伊予の経営コンサルタントのブログ -29ページ目
こんにちは! ビジネス力向上トレーナーのみのりんです!!

今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊1面、「無印良品、インド進出 小売業で初、来年にも合弁」という記事を題材に思うところを書いていきます。

内容ですが、生活雑貨店「無印良品」を展開する良品計画が、2015年にもインドに進出することを伝えています。日本の大手小売りでは初進出となり、現地の大手小売業と合弁会社設立に向けて契約を詰めているとのことです。

今日は、元は西友の一事業部にすぎなかった無印良品の経営の強さをいつものように数字から考察してみます。直近の第1四半期の損益計算書を見てみましょう。比較対象として、先日取り上げた100円ショップ大手・セリアの数字と並べてみます。

単位:百万円
  良品計画 セリア
売上高 66,571 29,114
売上原価 35,856 16,885
売上総利益 30,714 12,229
販管費 24,223 9,679
営業利益 6,624 2,550
経常利益 6,644 2,637
純利益 3,655 1,632
     
売上原価率 53.9% 58.0%
売上総利益率 46.1% 42.0%
販管費率 36.4% 33.2%
営業利益率 10.0% 8.8%
経常利益率 10.0% 9.1%
純利益率 5.5% 5.6%

ざっくり言ってしまうと、良品計画はすべてにおいてセリアの2倍強の事業規模で、その結果利益率は似たような数字が並んでいます。しかし、その中でも比較的顕著な違いが見えるのは売上原価率と、その裏返しの売上総利益率です。良品計画がセリアを4.1ポイント上回っています。

数字上は、良品計画の方がセリアより効率的な仕入れや商品企画を行っているように見えます。しかし、仕入れオペレーションの巧拙は、両社それほど違いはないのではないでしょうか。この違いを作っているのは、むしろ売上高の要因が大きいように思います。

どういうことかというと、以前にもこのブログで書いた通り、100円ショップには「売価が100円で固定される」という宿命があります。事業を拡大する上で誰もが考える、「商品に付加価値をつけて高く売る」ということができないのです。勢い、原価率を下げるための努力はコストダウンしか方法がなくなります。

一方、良品計画にはそのような制約はありません。したがって、原価率を下げるための努力は分子であるコストを下げることに加え、分母である売上高を上げる、つまり消費者の理解を得られる程度に売価を上げるという方法も取れます。

良品計画の経営の優れたところは、高い粗利率をキープするコストダウンの意識とプライシングの妙である、と言えそうです。

100円ショップを取り上げた回では、制約があるからこそ工夫も生まれる、と書きましたが、今回の良品計画の数字を見ると、「そうは言っても制約はあるよりない方がいいよな」と思ってしまいます。でも大切なことは、逆境にくじけず、順境に甘えず、日々淡々と努力を続けることではないでしょうか・・・

それでは、また!!

※本稿のデータ出所
http://ryohin-keikaku.jp/balance/pdf/h27_140701_tanshin.pdf
http://www.seria-group.com/corporate/pressrelease/docs/P_20140801_%E5%B9%B3%E6%88%9027%E5%B9%B43%E6%9C%88%E6%9C%9F%E7%AC%AC1%E5%9B%9B%E5%8D%8A%E6%9C%9F%E6%B1%BA%E7%AE%97%E7%9F%AD%E4%BF%A1_%E5%85%A8%E6%96%87.pdf

こんにちは! ビジネス力向上トレーナーのみのりんです!!

今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊1面、「日通、運送料15%上げ 企業向け 人件費・燃料高で」という記事を取り上げます。

内容は、日本通運が9月から企業向けのトラック輸送の料金を平均約15%値上げする、というものです。燃料価格の高止まりに加え、運転手不足により人件費が上がっていることが理由のようです。

まずは、いつものように経営状況を数字で確認してみましょう。直近の通期短信をライバルのヤマト運輸と比較してみます。

単位:百万円
 日通ヤマト運輸
売上高1,044,2661,374,610
売上原価993,8791,274,470
売上総利益50,387100,139
販管費26,41137,043
営業利益23,97563,096
経常利益31,17164,664
純利益16,81834,776
   
売上原価率95.2%92.7%
売上総利益率4.8%7.3%
販管費率2.5%2.7%
営業利益率2.3%4.6%
経常利益率3.0%4.7%
純利益率1.6%2.5%

売上高から利益率まで、見事に日通はヤマトの後塵を拝しています。続いて資産の状況です。

単位:百万円
 日通ヤマト運輸
総資産879,5041,032,134
流動資産309,352527,359
固定資産570,152504,774
流動負債251,249347,360
固定負債278,340124,601
純資産349,913560,172
   
流動比率123.1%151.8%
自己資本比率39.8%54.3%
ROA3.5%6.3%
ROE4.8%6.2%

こちらでは、日通がヤマトを上回っている数字が2つあります。固定資産と固定負債です。このうち、固定資産は土地や建物といった有形固定資産(日通はヤマトより約900億円多く計上)に加え、投資有価証券がヤマト約260億円に対し、日通は約1120億円と、4倍強の金額を計上しています。つまり、日通は(本業ではなく)財テクで稼いでいる割合が高いということです。

もし私が日通の顧客で、今回の値上げ案を提示されたら、「顧客にしわ寄せする前に、もっとやることがあるんじゃないの~」とイヤミのひとつも言ってやりたくなります。燃料やドライバーの人件費がかさむと言ったって、ヤマトより原価率が高いということはまだ改善の余地はありそうだし、手持ちの株を売って現金を作り、業務効率化に投資することだってできるでしょう。できないなら、借金を返して財務をスリム化するとか、配当や自己株式の購入など株主還元策を考えても良さそうです。

これも、もとは国策会社からスタートした親方日の丸の企業体質から来るものなのか・・・などというのはステレオタイプな偏見ですかね??

今週・今月もお付き合いいただきありがとうございました。来月からもまたよろしくお願いします!!

※本稿のデータ出所:
http://www.nittsu.co.jp/ir/pdf/library/results/2013kessantanshin.pdf
http://www.yamato-hd.co.jp/investors/financials/results/pdf/4q_tansin_201403.pdf

こんにちは! ビジネス力向上トレーナーのみのりんです!!

今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊13面、「カリブで節電コンサル 四国電、再生エネ導入など」という記事から思うところを書きたいと思います。

内容ですが、四国電力がカリブ共同体(カリコム)加盟諸国で再生可能エネルギーや省エネ設備導入のコンサルティングを始める、と伝えています。コンサルの内容は、太陽光発電などの導入可能性調査、関係者を招いての導入事例紹介、エネルギー政策調査などになるようです。

今日は、今回の動きがカリコム諸国・四国電力双方にとってどのような狙いがあるのかについて考察(というか邪推?)してみたいと思います。

まず、以下の数字をご覧ください。主なカリコム諸国の、消費電力に占める火力発電の割合です。

ジャマイカ 94.8%
トリニダード・トバゴ 99.7%
グレナダ 98.6%
セントルシア 100%
※データ出所:https://www.cia.gov/library/publications/the-world-factbook/wfbExt/region_cam.html

つまり、どの国も発電はほぼ火力に頼っているということです。火力発電には燃料としての天然資源が欠かせませんので、近年の資源価格の高騰はこれら経済規模の小さい国にとって深刻な問題であることが類推されます。そこで、少しでもエネルギーコストを下げるために再生可能エネルギーの知識が欲しい、ということになるのです。

知識を得るにあたって、火力発電の依存度が高く、島国で他国からの電力輸入ができない、自然災害が多いといった共通の条件を持つ日本は格好のお手本となります。

ただ、四国電力のHP(http://www.yonden.co.jp/index.htm)を見ると、太陽光発電所として稼働しているのは松山の1か所、風力発電所は室戸の1か所のみです。発電量は2か所合わせても年間830世帯分にしかすぎず、とても自然エネルギーのオペレーターとして豊富な実績と経験があるとは言い難いようです。

したがって、四国電力の狙いは、コンサルの提供というよりは今後のデータ集めなのではないでしょうか。地理的条件が似ているカリブ海諸国を視察できることを利用して、日本ではできない詳細な調査をして今後の再生エネ推進の貴重なデータにしようとしている、というのは穿ちすぎですか??

双方にどのような思惑があるにせよ、エネルギーコストの適正化は我々の生活に直結する深刻な問題です。原発再稼働の議論と並行して、今後も冷静に真剣に考えていきたいものですね。

それでは、また!!