立を描いており、ちょいちょい出てくるアメコミネタでそれを煽り、しかもご丁寧に「スーパーマン」同様特殊能力者にも弱点を与えることでよりいっそう観客にミスリードを誘います。
つまり、イライジャからくる「ガラス」だけでなく、各人の弱点や特殊能力の裏返し作用も含んだ「ガラス」という事なのだと思います。
これは、彼らの心の状態をガラス転移点として描いた映画であり、心の溶解温度と心のガラス転移温度との狭間で、心を引き伸ばされたり何かを吹き込まれたりした彼らの葛藤を描いた作品に仕上がっています。
また、特殊能力者の理解者とした家族や知人グループとの対比として、謎の組織も出てくるという徹底ぶりで、とにかくイライジャの目論見に皆が乗せられて物語が進行していきああいう結果になります。
結果は皆さんの目でご確認ください。
こんな感じでした。
・猫のユーリさんの動画
・猫ユーリ博士の動画