遠近法で描く中国 -2nd Season- -66ページ目

遠近法で描く中国 -2nd Season-

片手にピストル 心に花束 唇に火の酒 背中に人生を。 

著者:稲盛和夫
発行:サンマーク出版(単行本)


京セラ、DDI(現KDDI)の創業者、稲盛氏の人生哲学を記したベストセラーです。
読む者に、生きることの意義をしっかり伝えてくれます。
生きることが軽く見られがちなこんな時代だからこそ、多くの人に読まれている、そう感じました。



[目次]


プロローグ
第1章 思いを実現させる
第2章 原理原則から考える
第3章 心を磨き、高める
第4章 利他の心で生きる
第5章 宇宙の流れと調和する
あとがき



先日、中国人のスタッフと話をしているとき、日本語の話になり、ちょうどこの本が手元にあったので見せてあげました。
彼女は全く日本語がわからないのですが、何の本?と聞かれたぼくは、とっさに「哲学」の本だと応えました。

稲盛氏の哲学を、ぼくの観点から引用していきます。

「この人格というものは「性格+哲学」という式でで表わされると、私は考えています。人間が生まれながらに持っている性格と、その後の人生を歩む過程で学び身につけていく哲学の両方から、人格というものは成り立っている。つまり、性格という先天性のものに哲学という後天性のものをつけ加えていくことにより、私たちの人格-神魂の品格-は陶冶されていくわけです」(18頁)


「人生・仕事の結果 = 考え方 x 熱意 x 能力」(24頁)


「仏教には、「思念が業(ごう)をつくる」という教えがあります。業はカルマともいい、現象を生み出す原因となるものです。つまり思ったことが原因となり、その結果が現実となって表れてくる。だから考える内容が大切で、その想念に悪いものを混ぜてはいけない、と説いているのです。」(28頁)


「人生を歩いていく途上では、至るところかで決断や判断をくださなくてはいけない場面が出てきます。仕事や家庭、就職や結婚に至るあらゆる局面において、私たちは絶えず、さまざまな選択や決断を強いられることになります。生きるということは、そういった判断の集積であり、決断の連続であるといってもいい。」(86頁)


「人生とはドラマであり、私たち一人ひとりがその人生の主人公です。それだけでなく、そのドラマの監督、脚本、主演、すべてを自分自身でこなすことができる。また、そのように自作自演で生きていくほかないのが、私たちの人生というものです。」(98頁)
→歌手のさだまさし氏の楽曲「主人公」(詩曲:さだまさし)の世界と同じですね。ぼくもこの生き方をずっと目指しています。


「物事をなすには、自ら燃えることができる「自然性」の人間でなくてはなりません。私は、このことを「自ら燃える」と表現しています。
①火を近づけると燃え上がる可燃性のもの
②火を近づけても燃えない不燃性のもの
③自分で勝手に燃え上がる自然性のもの」(106頁)
心の師匠、臥龍先生の人生・仕事に対しての心構えと同じです。

心あらためて「とびがえる」を目指しましょう!


「人の上に立つリーダーにこそ才や弁でなく、明確な哲学を基軸とした「深沈厚重」の人格が求められます。謙虚な気持ち、内省する心。「私」を抑制する克己心、正義を重んじる勇気。あるいは自分を磨き続ける慈悲の心・・・・・ひと言でいえば、「人間として正しい生き方」を心がける人でなくてはならないのです。」(134頁)


「六つの精進」(137-138頁)
①だれにも負けない努力をする
②謙虚にして驕らず
③反省ある日々を送る
④生きていることに感謝する
⑤善行、利他行を積む
⑥感性的な悩みをしない
→6番がぼくにはかなりの修行が必要ですね。


「「まことの商人は、先も立ち、われも立つことを思うなり」-これも(石田)梅岩の言葉ですが、要するに、相手にも自分にも利のあるようにするのが飽きないの極意であり、すなわちそこに「自利利他」の精神が含まれていなくてはならないと述べているわけです。」(179頁)


「以前、国際日本文化研究センターの川勝平太教授が、「富国有徳」ということをいわれたことがありました。富でなく特による立国。あるいは豊かな富の力を活かして、徳をもって他人や他国に報いる国のあり方を提言したのです。武力や経済力でなく、徳をもって他国に「善きこと」をなし、信頼と尊敬を得る」(193頁)


「私は、これからの日本と日本人が生き方の根に据えるべき哲学をひと言でいうなら、「足るを知る」ということであろうと思います。また、その知足の心がもたらす、感謝と謙虚さをベースにした、他人を思いやる利他の行いであろうと思います。」(202頁)


「人生をつかさどる見えざる大きな二つの力」(209頁)
①運命
②因果応報の法則


「人間の心の多重構造」(232頁)
外側から、
①知性-後天的に身につけた知識や論理
②感性-五感や感情などの精神作用をつかさどる心
③本能-肉体を維持するための欲望など
④魂-真我が現世での経験や業をまとったもの
⑤真我-心の中心にあって核をなすもの。真・善・美に満ちている



著者は還暦を過ぎられてから 仏門へ入られたという経歴をお持ちであり、仏教に関する言葉も登場します。
生き方=哲学というものは、一種の宗教的なものなのかもしれません。
これまで様ざまな本や人から学んだことを、改めて整理できました。
京セラを立ち上げられた苦労なども語られていて、経営者にもお勧めの書となっています。


生き方―人間として一番大切なこと/稲盛 和夫
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副題:「豊かさ」という幻想を越えて

著者:辻信一

発行:ソフトバンク・クリエイティブ(ソフトバンク新書)


『ハチドリのひとしずく』(光文社) を監修された、辻氏の現時点での最新作です。

氏は、今年も行われる「100万人のキャンドルナイト」 呼びかけ人代表でもいらっしゃいます。


[目次]


はじめに 人間を幸せにしない経済


1章 幸せって、なんだっけ

2章 幸せですか、日本人?

3章 「豊かさ」の発明

4章 「豊かさ」を問い直す

5章 幸せの経済学

6章 幸せを創るカルチャー・クリエイティブ


おわりに 幸せを想像する力

引用・参考文献



1章の扉にこの言葉が引用されています。

「シアワセってなんだっけ、なんだっけ、ぽんずしょうゆのある家さ。(明石屋さんまによるコマーシャル)」

懐かしいですね、同じ世代の人ならよく知っていますよね。

さんま氏はこの唄で何をいいたかったのでしょう。辻氏はなぜ引用したのでしょう。

正解をぼくが答えられないかもしれないけど、想像することはできます。

そう、幸せってきっと特別なことではないっていうこと。

ぽんずしょうゆを食卓で囲める家、そんな家庭が、少なくなっていませんか?


紹介したい箇所は山盛りあります。できるかぎり引用していきます。

「『森の生活』を著した孤高の思想家ヘンリー・デビット・ソローは、幸福とはなにか、という問いに、「簡素、自立、寛大、信頼」の四つの言葉で答えたという」(23頁)


「これは「幸せとはなにか」という本ではない。ではなんのための本か?まず「幸せ」についてじっくり考えたり、ゆっくり話したりすることがしにくいこの時代に、幸せの前に立ちはだかっている「豊かさ」というモンスターを退治して、しかるべきところに引っ込んでもらおうという本だ。」(41頁)


「「老」と「幼」に共通するのはいずれも単独で生きることができないということだ。と鷲田(清一)は言う。つまり他の人の世話を受けるという形でしかその存在を維持できない、ということ。それが介護とか保護とか養護とかと呼ばれる。しかし考えてみよう。人は共同で生きる社会的動物。他の人の世話を受けないで生命を維持できるものなどありはしない。」(81頁)


[経済システムの変化-三段階説(広井良典)](102~105頁)

第一段階:近代社会の成立期、市場経済というシステムが形作られる段階

第二段階:18世紀後期以降の産業化=工業化の時代

第三段階:一定の物質的な水準が達成されて、商品さえ作れば直ちに売れるといった「モノ不足」が終わった20世紀半ば以降


「インド独立の父ガンジーは、いつも「貧しさが問題なのではない、豊かさが問題なのだ」と言っていた。その意味をぼくたちは理解しなければならない」(160頁)

→後日ガンジーの自伝を読む機会がありますので、そこでまた触れてみたいと思います、お楽しみに。


「欲望というものの中身が、だんだん必要(ニード)から需要(デマンド)へと入れ替わっていったこと。しかもその需要というものが、広告やマスコミの力によって、もともとなにもなかったところに次から次へと無理やりつくりだされていくようになった、ということを。」(168頁)


「これまでの「豊かさ」幻想のなかで常識とされていた3つの常識がある。

①豊かな国の国民は、貧しい国の国民より幸福である

②同じ国の中では、金持ちのほうが貧乏人より幸福である

③人は金持ちになるほど幸福である」(176頁)


「幸福な人々に特徴的な4つの性質とは、第一に自己評価のレベルが高いこと、第二に、自分の人生をしっかりと管理しているという感覚が強いこと、第三に、楽観的であること、第四に、外交的な性格であること。」(178頁)


「広井良典はその著書『定常化社会-新しい「豊かさ」の構想』の中で、来るべき定常化社会の特徴として次の3つをあげている

①物質・エネルギーなどのマテリアルな消費が一定となる社会

②経済の量的拡大を基本目標とせず、量より質を重視する社会

③変化だけを追求せず、「変化しないもの」にも価値を置くことができる社会」(183頁)


「(E・F)シューマッハーは言う。「自然界のすべてのものには、大きさ、早さ、力に限度がある。だから、人間もその一部である自然界には均整、調整、浄化の力が働いている」。一方、「技術というものは、大きさ、早さ、力を自ら制御する原理を認めない」。だからそこには「均整、調整、浄化の力が働かないのである」(『スモール・イズ・ビューティフル』)。」(191頁)


「「豊かさ」という考え方が、地球温暖化という危機をもたらした。それなのに、早くなんとかしないとその「豊かさ」を失うことになる、と恐怖を煽っているわけです。」(228頁)



3章から5章までは、多少の経済学の知識があれば、すんなり読めると思います。一応ぼくは経営学部で卒業し、ゼミではマクロ経済を学んだ記憶がかすかにあるので、問題ありませんでした。

といっても、アダム・スミスの『国富論』(1776年)すら読んでいない、不束者です。

この本ではスミスの論文にも触れていて、今さらながら『国富論』を読んでみようという気持ちが起きました。

もし、経済の基礎がなくても、辻氏の「スロー」な生き方には共感できる部分が多いと思います。

「こんなにがんばっているのに、どうして私は幸せになれないの?」って思っている方の、肩がすっと軽くなる一冊です。



幸せって、なんだっけ 「豊かさ」という幻想を超えて (ソフトバンク新書 72)/辻 信一
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副題:<ジョーク対決>世界戦

著者:早坂隆

発行:KKベストセラーズ(ベスト新書)


ベストセラーとなった『世界の日本人ジョーク集』(中公新書ラクレ) の著者早坂氏の放つ"ジョーク戦"シリーズから、待望の中国人と日本人の決戦書です。


[目次]


はじめに


第1章 教育・言論

第2章 腐敗・格差・貧困

第3章 商・食

第4章 技術・偽物

第5章 政治・外交

第6章 歴史

第7章 人口・軍事

最終章 これからの日本と中国


あとがき



2008年2月の初版ですから、世に出たばかりの新書です。

しかし早坂氏の時代を切り取る鋭さは、感銘に値します。

単なるジョーク集では評しきれない出来になっており、このわずか187頁の新書は、今の中国を知る手引き書としても、最適なものに仕上がっています。

2007年に話題になった北京の「ニセモノ遊園地」も話題にされています。

ジョーク自体は本文に対する"コラム"的扱いに徹底されていて、本質を突いています。


最低限のデータを駆使して錬り上げられた、簡潔明瞭な文章は、ぼくのように"中国"を知っている人にとっては復習書であり、これから知る人にとっては入門書となります。

早坂氏の情報収集の素晴らしさ、検証、そしてそれを字数制限のある新書でまとめ上げる編集能力、まさに恐るべし、です。


印象に残った箇所・記憶に留めなければならない箇所を引用します。

「1994年、愛国主義教育実施綱要が出されたのと同時に、歴史教師用指導所が配布されているが、そこには次のような記述がある。「鮮血滴る事実をもって、日本帝国が行った侵略戦争の残虐性と野蛮性を暴露せよ。それを生徒をして日本帝国主義に対する深い恨みを心に植えつけるようにしなければならない」」(20頁)


「1958年、「戸口(戸籍)登記条例」が制定されたが、戸籍は「農業戸籍」と「非農業戸籍(都市戸籍)」に分けられた。原則的に「農業戸籍」を持つものは、自由に移住することはできない。」(64頁)


「日本は尖閣諸島に関する現地調査を、1885年以降、再三にわたって行ってきた。その結果、明治政府は、「清国の支配圏でない無人島」であることを確認した上で、1895年には正式に日本の領土として編入した。」(123頁)


北京五輪を前に、すべての日本人にとって必読の一冊です。


中国人vs日本人 (ベスト新書 174)/早坂 隆
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