比べるつもりなんてなかった。
いや
比べものにならなかった。
自分よりも大きな不安や悲しみや孤独を抱えても
心がすさんでいない人々に
うちは圧倒されてしまっているんだろう。
今
心がこれほどにまで戸惑ってるのも無理ないか。
あの3日間は圧倒されることはなかった。
メンバーみんなで心を研ぎ澄ませてた。
紙面上のニーズはわかっていた。
でもそれだけではないニーズを感じようとした。
どこまでやるかどれくらいのペースでやるか
自分でもなく相手でもない
その間にあるベストを探りながら動いていた。
自分の特性を自身で見極め
自分の役割をみつけて努めていた。
気遣ってくれたことに対して
どう受け止めるべきかを無言の中で感じ合っていた。
些細な言動一つに
それぞれが目を向け耳を傾け心で解釈した。
言葉にしなくても
言葉にできなくても
心が通い合っていた。
心臓の数以上の心がそこにあるようだった。
あの3日間はまるで異世界だった。
どこにいたって
何をしていたって
心がないときはなかった。
気を遣うということに
全く苦痛も負担もなかった。
四六時中自分以外の誰かがいることに
窮屈さも不便さもなかった。
相手を尊重し思いやることが当たり前だった。
今
一人になってそんな5日間がじわじわ沁みてきた。
今回の活動で出会った人々にも
実はうちは圧倒されてしまっているんだろう。
みんな違った。
その違いを楽しんでいた。
誰一人同じ人なんているはずがなかった。
でも心は通い合っていた。
不思議な世界だった。