伊予の経営コンサルタントのブログ -31ページ目
こんにちは! ビジネス力向上トレーナーのみのりんです!!

今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊15面、「グリー株5.03%保有 ブラックロックグループ」という投資情報のベタ記事を取り上げます。

内容は、アメリカの投資ファンド・ブラックロックグループの日本法人であるブラックロック・ジャパンが、ソーシャルゲーム大手のグリー株を5.03%保有した、というものです。同時に、同じくソーシャルゲームのDeNA株式の買い増しと、良品計画株式の一部売却を伝えています。

直近の決算短信を見てみると、純利益で良品計画が前年比55.8%増なのに対し、グリーは23.0%減、DeNAは25.5%減となっています。なぜ投資ファンドは、業績好調な企業の株を手放し、不調なゲーム会社の株を買い増すのでしょうか?

投資ファンドに限らず、人がなぜ株に投資するかと言えば、「リターンが欲しいから」です。で、株式投資のリターンと言えば、これは2つしかありません。「売却益(キャピタルゲイン)」か「配当(インカムゲイン)」です。

長期的に見れば、好業績企業の株価は上がる可能性が高いので、今回のブラックロックの動きは長期的なキャピタルゲインではなく、短期的な配当狙い、と言えると思います。そこで、配当に関連する財務上の数字を、各社の直近の決算短信から拾ってみました。
                                                                              
単位:百万円 良品計画 グリー DeNA
当期純利益 17,096 17,347 32,807
繰越利益剰余金(1) 93,845 108,908 153,072
現金および同等物(2) 25,206 65,484 65,394
配当余力率
    【(2)÷(1)×100】
26.9% 60.1% 42.7%
       
配当性向 24.0% 14.8% 15.3%
配当利回り 4.1% 2.4% 3.8%

ここで配当余力率とは、私が勝手に作った指標で(したがって検索かけても出てきません)、これまでの利益の累計額である繰越利益剰余金のうち、どれくらいが現金で残っているか、を示すものです。配当をするためには、もちろん会計上の利益が出ていないといけませんが、現実にはそれが現金という流動性の高い資産で残っていないと配当できません。この数字はグリー・DeNAが良品計画に比べてかなり高くなっています。

逆に、純利益に配当額が占める割合である配当性向、純資産に配当額が占める割合である配当利回りとも、グリー・DeNAは良品計画を下回っています。これらを総合的に考えると、グリーとDeNAにはまだ配当を引き出す余力がかなりありそうです。ブラックロックの狙いはまさにここにあるのではないでしょうか。

早い話が「現金で持ってるだけなら、もうちょっと配当くれよ~」ということですね。一方、企業側としてはむやみに資本コストを高めたくないので、「いやいや、この現金はこれから新規事業に使うんですよ~」とか言って配当を抑えようとします。グリー・DeNAの株主総会では、しばらくこのような攻防が繰り広げられることでしょう。

今週もお付き合いいただきありがとうございました! どうぞよい週末を!

※本稿のデータ出所
http://ryohin-keikaku.jp/balance/pdf/h26_tanshin.pdf
http://v3.eir-parts.net/EIR/View.aspx?cat=tdnet&sid=1175813
http://v3.eir-parts.net/EIRNavi/DocumentNavigator/ENavigatorBody.aspx?cat=tdnet&sid=1146566&code=2432&ln=ja&disp=simple

こんにちは! ビジネス力向上トレーナーのみのりんです!!

今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊5面、「複数の大手銀が関心 シティ銀の国内個人業務 買収価格がカギに」という記事から、売却が噂されるシティバンク銀行の売却価格を大胆予想してみたいと思います。

まず記事の内容ですが、米シティグループによる日本国内の個人向け銀行業務の売却をめぐり、来月にも実施される入札に複数の大手銀行が関心を示している、と伝えています。今回、シティが売却を検討するのは個人事業の収益力の低さが原因で、この辺りを各行がどのように評価し、どの程度の買収価格を提示するかがポイントになる、と分析しています。

それでは、私なりに買収価格を予想してみましょう。買収価格の算出には企業価値を測定する必要があります。企業価値の出し方にはいくつか方法がありますが、今回はシティバンクのディスクロージャー誌(http://www.citibank.co.jp/aboutus/financialdata/pdf/2013fullyeardisclosure1.pdf)のデータを使い、純利益をWACC(加重平均資本コスト)で割り戻すという方法を用います。WACCとは、企業への資金提供者、銀行業で言えば預金者と株主が期待する利回りをそれぞれの出資比率で加重平均したものです。ようするに、「シティバンクにお金を預けたからには、これくらいの利率はつけて欲しいな~」という期待値です。

計算式が長くなるので割愛しますが、私が算出したWACCは0.092%となりました(いまの預金金利を考えれば妥当な数字だと思いませんか?)。この数字で、当期純利益の13億3900万円を割ると、約1兆4,554億円という数字が出てきます。これがシティバンク銀行全体の企業価値です。

このうち、今回売却対象となっている個人業務の割合は、ディスクロージャー誌P39にある「貸出金業種別残高等」の個人向け融資割合(17.89%)を適用することとします。したがって、

1兆4,554億円×17.89%=約2600億円

これがシティバンク銀行個人向け業務の企業価値となります。

あとは、入札に参加する各行がこの金額にどの程度プレミアをつけるか(あるいはつけないか)ですが、シティの良質な顧客層をプラス評価して、買収金額は2800~3000億円で決着すると、私は予想します。

結果が出たら、このブログでちゃんと検証も行いたいと思います。神に誓って、予想が外れた時にそのまま何事もなかったかのようにスルーすることはありません・・・たぶん^^:;

それでは、また!!



こんにちは! ビジネス力向上トレーナーのみのりんです!!

今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊34面、「新国立『年3億円黒字』 五輪後の収支試算」という記事から思うところを書いてみたいと思います。

記事の内容は、日本スポーツ振興センター(JSC)が、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け建設する新国立競技場について、五輪終了後の収支計画を発表した、というものです。それによると、年間収入38億4千万円に対し支出は35億1千万円で、年3億3千万円の「黒字」となる見込みとのことです。

赤字・黒字を論じる時に注意しなければいけないのは、それが「損益計算書ベース」のものなのか、「キャッシュフローベース」のものなのかをはっきりさせることです。今日の記事を見る限り、JSCが発表したのは現金収入から現金費用を引いたもの、つまり「キャッシュフローベース」で「黒字を3億円確保できる」と言っているようです。

しかし、これは逆に言うと、「損益計算書ベースでは慢性的に赤字になる」と言っているのと同じです。なぜなら減価償却費が考慮されていないからです。新国立競技場の総工費は1692億円と言われていますので、耐用年数50年の定額法(毎年均等に減価償却費を振り分ける方法)で計算すると、年33億円が別途費用計上されないといけません。すると、現金収支の黒字3億円-減価償却費33億円で、毎年約30億円の赤字となります。

また、キャッシュフローベースで考えたとしても、年間3億円ぽっちの黒字では、耐用年数いっぱいまで使用したとして3億円×50年=150億円、総工費の10分の1もカバーできないことが分かります。

従って、会計的に見た場合、この新国立競技場への投資は明らかに「黒字になるはずがない」案件です。民間なら絶対に採用されません。

もちろん、五輪期間中の収支や経済効果は含まれない数字ですので、これだけで評価することはできないでしょう。しかし、こうして数字で考えてみると、つくづく「五輪というのは経済性を度外視した国威発揚のイベントなんだな~」と感じます。我々国民としては、せいぜいこのイベントに乗っかって、全体の経済効果を高めるように盛り上げる姿勢が大事なのではないでしょうか。やれやれ、という感じがしないでもありませんが・・・

それでは、また!!

※本稿の参考資料
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1504Q_V10C14A1CR8000/