mori17さんのブログ

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「映画大好きおっさん」の映画関連

今回視聴したのは、1971年の「地球最後の男 オメガマン」で、DVDにて拝見しました。

 

地球最後の男 オメガマン [DVD]

 

この作品、1964年に作られた「地球最後の男」のリメイクです。

 

しかも2007年に「アイ・アム・レジェンド」で、もう一回リメイクされています。

 

本作は、中国とソ連との戦争によって、細菌兵器が使用され、人々が死滅した後の世界を描いています。

 

この場合、ウィルスではなく、細菌(顕微鏡で見えている)による死滅になります。

 

ほんでこの細菌兵器ですが、感染すれば最初の内はポックリ死んじゃい、ほとんどの人間は死滅しましたが、寸前に血清を作って生き延びたのが主人公です。

 

こうして感染していないのは、ロバート・ネビル博士ただ一人だけなのですが、感染して死なずに変な症状が出てしまった人たちがいて、博士はこの人たちと、日々、闘い続けており、そんな世の中を博士視点で描いています。

 

変な症状の感染者たちは、陽の光に当たれないといった弱点があり、昼間は薄暗いところに隠れ住み、夜になると街を跋扈(ばっこ)し、文明の象徴である図書館を燃やし、さらには博士の家を夜な夜な襲撃してきます。

 

ほんで一人生き残った博士がやることと言えば、昼の間に、ねぐらで弱っている感染者どもを殺しまわり、夜は自宅で感染者たちと戦い続けます。

 

こんな博士ですが、映画の冒頭、ロスの街を真っ赤なリンカーン?のオープンカーに乗って登場します。

 

しかしロスの街には人っ子一人いません。

 

なぜなら、みんな死んじゃったからで、たった一人で街の摩天楼を徘徊し、感染者のねぐらがどこか、調査して回っています。

 

この街を1人で徘徊するシーンなのですが、観客として客観的に見ていると、博士は孤独に襲われないのか?といった疑問が沸き上がりました。

 

実は、博士は一人で徘徊中に、幻聴症状を発してしまい、聞こえもしない電話の呼び出し音に悩まされます。

 

ですが、自分を叱咤することで立ち直り、また、自宅にあるローマの英雄像に話しかけることで自我を保っていました。

 

因みに博士の自宅は、大都会のど真ん中にある、5階建てくらいのペントハウスでして、武器弾薬に食料なども備蓄し、発電機を回して電気を自給しながら、かなり優雅な暮らしをしています。

 

ほんで、感染者たちの攻撃方法ですが、意外と頑丈なビルなので、ローマ軍が使っていたような投てき装置を作り、火の玉をビルめがけて投げつける攻撃をしてきます。

 

しかし博士も慣れたもので、普通に5階のベランダから暗視装置の付いた銃器で狙撃して対抗します。

 

ある意味、70年安保の東大安田講堂事件みたいです。

 

なぜ、こんな敵の攻撃がある中で暮らしているか疑問ですが、解説によると、やっぱり人との繋がりが欲しくて、敵とは言え、奴らと対峙することで寂しさを乗り越えているようで、しかも文明を壊す感染者を許せないといった人類代表としての矜持があったようです。

 

ただ、映画館で「ウッドストック」のライブを鑑賞し、画面内は大人数なのに、観賞者は博士一人というその構図に、観客は恐怖し、自分じゃなくて良かったとも思わされます。

 

しかしそんなある日、昼間なのに出歩いている女性を発見し、追っかけますが逃してしまいます。

 

かなり動揺した博士は、酒を飲んで紛らわしていましたが、薄暗い地下室に入ったところを襲撃され、感染者たちに捕まってしまいます。

 

ほんで処刑されることになるのですが、その理由は、文明は滅び、その文明代表が博士で、自分たちはその文明から脱却した新しい人類であり、堕落の象徴である博士を殺してしまおうという理由でした。

 

要するに、全ての罪をかぶって殺されたキリストになぞらえている様で、意味深な行為であるわけです。

 

ところが、既の所(すんでのところ)でリサとダッチに助けられ、「大脱走(1963年)」のオマージュさながら、バイクで逃げ出し彼らのアジトに行ってみると、子供たちと暮らしており、しかも今のところ感染症状が出ていない状況でした。

 

他にも症状の出ていない人たちが生き残っていると知った博士は喜び、これなら、唯一感染していない自分の血液から血清を作って彼らに打てば、症状の出ていない全員が完治するのでは?と希望が出てきました。

 

この希望が博士の本能を呼び起こし、リサとエロい関係になってしまいます、っていうか実はこのエロい関係は伏線であり、ラストの宗教ネタでの回収に、強烈なインパクトを与えることになります。

 

また、博士は軍人でもあり、役柄的には、文明を壊す感染者を粛清する軍人としての役割と、血清を作り人々を助ける医者としての役柄があり、この二面性に意味があり、現代人の持つ心の問題をも取り込んでいるわけで、ラストの噴水シーンでは、宗教の伏線回収と合体し、十字ポーズと血と帽子で表されます。

 

ほんで、話を戻すと、リサの弟に症状が出てきていたので、試験的に血清を作り注射したところ完治し、そこからは未症状者たちのために血清を作り始めます。

 

ところがここで治り始めたリサの弟が、博士に疑問を投げかけます。

 

それは、「完全に感染しておかしくなってしまった人たちにも血清を打つんですか?」という問いで、これに対し博士は「No」を突きつけます。

 

この問答こそが人間の本質を付いた内容になっており、本作屈指の名場面となっています。

 

というのも、そもそもが戦争によって世界の人々が死滅しかけている中で、「また同じことをするのですか?」といった問題ですから、この人類の罪をどう贖罪していくのかといった問いかけでもある訳です。

 

この辺は、主演がチャールトン・ヘストンですから、「猿の惑星(1968年)」と「」ベン・ハー(1959年)」に被せてきたっぽい気がします。

 

ようするに、最初は博士からしたら感染者の方が異端者で、逆に感染者からしたら博士の方が異端者であったわけで、それが血清を作った後は、お互いにどうあるべきかという事になりました。

 

そしてお互いが迎えた結論は何だったのか?

 

特に博士は、軍人であるべきか、医者であるべきか、で悩み、ユートピアに向かって出発する直前だけに、より博士の宿命感が際立ち、そして贖罪するというオチを迎えます。

 

それは全ての罪を一人で背負ったというオチで、神々しさで締めたラストでした。

 

日本人には分かり辛いですが、当時のキリスト教徒の多かったアメリカでは衝撃的だったと思われます。

 

こんな感じでした。

 

 

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・猫ユーリ博士の動画

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今回視聴したのは、2023年の「リバー、流れないでよ」で、アマプラにて拝見しました。

 

リバー、流れないでよ

 

初めてポスターを見た時、ホラー作品かと思ったのですが、実はタイムループもので、ちょっとしたラブコメにもなっていました。

 

<ストーリー>

京都・貴船の老舗料理旅館「ふじや」で仲居として働くミコトは、2分経つと、2分前へ戻るという謎のタイムループ現象に遭遇する。その現象はミコトだけでなく、番頭や仲居、料理人、宿泊客たちも、みな、同じ時間がループしており、それぞれの記憶は引き継がれる。人々は力をあわせてタイムループの原因究明に乗り出すが、ミコトはひとり複雑な思いを抱えていた。

 

ってな感じなのですが、過去に2020年の「コンティニュー」といった同様な作品を観ていたのと、始めからタイムループものだと分かって観始めたせいか、「そろそろかな?」なんて観てたので、驚きはないというか、それにループのルールが分かってくると、「これがあと何回続くのか?」といった感情に変わってしまい、なんか観続けるのが億劫になってしまいました。

 

以前、「MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年)」って作品がありましたが、これと同じグループに属しており、どちらかというと映画ではなく舞台演劇や、読み切り漫画でやった方がしっくりくる系の仕上がりになっています。

 

特徴として、

 

・2分間をワンカットで撮影する

・本物の旅館で撮影している

・コント調の演技手法

・実はラブコメ

 

こんなところがあります。

 

最大の特徴は、2分という短い時間を繰り返すとしても、記憶は維持されるので、その短い時間を繰り返し、転換ポイントを入れ続けることで、物語が作れるといった可能性を示したところでしょうか。

 

ただ、原案も構成もうまくやっているのですが、やっぱカメラによる絵面に変化がないというか、輪郭が物足りないので、絵の力が弱く、せっかくのロケーションが活かせてない感じがします。

 

また、ワンカットを繰り返す弊害なのか、それともコント調に進め過ぎたためなのか、話がフラットすぎて、しかも謎解きが雑なので盛り上がりに欠け、特に締めですが、上げた分を落とす時に、突然、荒唐無稽な手法をとっているせいで、なあなあのオチで締めており、どうしてもB級感が否めません。

 

どうも緊張感が無さ過ぎるというのも、コタツと同じでダレてしまうのだと思われます。

 

結論としては、2分という短いループを独立したお話と捉えるのではなく、記憶や経験をもって連続小説にしてしまうので、意外と伸ばせることができるといったことが分かりました。

 

ただ、具体的・客観的な事実を無視して頭の中だけで考えすぎたのか、結局、コント調というか演劇調のキャラで回し、ラブコメに頼った感じで締めたので、B級感が漂ってしまい、無理に映画にしなくても、舞台でやった方がよかったのではとも思いました。

 

とは言え、それなりに楽しめたので、しっかり暇つぶしにはなりました。

 

そんな感じです。

 

 

・猫のユーリさんの動画

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今回視聴したのは、1960年の「ガス人間㐧一号」で、BDにて拝見しました。

 

ガス人間第一号 : 作品情報・キャスト・あらすじ - 映画.com

 

監督:本多猪四郎

 

ガス人間として異能化したために得たモノと失ったモノ、そして日陰者になったしまった者同士の悲哀など、異色要素で作り上げたファンタジー映画です。

 

話の方は、オープニングで銀行強盗の様子が描かれ、そこから警察車両に追いかけられる1台の車が映し出されます。

 

やがてその車は土手下に転落してしまい、警察が直ぐに調べますが犯人は乗っておらず、直ぐ近くに日本舞踊の春日流家元の家があり、捜索するも犯人はいませんでした。

 

ただ、この春日流家元ですが、現在では没落しており、家元として春日藤千代と爺やの2人暮らしで、どうも最近、金回りが良くなり、家元復興を掛けた発表会を計画していることが分かり、銀行強盗と何か関係があるのではと警察から疑われ始めます。

 

はたして、美人家元と犯人は関係があるのか?ってな感じで話は進んでいきます。

 

題名は「ガス人間」となっておりますが、この映画の本質は「ガス人間」ではなく、人の心にあります。

 

ガス人間の正体は、図書館司書の水野という男で、パイロットに憧れていたものの事前審査で落選し、挫折感を抱きながらも司書として働いていましたが、佐野博士に宇宙旅行のための強靭な宇宙飛行士を作るという名目で、人間を細胞から変質させる体質改造を施され、それが失敗して異能者のガス人間になってしまい、しかし落ち込むどころかその全能感から性格が変わり、「みんな他人を犠牲にして生きている、今の世の中で他人のことなんて考えている奴なんていない」と言い切り、人の命を軽視し始めます。

 

この辺は後に、「シン・仮面ライダー」が同じ理由を採用してますし、異能力として「ワンピース」のスモーカー大佐の元ネタって感じで、後の作品に影響を与えているようです。

 

そして日本舞踊の春日流家元の春日藤千代ですが、現在では没落しており、お家再興(ふたたび盛んにする)を願っているものの、女の細腕で何ができるでもなく、そこに水野という男が現れ、タニマチ(無償スポンサー)になってくれたおかげで、再興の目途が立ち、一心に目標に向かって精進していました。

 

具体的な2人の出会いなどは描かれていませんが、観客の方で察してもらうという演出が取られており、脳内補完が重要となりますっていうか、こういう方法は本多監督がよくやる手法です。

 

つまり、水野も藤千代も、日陰者になったという根っこの部分が同じで、そこからお互いが協力して這い上がっていくというサクセスストーリーを描いており、後に水野の正体が分かってからも、女の立場として、「情鬼」として心が深く結びついてしまい、愛とは障害が多ければ多いほど燃え上がるという解釈になり、男の立場からすると、あくまでもタニマチとしての承認欲求だったはずなのに、最期には未練を見せ、どちらにせよ、脳内補完ができた人ほど2人の心情により共感できたのではと思います。

 

また、警官の岡本と新聞記者の京子との関係は、水野と藤千代に対する対比表現としており、京子は自由奔放な性格で、幼なじみの岡本のことが大好きで、岡本が藤千代を奇麗だと褒めることに強烈な嫉妬の火を灯し、でも警官である岡本の身を案じて藤千代に発表会の中止を進言しに行きます。

 

しかし、藤千代から「本当に男の人から愛されていると思ったことがあるか」と言われて、はっとします。

 

それは、藤千代と京子とは、男性からの求愛に違いがあり、それは日陰者かそうでないかの違いで、しかも藤千代は「情鬼」になるけど、京子はならないという結末の違いを用意している訳で、藤千代の「これが最後の舞台・・・」とのフラグセリフが炸裂するという決着の仕方は、ここまで悲劇にしなくてもといった仕上がりになっています。

 

だからこそ、舞台最後で鬼の面を付けた時は、今度は観客が、はっとさせられ、爺やの「見事でございました」と水野の「素晴らしかった」は全く意味が違い、そこからあのシーンへと進み、最期を迎えた瞬間に、観客は心が締め付けられるのです。

 

しかも、すべてを悟っている爺やが、正座をしたまま動こうとしないという、あの演技が全てを物語っており、私はここで涙が溢れてしまいました。

 

つまり、自身が体験しているかのような共感と、客観的に見る共感の二つを用意し、どちらの共感からも察してもらうという演出であり、共感できるかそうでないかはあるものの、こんなにも人の心を揺さぶってくるのです。

 

そもそもが、生物学の権威・佐野博士による宇宙飛行士を生み出す人体実験という行為は、水野以外にも被験者(実験・検査などを受ける人)がおり、その人たちは亡くなっていました。

 

本当に人類のためだったのか、それとも博士の業だったのかというと、業であり、それは理性によって制御できない心の働きだった訳で、因果応報の報いとして博士は亡くなってしまい、しかし今度はその業を水野が背負い、さらには藤千代が背負うことになります。

 

これは、「人間の罪」に対する因果律によって「初めからそう在るべく決まっている」という意味だったのか?と思わされ、つまり「滅びの美学」ということであり、「事象が廃滅の境を目指して進行する状況」を表しており、まるで平家物語に出てくる「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響き在り。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。」を描いたような作風になっています。

 

こういった作風は、後の作家たちに受け継がれており、フランス映画の「仁義(1970年)」など、世界中に広がりました。多分。

 

作風がSFスリラーのため、何気に見過ごされることが多いですが、大傑作映画なのです。

 

こんな感じです。

 

 

・猫のユーリさんの動画

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今回視聴したのは、の「シン・オブ・アメリカ」で、アマプラにて拝見しました。

 

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冒頭、「ジョージア州では、年に631回の疾走事案が報告され、大体の場合は一日で行方が分かる」とテロップされます。

 

実は本作は、一日経っても行方が分からなかった人の話でして、一応、謎解きになって、最後のオチへと繋がります。

 

<ストーリー>

かつてはニューヨーク市警で活躍していたベン(ブルース・ウィリス)ですが、今はその精彩もなく、ジョージアの小さな町で保安官として、汚職にまみれて勤務してました。ある日人質事件発生の連絡を受け出動するも、人質に取られたのは薬剤師のキーツで、家に押し入った3人は、10年前に行方不明になった女性の情報をキーツから聞き出そうとしており、町の有力者であるチャールズは、ベンにFBIが来る前に犯人を始末するよう圧力をかけます。そこでベンの取った行動とは?

 

主演はブルース・ウィリスなのですが、主役らしくないというか、いまいちキャラ立ちしていません。

 

2転3転する系の脚本は良いのですが、銃撃戦含めたカメラワークに緊迫感が出ておらず、編集もショボくてスピード感も出ていません。

 

意味のある会話をしてから、今度は会話なしシーンへ切り替わる、んでまた意味のある会話ということを繰り返すのですが、これでストーリーの転回をしており、本来ならこれにより観客をグイグイ引き込むはずが、この切替でテンポ感の悪さが発生してしまい、それにより登場人物への共感が得にくくなっています。

 

また、人情に訴えかけるシーンもあるのですが、血しぶきのVFXがショボいなどで緊迫感がないせいか、いまいち共感を得られず、またオチであるブルースの「英雄ネタ」も分かり難く炸裂しませんでした。

 

なぜ分かりずらかったかというと、まずアメリカ映画には、アメリカ鉄板ネタってのがありまして、

 

・戦争帰りの兵隊が銃器をもって暴れる

・ロシアンマフィアが暴れる

・南部の田舎では民兵が勝手に治安を維持する

・警官が汚職に手を染める

 

最近ではこんな感じですが、今回は「南部の田舎では民兵が勝手に治安を維持する」ってやつが来て、そこから20分毎に正義の所在が変わっていき、何回か変わった結果、結局、だれが正義かっていうところが事前のオチになり、さらにそこからもう一工夫乗せて、題名回収として、本当のオチとしています。

 

そのもう一工夫とは何かと言うと、本作の題名は「American siege」で、「アメリカの包囲」「アメリカのしつこさ」といった意味になり、本作は前段階として、いろんなところでキャラ達の立ち位置を明確にしていきます。

 

例えばベンなどは、NYで出世できずに、年取ってから人に金をたかる人間に成り果てており、民兵の連中も普段は最下層に位置して、何かあったら金持ちに付き従うモブキャラだし、出世頭が金持ちのチャールズで、犯罪で得た金ひとつで街を牛耳って、皆を顎で使っています。

 

つまりベンは、そんなうだつの上がらない自分を卑下しながらヤケクソの「俺が英雄だ!光輝く英雄だ!」という心の声を発することで、「こんなはずじゃなかった」的な、アメリカンマッチョイズムの弊害を皮肉っています。

 

アメリカンマッチョイズムとは、他人と競争させ勝利するといった考えが根底にあり、その勝利者が栄光を得る、英雄であるといった事になり、それによる弊害がトランプ大統領の出現で分断を生み、ますます銃による解決が加速していったので、その結果本作では、伸し上がろうと薬事業を立ち上げたブリジットをモブが殺して成り代わり、銃の扱いが下手で話し合いで解決しようとしたラトリッジが、成り代わったモブの代表に殺され、つまり何でもかんでも力で解決するアメリカ人を描き、それに追い込まれたボブということで、「アメリカに囲まれた」、つまり「英雄ネタ」で解決したといった締めくくりにしているのです。

 

と、こんな感じなのですが、ひとつ気になったのが、過去に英雄をよく演じていたから、ブルース・ウィリスが抜擢されているのでしょうけど、こういったオチと暗い役柄は、ブルース・ウィリスではなく、ニコラス・ケイジあたりが適任だったかもしれないとも思いました。

 

どうでしょうね?

 

 

・猫のユーリさんの動画

 ユーリさん - YouTube

 

・猫ユーリ博士の動画

 猫ユーリ博士の「お得コーナー」 - YouTu

 

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今回視聴したのは、1958年の「美女と液体人間」で、BDにて拝見しました。

 

美女と液体人間 / H-Man | 映画監督 本多猪四郎公式サイト

 

監督:本多猪四郎

 

本作のコンセプトは「水爆実験の陰に生まれる犠牲者」らしく、ビキニ環礁の水爆実験事故「第五福竜丸事件」をヒントにして作られたそうです。

 

「ゴジラ(1954年)」が水爆に対するアンチテーゼとして作られていますが、本作も「核の犠牲者はいるのだ」といった意思をもって、作られているようです。

 

本作ですが、オープニングで船が漂流している様が映され、これは後に、南方で水爆実験の死の灰を浴びた第二竜神丸という事が明かされますが、冒頭ではまだ明かされず、そこから東京で発生した、謎の人間蒸発事件が描かれます。

 

蒸発と言っても雨の中、男性が服だけを残し、突如蒸発したので蒸発事件としていますが、その男性が大量の麻薬を持っていたことから、この事件の捜査に警視庁の富永が動き出し、捜査を開始します。

 

遺留品からギャング一味の三崎であることが分かり、警察は三崎が生きているとして捜査を続け、三崎の女の千加子をマークします。

 

すると政田という男が千加子に接触してきたので任意同行したところ、大学助教授ということで、しかも富永の友人で、何やってんのってな展開になります。

 

政田に話を聞いてみると、三崎は蒸発したのではなく、溶けてシオシオのパアになったと主張し始め、警察としては信じられず、ただ他に手がかりもなく、相変わらず千加子を付けマークするしかないのですが、実はギャングの方も、三崎を麻薬絡みで探しており、三崎は溶けちゃったのに、そうとは知らない警察とギャングは、千加子をマークし続けます。

 

ほんでここからは、警察の動きを中心に、超絶美人の千加子、人間が溶ける謎を調べる政田、そしてギャングの次なる動向を、それぞれ描きつつ話が進行していきます。

 

ほんで、題名にある「溶解人間」ですが、これに関する謎解きは、かなりゆっくりと進めるので、現代映画のスピード感に慣れている我々からすると、やや間延びして感じますが、どうも南方で水爆実験の死の灰を浴びた、第二竜神丸絡みという事が分かってきます。

 

しかも、題名の「美女」ということで、千加子が出まくりなのですが、ことあるごとに着替えて下着姿を披露するという大サービスぶりで、しかも他のキャバレー美女たちも半分以上裸の格好で何度か登場して、サービス満点振りで話が進んでいきます。

 

因みに、刑事の富永は刑事らしく現実主義で描かれ、大学助教授の政田はやや熱血漢というか、富永と政田とは、対比キャラとして描かれ、しかも政田は千加子のことが好きになってしまい、絶対になぞ解明よりも、千加子に会いたいがために顔を出す感じになっていきます。

 

そんな感じで、観客も、一体なんの映画を見せられているのだろうと思っているくらいに、やっと「溶解人間」ネタが解説される展開になり、観客も「長かったわー」と思いつつ解説を聞くことになります。

 

要するに放射線を浴びた人間が「溶解人間」になって人を襲うようになるというもので、放射線は、地球上のあらゆる場所に存在し、ほとんどは、マイクロ波や可視光線のように無害なもので非電離放射線と呼ばれていますが、核実験による核放射線は、電離放射線と呼ばれる別のカテゴリーに属し、高速の荷電粒子や電磁波として存在して、原子や分子をイオン化(電子を分離)する能力によって細胞に損傷を与えます。

 

この場合、2つの損傷作用があり、1つ目は細胞の分子ビルディングブロック(構成要素)に含まれる原子を電離させ、DNAや他の細胞内の電子を奪って分子結合を破壊する直接作用。

 

2つ目は生体内の水分子をイオン化し、体内で反応性に富むフリーラジカル(活性酸素)を発生させることでDNAの分子結合も破壊する間接作用です。

 

そして短時間に高線量の放射線に被ばくした場合は、急性放射線症を発症して数日以内に死亡します。

 

本作ではどれくらいのものかは分かりませんが、水爆実験の死の灰を浴びた人間が、肉体が変質して全細胞が液体化したドロドロの液体生物になってしまい、しかも他の人間を襲って吸収してしまいます。

 

なぜ東京に来るのかというと、その細胞に人間の活動が残り、その名残によりる寄生本能から東京に来て、人を襲ってしまったという設定にしています。

 

このドロドロの新生物を人間と考えてよいかは分かりませんが、とにかく人を襲って殺してしまうので、この新生物をやっつけるしかない訳で、心を持たぬ怪物と解釈し苦悩する描写はなく、結局は駆除することになり、そうするには、高電圧による放電、火炎による焼却しかないという結論に達します。

 

ほんでここからは大騒動になり、ドロドロのアメーバみたいなヤツラを駆逐するために、「火炎による焼却」大作戦が実施されます。

 

ただこの騒動にかこつけてギャングが千加子を拉致し、ちょうど大作戦を展開中の下水道に入り込んだため、政田まで大作戦に緊急参戦することになり、上へ下への大騒動に発展し、一体決着はどうなるのか?っていう感じで結末を迎えることになります。

 

とにかくラストの火炎は、火災旋風が起きるくらい凄まじいシーンとなり、一見の価値ありとなっています。

 

そして最後の最後に人類へのメッセージが流され、やや強引ですが社会派映画として幕を下ろします。

 

観終わってから反芻することで、あのシーンはこういった意味があったのだろうと考えさせられる作りになっており、「ゴジラ」同様、本多監督作品らしく、染みるものがありました。

 

こんな感じです。

 

 

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