続・こんぶめしセット

こんぶめしセットの続きです　（こんぶめし？と思われた方はまずこちらからどうぞ→『こんぶめしセット』）

さて、むき出しのこんぶめしセットを手に、通りをフラフラとふらつきながら戻って朦朧とこんぶめしセットの袋を開けた私でした。するとこんぶめしセットの全貌が顕になりました。

『おぉ〜中身はこんな風になっていたのか・・・』

とにかく地味なパッケージばかりに気を取られていましたし、中身も一部分しかみえないようになっていたので正直よくわからなかったのです。ほぉほぉとひとつづつ中身を確認しながら『あ！』と気がつきました。朦朧として無意識に袋を開けていましたが、よく見ると地味なパッケージの中央部分が開封口という不思議な形状で、それなのに私は迷うことなくその中央部分の開封口を開けていたのです。なんで？そう、開封口が

マジックカット！

出ましたマジックカット！開封口にそってマジックカットこちら側のどこからでも切れますマジックカットこちら側のどこからでも・・・・とひたすらインフォメーションしてあります。その手厚い指示に私はいざなわれるように無意識に反応していたのでした。おそるべしマジックカット！旭化成ブラボー！

ということで、マジックカットby旭化成の指示にしたがい正しい位置でオープンしたこんぶめしセットは、どれから食べてもいいですよ〜と言わんばかりにすべてが取り出せる状態で私を待ち構えていました。この辺りでうっすらこんぶめしセットの底知れぬ有能さを垣間見た私、まずはメインであるおむすびを取り出そうとしてハッとしました。

なんと！おむすびに小さなセロファンが添えてある！

おぉぉ。このセロファンがあることによって直接手を触れずにすむわけです。芸が細かいぞこんぶめしセット！ちなみに内容としてはおむすび×２、だし巻き卵×１、唐揚げ×１、つくね×１です。

そして、おむすび自体は出汁で炊いてあるのが売りということで、余計なものは一切入っておらず海苔も巻かれていない素のおむすびなのです。ですので直接手に取ると米粒がちょっとついたりするところなのですが、このセロファンがいい仕事をしているのでした。思わず唸りながらしばし眺め、そして一口パクリ。

美味しい・・・・・

なんと、地味にとても美味しいのです。一体なんなのだこんぶめしセットって。コンビニのおにぎりコーナーの前で私にボディブローをかましただけあるようです。気がつくと一つ目のおむすびは一瞬にして私の胃袋へと消えていきました。そしてその勢いに任せてつくねを一口でいってみましたがこれまた地味に美味しい〜。しかも楊枝でさしてあるのでこれまた手が汚れない！芸が細かい！つづいてだし巻き→うまい！唐揚げ→いいね！といった具合でもふもふと食べて続けてまた気がつきました。お箸です。そう、セブンイレブンのロンドンパンク風のお姉さんが

『お箸もどうぞ』

と三蔵法師のように落ち着いた表情で私に手渡してくれたお箸、こんぶめしセットをより美しく食べるために必須であることをあのお姉さんは知っていたのです。見事なチームプレイです。こんぶめしセットのセコンドであるお姉さん、仕事完璧だよ。

ということですっかりこんぶめしセットのファンになり、るんるんで二個目のおむすびを取りかかった時にしば漬けがぴら〜んと一切れだけ隠れているのを見つけました。私はその一切れのやるせないしば漬けを眺めながら2つ目のおむすびを食べ、そして途中でそのしば漬けをぴょいと口に放り込みました。

！！！！！

ヤバい！うまい！こんぶめしにしば漬け、そしてその後にまたこんぶめしの流れよ。この一見やるせない一切れのしば漬けは、こんぶめしをより一層美味しく食べるための重要なブースターなのでした。このしば漬けに行くポイントがおそらくこんぶめしセットのピークと言えましょう。しば漬け後の流れはもうすべてが白くなってフェイドアウトです。夢か！

地味な見た目とは裏腹な、壮大なるクライマックスを迎えたこんぶめしセットワールドでした。なんだか胸いっぱい。こんぶめしセットみたいな人間になりたいなと、ものすごく思いました。

こんぶめしセット、ありがとう。