遠近法で描く中国 -2nd Season- -67ページ目

遠近法で描く中国 -2nd Season-

片手にピストル 心に花束 唇に火の酒 背中に人生を。 

ブログ・スキンを変更しました。

「100万人のキャンドルナイト」、今年も行われますね。

http://www.candle-night.org/jp/

実はこの取り組み、数年前の初期から参加しています。

現在ほど認知されてなく、イベントも多くなかった頃です。

今年の夏至は6月21日土曜日、この日はHSK受験前日で、青島市内に一泊する予定です。



「100万人のキャンドルナイト」呼びかけ人代表の、辻信一さんのサイトがあります。

その中の一つが「ハチドリキャンペーン2008」です。

http://www.sloth.gr.jp/potori/

トップ・ページにはハチドリのクリキンディが、燃えている森に、ひとしずくの水滴を、炎の中に落としていく物語が描かれています。


サイトでは、

「ハチドリになろう!」

「ポトリとは?」

「ハチドリ宣言」

などを見て、参加することができます。

ぼくも先ほど、ハチドリ宣言をしてきました。


昨日読んだ本が、辻信一氏監修の『ハチドリのひとしずく』(光文社)だったのです。

この本との出会いと、キャンドルナイトのブログ・スキンとの出会いが、本当に偶然なのか、とても不思議です。



『ハチドリのひとしずく いま、私にできること』(評価★★★★★)


監修:辻信一

発行:光文社

原画:マイケル・ニコル・ヤグラナス


[目次]


ハチドリのひとしずく

「金の鳥 -クリキンディ」について

私は、私にできることをしている

無理なく「引き算」 楽しく「ポトリ」

あとがき -とべ、クリキンディ



第2部の「私は、私にできることをしている」では、著名無名な方々の「できること」が紹介されています。

92年、リオ・デ・ジャネイロで開かれた、国連の地球サミットで"伝説の演説"をした当時12歳のセヴァンが、大学院学院生となった姿と共に、彼女の"ハチドリ"を聴かせてくれます。

他には、女優の中島朋子さん、音楽家の坂本龍一教授なども登場します。

その中でも一番心に響いた言葉が、ミャンマーの育材家、ウ・オンさんの「木を育てること」の意味でした。

45頁から、引用します。


「1本の木には千の鳥が住む、ということわざがあります。今はあまりにも小さく無力に見える種子も苗木も、やがては何千、何万という虫や鳥の住処(すみか)となります。あなたが育てているのはただの木ではない。小さな宇宙です。」


環境やエコに関する活動とは、積極的に行う、無理強いや押し付けではないのです。

必要でないものを「引き算」、すなわち省くことなんですね。

わかっているつもりのことを、改めて考えさせられる1冊です。

そして、世界的行事になりつつある、夏至のキャンドルナイト、今年も楽しみです。



ハチドリのひとしずく いま、私にできること
¥1,200
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生かして頂いて、ありがとう御座位ます。
最後に、あなたの貴重な"数分"を募金のために使わせてください。
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ありがとうございます。

著者:山岡淳一郎

発行:草思社(単行本)


内務省官僚、台湾民生省長官、満鉄総裁、東京市長を歴任し、関東大震災後の帝都大復興を草案した明治・大正を生きた大政治家の波乱の生涯を、ノンフィクション作家の山岡氏が書き上げた一冊です。



[目次]


プロローグ

第1章 地獄の季節

第2章 疫病との闘い

第3章 台湾統治

第4章 満鉄創業

第5章 政争と政変のなかで

第6章 帝都壊滅

第7章 帝都復興 -見果てぬ夢-

エピローグ


あとがき

参考文献



岩手水戸藩の武士の息子として生まれた後藤新平は、明治維新の真っ只中、薩長官軍に対する賊軍の子として成長します。

その後医師となり、衛生局の官僚として表舞台に進出します。

日清戦争後の疫病の処理で名声を挙げ、台湾総督府民生長官、満鉄初代総裁、内相、外相、東京市長を歴任します。

そして迎える関東大震災、後藤新平は再び内務大臣として復興大計画を奏上します。

その計画は当時の国家予算の二倍以上の復興費を予算としていました。その計画は、果たして実行されるのか・・・。

人物評伝ともとれる作品ですが、作家の山岡さんの筆力により、小説に近い感覚で楽しめると思います。

興味深いのは、のちに『武士道』の著者として有名になる新渡戸稲造とも、ともに台湾へ赴き仕事をしているのです。

この時後藤は新渡戸に対し、「農業政策を任せられるのは君しかいない」と口説いたそうです。


日本人離れした壮大な想像力、卓越した行政者としての実行力、人間道楽ともいえるその懐の大きさと人を動かす力、そして「公」のために全てを捧げる彼の生き方に、これからの混沌の時代を生きる、日本人の姿を見ました。


ぼくのブログをご覧くださっている方には、台湾、厦門、大連に関係する読者の方がいらっしゃいます。

その他に旧満州地域である、長春、旅順などに興味のある方にも。

もちろん、この本でなくても構いません。

後藤新平に関する本は一冊は手にしていただきたいと、心から願います。



後藤新平 日本の羅針盤となった男/山岡 淳一郎
¥2,415
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ありがとうございます。

副題:片岡義男短編小説集

著者:片岡義男

出版:スイッチ・パブリッシング(単行本)



帯から引用します

「1960年代の東京で、青年は小説家としての一歩を踏み出す」

これが四編の小説に共通のテーマとして掲げられています。

あとがきでも片岡氏が触れていますが、この状況とは、片岡氏自身の境遇に近いということが、片岡氏のファンならすぐに理解できることでしょう。

各々のストーリィに、会社員を辞めてフリーのライターとして活躍する20代の青年が描かれます。

彼らがその主人公であり、美しい女性と、年配の編集者がまたそれぞれに登場します。

主人公は、彼が望んで小説を書くというより、今の仕事の延長として、またそれを時代が望むものとして、作家という職業にならざるを得ないだろうと、語ります。

そしてどの作品の中でも、小説を書く前の段階で、舞台の幕が下ります。

そんな片岡氏が、自身を模倣して創り上げた主人公をテーマにしたフィクションたちの、目次を紹介しましょう。



[目次]


アイスキャンディは小説になるか


美しき他者


かつて酒場にいた女


三丁目に食堂がある


あとがき




読んでいて、一つ悔しい想いをしたので、そのことを書いてみましょう。

最初の短編で主人公は喫茶店に、年配の編集者と入り、そこでコーヒーを飲みながら次の仕事の打ち合わせをしています。

その時代をぼくは生きていないので、劇中に入り込むしかないのですが、その店内で流される音楽が、ムゾルグスキーの「展覧会の絵」なのです。

もちろん、作品の中ではLPですが、ぼくもCDでこれをもっているのです。

しかし、それは大阪の実家の本棚の中です。


ぼくの父は昔からクラシック音楽やジャズに興味があったようです。

しかしぼくたち家族はあまりその影響を受けていませんでした。

でも、ぼくが今敬愛する、KTこと杉山清貴氏に出会ったのも、父の影響なのです。

そんなぼくが高校の芸術選択で選んだのは、音楽でした。

その他に美術と書道があったと記憶していますが、定かではありません。

そして「展覧会の絵」を始めて聴いたのは、その音楽の授業の中でした。

音楽の授業の1年間は、先生には失礼ですが、面白くはないものでした。

しかし、この「展覧会の絵」だけは記憶のどこかに残っていて、のちほど自分でCDを購入しました。

先月の帰国で迷った挙句、持ってこなかった自分に悔いが残っています。

片岡氏の作品で再開するなどとは、夢にも思わなかったのですから。

こういう描写をするところが、片岡作品の好さであることは、今更いうものでもありません。


最期に、片岡氏らしい文章がありましたので、長くなりますが引用します。

これがぼくがいつも書いている、想像力を刺激して、いつか自分もこんな風に描きたいと地団駄を踏ませる、片岡義男氏の技なのです。


「美しき他者」(47頁)より引用


「私は先生になるつもりで、教職課程に進んだのよ。でもなにも知らない自分、というものを発見したの。なにも知らないから、なにもできないのね。自分にはもっとなにかがなくてはいけない、と思うのはいいけれど、自分にはこれならある、と言える状態になるためには、自分でそういう状態にまで、自分を作っていかなければいけないのね。先生になって教えるということは、生徒たちがまだ気づいていない自分のなかから、これなら自分として育てていけるかな、と思えるようなものを、自分のなかから引き出していくための、きっかけを作ることなのね。そういう仕事をするためには、自分で自分のなかからなにかを引き出し、それを自分で作っていった経験がないと、どうにもならないわね。だから勉強することにしたの。」



ぼくの勉強という概念にぴたっと一致するものです。

久しぶりに片岡ワールドに浸って感じたことは、4本の薔薇の絵が描いてあるウィスキーで、ハイボールを呑んでみたいなという気持ちでした。

それは、BGMのために「展覧会の絵」が手元に戻ってからにしようか。


片岡義男 短編小説集「青年の完璧な幸福」 (SWITCH LIBRARY)/片岡 義男
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