伊予の経営コンサルタントのブログ -30ページ目
こんにちは! ビジネス力向上トレーナーのみのりんです!!

今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊15面、「インドネシアで飲料事業 三菱商事、タイ大手と合弁」という記事を取り上げます。

内容は、三菱商事がタイ飲料大手のイチタン・グループと合弁会社を設立し、インドネシアで飲料事業に参入する、というものです。記事によれば、現在約4300億円といわれるインドネシアの清涼飲料市場は2023年には1兆2千億円規模に拡大するとのこと。今回の合弁会社はこの2023年時点で売上高200億円以上を目指すそうです。

今日は、この「200億円」という数字がどういうロジックで出てくるのかを考えてみたいと思います。

まず押さえるべきことは、ビジネスの基本は、「投下した資本を活用してリターンを得る」ことであるという点です。つまり、三菱商事が第一に考えることは、「出資額に見合うリターンを得たい」ということになります。

どれくらいが「出資額に見合う」金額になるかはいろいろな考え方があると思いますが、手っ取り早いのは同業他社の水準をベンチマークにすることです。例えば、日本国内で比較的経営効率が良い伊藤園のROE(純資産利益率)は10.03%となっています。これから急成長が見込める新興国市場では、もう少し高めの数字、15%くらいを目標にしても良いでしょう。今回の合弁会社の出資額は35億円ですので、

35億円×15%=5億2500万円
が目標純利益額となります。

あとは、この金額を目標純利益率(純利益÷売上高)で割り戻せば目標売上高が出ます。伊藤園の売上高純利益率は2.76%でしたので、これをそのままベンチマークとして使い、

5億2500万円÷2.76%=約190億円
という結果となり、新聞報道の数字とほぼ一致します。

ここから分かることは、三菱商事が「インドネシアで日本と同じオペレーションができれば、国内同業よりも高い資産利益率を上げられる」と考えているということです。

こういった数字は、何となく読み流していると「ふーん、そうか」で終わってしまいますが、こうして少し掘り下げてみるだけで当該企業の狙いなどが透けて見えて、結構おもしろいですよ。機会があれば試してみてくださいね。

それでは、また!!

※本稿のデータ出所
http://www.itoen.co.jp/files/user/pdf/ir/fr/apr14/2604aj.pdf


こんにちは! ビジネス力向上トレーナーのみのりんです!!

今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊4面、「石破氏、安保相辞退を明言 幹事長の続投を希望」という、珍しく政治の記事を取り上げます。

内容は、自民党の石破幹事長が、9月に予定される内閣改造で安倍首相から安保法制担当相への要請があっても辞退する意向を示した、というものです。石破氏は安保法制についての考え方が必ずしも首相と一致していないことを辞退の理由に挙げています。

これが石破氏の真意か、あるいは単なるこじつけかは置くとして、今日は純然たる損得勘定だけで私なりにアドバイス(?)をしてみたいと思います。考える上のツールとして、企業の設備投資判断で使われるリアル・オプションの考え方を応用します。

まず、現時点で石破さんが取りうる選択肢(オプション)は3つあります。「幹事長留任」「安保相就任」「無役」です。ただ、人事権を握っているのはあくまで首相であり、新聞報道が正しいとすれば安倍さんに幹事長留任の考えはないようですので、現実的に選択できる(リアル・オプション)のは、「安保相就任」か「無役になる」かのどちらかということになります。

あとは、両者のメリット・デメリットを比較することになります。ざっと考えられることを挙げてみましょう。

●安保相就任のメリット
・閣僚としてハクがつく
・引き続き政治の中心にコミットできる
・マスコミへの露出が増える
・専門知識を生かし、政治家としての有能さをアピールできる
・外相を兼任できれば、世界の要人とのつながりを作れる  
・うまく乗り切れば、次期総裁候補として揺るぎない地位を固められる

●安保相就任のデメリット
・来年の総裁選への準備ができない
・国会で野党の追及にさらされ、イメージダウンのリスクがある

●無役になるメリット
・総裁選に向け、自由に動ける
・露出が少なくなる分、イメージダウンのリスクが少ない

●無役になるデメリット
・存在感が希薄になる
・「大事な仕事から逃げた」という印象がつく

ざっと概観すると、安保相に就任するのは成功したときのメリットも大きいが、失敗したときの損失も大きい「ハイリスク・ハイリターン型」、無役になるのは目立った利益もない代わりに損失も少ない「ローリスク・ローリターン型」の決断と言えそうです。

設備投資のように、メリット・デメリットが数字で表せるケースではありませんので、あとはこれらの要素を「将来自民党総裁=総理大臣になる」というゴールに照らしてどう考えるかです。ご存知の通り、自民党総裁は最終的に所属国会議員の投票によって決まります。石破さんは前回の総裁選で、地方票でトップに立ちながら国会議員の投票で逆転されたという苦い思い出があります。したがって、総理になるためには「所属国会議員の支持を得る」方策を最重要視しなければなりません。

という観点でいうと、無役になる、というのはあまり良い決断とは思えません。政府・与党が一体となってデフレ克服・経済再生に邁進しているときに、自分のことだけ考えて大事な仕事から逃げた、というのは同志の立場からすれば疑問が残るのではないでしょうか。派閥の後ろ盾がない石破さんにとって、「あれだけ安倍さんを支えて頑張ってるんだから次は石破さんだよな」という雰囲気を作ることは結構大事な気がします。

状況によっては、来年ではなくその次、4年後の総裁選を目指すのもありだと思います。安倍さんの3選は規定上ありませんし、今の野党の状況を見ていると、当分は自民党の強力なライバルにはなり得ないでしょう。4年後の石破さんの年齢は61歳ですが、先進国のトップとして決して遅すぎるということはありません。

それやこれやで、もし私が石破さんのブレーンなら、「安保相を受けましょう。条件として外相ポスト兼任を要求し、世界の首脳に顔を売りまくりましょう!」とアドバイスします。

さて、石破さんの決断やいかに。でも、総理総裁になることを目指すのは結構ですが、問題は総理になることではなく、なって何をやるかです。そのことだけは忘れないでもらいたいものですね。

それでは、また!!

こんにちは! ビジネス力向上トレーナーのみのりんです!!

今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊13面、「起業の軌跡 眼鏡市場でヒット連発 安住せず革新性追求」という、ジェイアイエヌ社長の田中仁氏を取り上げた記事に注目し、眼鏡業界について考えてみましょう。

ジェイアイエヌ社は、「JINS」ブランドで有名な眼鏡のSPA(製造小売)を手がける企業です。記事の内容は、田中社長の起業から今日までの起伏に富んだ経営者人生を概観するものになっています。

私も眼鏡・コンタクトレンズ愛用者ですが、いわゆる「3プライス」と呼ばれる業態が登場する前は、眼鏡店の不透明な価格設定に不信感を持っていました。そこを逆手にとって「JINS」や「眼鏡市場」のような新興勢力が台頭し、市場を席巻しているのが現状です。

それでは、いつものように数字を確認してみましょう。いずれも直近の通期短信から、ジェイアイエヌ社と、「眼鏡市場」を展開するメガネトップ、そして眼鏡小売の老舗・メガネスーパーを比べてみます。
                                                                                                                                           
単位:百万円
  ジェイアイエヌ メガネトップ メガネスーパー
売上高 36,554 67,663 14,911
売上原価 9,109 21,887 5,306
売上総利益 27,444 45,776 9,605
販管費 21,221 36,407 11,730
営業利益 6,222 9,368 -2,124
経常利益 5,868 9,593 -2,450
純利益 3,419 5,581 -2,627
       
売上原価率 24.9% 32.3% 35.6%
売上総利益率 75.1% 67.7% 64.4%
販管費率 58.1% 53.8% 78.7%
営業利益率 17.0% 13.8% -14.2%
経常利益率 16.1% 14.2% -16.4%

ご覧の通り、赤字決算のメガネスーパーに対し、ジェイアイエヌとメガネトップの好調さが際立ちます。ただし両社の強みの質は少し違っていて、ジェイアイエヌが格段に低い原価率=高い粗利率を誇るのに対し、メガネトップは規模を追求しながらも販管費=固定費を抑えるマネジメント力が優れています。一方、メガネスーパーは売上の減少に対して固定費の削減が進んでおらず、両社に比べて販管費率が約20ポイントも高くなっています。黒字化には、もう一段のリストラが必要でしょう。

現在、メガネスーパーは台頭する低価格路線のブランドと差別化するため「アイケア・カンパニー」というコンセプトを掲げています。シニア層を中心に高付加価値のサービス提供で違いを作る戦略のようです。これ自体は悪くないと思いますが、そもそも、従来の眼鏡店が消費者に見放されたのは、前出の「価格の不透明さ」に主因があるのではないでしょうか? つまり、「高いか安いか」ではなく、「納得できるかできないか」のところで差ができてしまったのです。

よって、もしメガネスーパーの経営陣が、「若者に低価格がウケているなら、うちはシニアに高価格帯のものを売ろう」と思っているとしたら、少々安易な考えと言わざるを得ません。若者であろうとシニアであろうと、値段が高かろうと安かろうと、今の消費者が求めているのは、「納得できる買い物体験」だと思います。私自身がそうですから・・・

それでは、また!!