今回視聴したのは、1992年の「レザボア・ドッグス」で、DVDにて拝見しました。
![レザボア・ドッグス [DVD]](https://m.media-amazon.com/images/I/81Ybu4MQO0L._AC_UL320_.jpg)
原題の「Reservoir Dogs」を検索すると、”掃きだめの犬たち”と出ました。
商品説明欄には、
・全世界の度肝を抜いた、鮮烈のバイオレンス。
・現代の映画は、“ここ”から始まった。
・映画の歴史を変えた最も偉大な一作。
・タランティーノ監督デビュー作。
などと書いてありました。
話の方は、宝石強盗を働いた犯人たちが計画失敗し、命からがらアジトに戻り、「今回の件は情報が流出していた」と疑心暗鬼になってもめにもめるといった話です。
この”疑心暗鬼”や”みんなの言う事が対立する”といった手法は、黒澤監督が70年前に「羅生門」で使った手口に似てますが、それをタランティーノ流にドキドキクライムサスペンスにした作品です。
その他に似たような作品としては、同年に公開された、深作監督の「いつかギラギラする日」なんてのもありましたが、タランティーノ監督が影響受けたのはそちらではなく、同じ深作監督の「仁義なき戦い」に影響を受けたと、wiki情報に載っていました。
ほんで本作の役柄としては、親玉2人、実行犯6人
ジョー:計画の立案者、最後にアジトに来た
エディー:ジョーの息子、4番目にアジトに来た
ホワイト:最初にオレンジと共にアジトに来る
オレンジ:お腹撃たれて重傷
ブラウン:逃走中に撃たれたらしい
ピンク:2番目にアジトに来て、裏切り者がいると騒ぐ
ブロンド:3番目にアジトに来るが、店で乱射しまくった
ブルー:行方不明(後に判明)
始まって直ぐの犯人たちの無駄話は、カメラワークからすると、それぞれの俳優の顔を観客に見せるのが目的かもしれませんが、はっきり役名が分からず、しかも本編に関係なさそうな話なので、観客はモヤモヤしてしまいます。
観終わってもう一度見直すと、各キャラの性格などを紹介しているようにも見え、しかもこの後の展開を知っているだけに計算されているように見え、2回目の方が会話をすんなり受け入れてしまいます。
その後、いきなり話が飛んで生き残ったメンバーがアジトに集合しながら、裏切り者がいるといった宣言がなされ、徐々に何があったのかが分っていき、誰が裏切り者なのかといった、観客に対するミスリード合戦が始まります。
そして、主要メンバーの過去話が入り、人となりが紹介され、そんな奴らが揃うとああなっちゃう訳も分かりだし、やがて観客にだけは裏切り者の真相が告げられ、ラストに向けて話が急展開してオチを迎えます。
この辺の手腕は見事で、確かに「仁義なき戦い」を知らない観客からすると、このバイオレンス感は大したもんだとなるでしょう。
っていうか、70年代の日本映画が築き上げた実録ヤクザのバイオレンスを知っている観客からしても、大したもんだとなりますし、センスあると思います。
ほんでタランティーノ監督は、「パルプ・フィクション」で「プラトーン」同様にキリスト教の「神は視ている」といった要素を入れて、神秘感を醸し出すことに成功していますが、デビュー作である本作でもキリスト教的愛を入れ、オレンジによる罪と罰、そこからホワイトに対して懺悔し贖罪とすることで、哀愁ある締めくくりに成功しています。
*キリスト教的愛
①友人の間で成り立つ友情
②男女間の純粋な愛
③家族愛
④自己犠牲的な愛
また、時系列を少し変える手法も、本作と「パルプ・フィクション」の両方でやっており、本作でやったことの進化版が「パルプ・フィクション」なのだと思わされます。
そういえばタランティーノ監督といえば無駄話シーンとよく言われますが、このアメリカの犯罪者によるアメリカンジョーク的な面白くないトークというのは、向こうの人たちからすると普通なのかもしれませんが、その後起こることとの落差になる訳で、タランティーノ演出からすると大事な前振り、というよりクールさなので、前菜のスープくらいの感覚で堪能したほうがいいのだと思います。
けど、合わない人には合わないので、無理せず観賞してください。
私の場合は、監督のバイオレンスのセンスが好きで、映画館で観ても、家庭での大型TVで観ても迫力があり楽しめるのですが、無駄話含め、1回見終わったらもう一度見たくなるので、タランティーノ監督の作品は、もしかしたら映画館で観るより、すぐ再トライができる家で観る方が、楽しさが伝わるのかもしれません。
こんな感じでした。
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