「納得できない!」と思わせたら負け | 伊予の経営コンサルタントのブログ
こんにちは! ビジネス力向上トレーナーのみのりんです!!

今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊13面、「起業の軌跡 眼鏡市場でヒット連発 安住せず革新性追求」という、ジェイアイエヌ社長の田中仁氏を取り上げた記事に注目し、眼鏡業界について考えてみましょう。

ジェイアイエヌ社は、「JINS」ブランドで有名な眼鏡のSPA(製造小売)を手がける企業です。記事の内容は、田中社長の起業から今日までの起伏に富んだ経営者人生を概観するものになっています。

私も眼鏡・コンタクトレンズ愛用者ですが、いわゆる「3プライス」と呼ばれる業態が登場する前は、眼鏡店の不透明な価格設定に不信感を持っていました。そこを逆手にとって「JINS」や「眼鏡市場」のような新興勢力が台頭し、市場を席巻しているのが現状です。

それでは、いつものように数字を確認してみましょう。いずれも直近の通期短信から、ジェイアイエヌ社と、「眼鏡市場」を展開するメガネトップ、そして眼鏡小売の老舗・メガネスーパーを比べてみます。
                                                                                                                                           
単位:百万円
  ジェイアイエヌ メガネトップ メガネスーパー
売上高 36,554 67,663 14,911
売上原価 9,109 21,887 5,306
売上総利益 27,444 45,776 9,605
販管費 21,221 36,407 11,730
営業利益 6,222 9,368 -2,124
経常利益 5,868 9,593 -2,450
純利益 3,419 5,581 -2,627
       
売上原価率 24.9% 32.3% 35.6%
売上総利益率 75.1% 67.7% 64.4%
販管費率 58.1% 53.8% 78.7%
営業利益率 17.0% 13.8% -14.2%
経常利益率 16.1% 14.2% -16.4%

ご覧の通り、赤字決算のメガネスーパーに対し、ジェイアイエヌとメガネトップの好調さが際立ちます。ただし両社の強みの質は少し違っていて、ジェイアイエヌが格段に低い原価率=高い粗利率を誇るのに対し、メガネトップは規模を追求しながらも販管費=固定費を抑えるマネジメント力が優れています。一方、メガネスーパーは売上の減少に対して固定費の削減が進んでおらず、両社に比べて販管費率が約20ポイントも高くなっています。黒字化には、もう一段のリストラが必要でしょう。

現在、メガネスーパーは台頭する低価格路線のブランドと差別化するため「アイケア・カンパニー」というコンセプトを掲げています。シニア層を中心に高付加価値のサービス提供で違いを作る戦略のようです。これ自体は悪くないと思いますが、そもそも、従来の眼鏡店が消費者に見放されたのは、前出の「価格の不透明さ」に主因があるのではないでしょうか? つまり、「高いか安いか」ではなく、「納得できるかできないか」のところで差ができてしまったのです。

よって、もしメガネスーパーの経営陣が、「若者に低価格がウケているなら、うちはシニアに高価格帯のものを売ろう」と思っているとしたら、少々安易な考えと言わざるを得ません。若者であろうとシニアであろうと、値段が高かろうと安かろうと、今の消費者が求めているのは、「納得できる買い物体験」だと思います。私自身がそうですから・・・

それでは、また!!