部派仏教・上座部仏教の修行と思想
部派仏教の目標は、煩悩をなくし解脱した阿羅漢です。
聖者の身分(位格)は、「煩悩をなくしていく度合い」によって4段階の四沙門に分けられます。
「止」の深まりは精神的な作用や煩悩を、粗雑なものから順次一時的に押さえていくプロセスです。
そして、「観」は智を得ることで、煩悩、執着を順次なくしていくプロセスです。
ですから、修行や目標は「引き算」的にゼロに向かうような発想で考えられています。
部派仏教の哲学では、実在は「法」と呼ばれ、それは原子論的、要素的な存在です。
概念やイメージは、それを実在しない「まとまり」として捉える誤った想念であり、想念やそれに伴う感情反応を捨てることが目標です。
また、上座部では、個々の心の動きは1刹那で生滅しますが、次々と1刹那の心が連続して心路(心のプロセス)を作ります。
「有分心」という無意識の状態から始まって、徐々に意識化され、対象を意識して、また無意識に戻ります。
通常の概念的な対象意識は「速行心」と呼ばれ、最大で7刹那の間だけ存在します。これが業(カルマ)の原因となります。
「止」の状態で「速行心」は生まれません。
また、煩悩をなくして「阿羅漢」になっても、煩悩なしに表れる概念やイメージは残りますが、この心は業(カルマ)を作らないので「速行心」ではなく「唯作心」と呼ばれます。
ただ、この心について積極的に評価することはありません。
ブッダゴーサ以降、南伝の上座部仏教の修行階梯は、パーリ中部「伝車経」に基づく「七清浄」としてまとめられました。
「戒」の段階が「戒清浄」、「止」を行う「定」の段階が「心清浄」、有漏・凡夫の「観」の段階が「見清浄」、「度疑清浄」、「道非道智見清浄」、「行道智見清浄」の4段階、聖者の段階が「智見清浄」です。(下記表参照)
「観」では、まず、有為なる諸行の「個相」を観察して個々の「法」を識別し、次に「共相」(無常・苦・無我)を観察し、結果として「四諦」の認識を得ます。
この聖者となり、阿羅漢となる最後の段階では、対象は自然に「涅槃」へ移行します。
一方、北伝の説一切有部では、「順解脱分」、「順決択分」、「見道」、「修道」、「無学道」の5段階にまとめられました。
上座部に比べると、聖者の段階の修業方法が、細かく決められている点が特徴です。
これらは、「五道」として、大乗仏教に受け継がれました。
また、「観」では、主に「四諦」を対象として観察する点で、上座部より伝統的です。
* 上座部系の瞑想法、ヴィパッサナー瞑想、マインドフルネス瞑想を教えている組織には下記などがあります。
・日本テーラワーダ仏教協会:マハーシ式やスリランカの在家向けの方法
・グリーンヒル瞑想研究所:マハーシ式
・日本ヴィパッサーナー協会:ミャンマーのサヤジ・ウ・バ・キンを受け継ぐゴエンカ式
・パオ森林僧院:ミャンマーの本来的には出家者向けのパオ式
・プラムビレッジ(微笑みの風):上座部と大乗・禅の瞑想法を融合したティク・ナット・ハン式
聖者の身分(位格)は、「煩悩をなくしていく度合い」によって4段階の四沙門に分けられます。
「止」の深まりは精神的な作用や煩悩を、粗雑なものから順次一時的に押さえていくプロセスです。
そして、「観」は智を得ることで、煩悩、執着を順次なくしていくプロセスです。
ですから、修行や目標は「引き算」的にゼロに向かうような発想で考えられています。
部派仏教の哲学では、実在は「法」と呼ばれ、それは原子論的、要素的な存在です。
概念やイメージは、それを実在しない「まとまり」として捉える誤った想念であり、想念やそれに伴う感情反応を捨てることが目標です。
また、上座部では、個々の心の動きは1刹那で生滅しますが、次々と1刹那の心が連続して心路(心のプロセス)を作ります。
「有分心」という無意識の状態から始まって、徐々に意識化され、対象を意識して、また無意識に戻ります。
通常の概念的な対象意識は「速行心」と呼ばれ、最大で7刹那の間だけ存在します。これが業(カルマ)の原因となります。
「止」の状態で「速行心」は生まれません。
また、煩悩をなくして「阿羅漢」になっても、煩悩なしに表れる概念やイメージは残りますが、この心は業(カルマ)を作らないので「速行心」ではなく「唯作心」と呼ばれます。
ただ、この心について積極的に評価することはありません。
ブッダゴーサ以降、南伝の上座部仏教の修行階梯は、パーリ中部「伝車経」に基づく「七清浄」としてまとめられました。
「戒」の段階が「戒清浄」、「止」を行う「定」の段階が「心清浄」、有漏・凡夫の「観」の段階が「見清浄」、「度疑清浄」、「道非道智見清浄」、「行道智見清浄」の4段階、聖者の段階が「智見清浄」です。(下記表参照)
「観」では、まず、有為なる諸行の「個相」を観察して個々の「法」を識別し、次に「共相」(無常・苦・無我)を観察し、結果として「四諦」の認識を得ます。
この聖者となり、阿羅漢となる最後の段階では、対象は自然に「涅槃」へ移行します。
一方、北伝の説一切有部では、「順解脱分」、「順決択分」、「見道」、「修道」、「無学道」の5段階にまとめられました。
上座部に比べると、聖者の段階の修業方法が、細かく決められている点が特徴です。
これらは、「五道」として、大乗仏教に受け継がれました。
また、「観」では、主に「四諦」を対象として観察する点で、上座部より伝統的です。
(位階) | 凡夫 | 預流 | 一来 | 不還 | 阿羅漢 | |||
(煩悩) | 三結 | 五下分結 | 五上分結 | |||||
(三学) | 戒 | 定 | 慧 | |||||
(上座部) | 戒清浄 | 心清浄 | 見清浄 度疑清浄 | 道非道智見清浄 行道智見清浄 | 智見清浄 | |||
(説一切有部) | 順解脱分 | 順決択分 | 見道 | 修道 | 無学道 | |||
* 上座部系の瞑想法、ヴィパッサナー瞑想、マインドフルネス瞑想を教えている組織には下記などがあります。
・日本テーラワーダ仏教協会:マハーシ式やスリランカの在家向けの方法
・グリーンヒル瞑想研究所:マハーシ式
・日本ヴィパッサーナー協会:ミャンマーのサヤジ・ウ・バ・キンを受け継ぐゴエンカ式
・パオ森林僧院:ミャンマーの本来的には出家者向けのパオ式
・プラムビレッジ(微笑みの風):上座部と大乗・禅の瞑想法を融合したティク・ナット・ハン式