『ママのやさしさが、学力を伸ばす』(評価★★★★☆) | 遠近法で描く中国 -2nd Season-

遠近法で描く中国 -2nd Season-

片手にピストル 心に花束 唇に火の酒 背中に人生を。 

副題:行動科学(IS)が教える、自分から勉強する子どもに変わる方法
著者:石田淳
発行:PHP研究所(単行本) / 2006年
ジャンル:教育

行動科学研究における日本の第一人者であり、『「続ける」技術』(フォレスト出版)でベストセラーを世に送り、自らも学習塾を運営する石田氏の、アメリカ生まれの行動科学メソッドを教育に応用した内容の本です。


[目次]

はじめに
 やり方を教える人がいなかった
 やり方を教えれば誰でもできるようになる
 行動科学を応用した教育指導
 日本児童の学力が年々落ちている!
 アメリカで大成功を収めた驚異のメソッド
 行動科学ティーチングは誰でも使える

第1章 行動科学ティーチングで伸びた子どもたち
 私が見てきた子どもたちの成長
 高校進学は無理と言われた子が見せた才能
 県で最下位の少年が立ち直った
 一年間の入院に負けなかった小学生
 基本学級の児童に自信を与えた高得点
 大学受験を支えた言葉
 他の塾の講師がお礼を
 遅れを取り戻すための学校、モーニングサイド校

第2章 実は「勘違い」だったのです
 頭が悪いから、成績が悪い?
 成績が伸びないのは本人の性格のせい?
 ゲーム好きだから集中力がある?
 塾に通わせれば安心?
 すぐに成績を上げる魔法がある?
 いい塾を求めて渡り歩く?
 人気の塾なら安心?
 勉強を好きにさせる「行動科学」とは

第3章 成績が伸びない本当の理由
 子どもたちは、どこがわからないのか
 学習する子、しない子はどこが違う?
 できない理由 その1「やり方がわからない」
 決めつけないことが大事
 できない理由 その2「続け方がわからない」
 結果がよくないときはこうしてほめる
 指摘するにも方法がある
 伸ばすには、まず小さなゴールから
 高すぎないハードルを飛び越えさせる
 ラストゴールを意識させよう
 上位の子も伸びる、下位の子も伸びる
 目標はこうして立てよう
 目標を押し付けてはいけない
 読解力をつけさせるには?
 「わかる」と「できる」の違い
 反復こそが学力向上の近道
 罰を与えたら勉強するか
 比べない、けなさない
 子どもを否定する言葉は使わない

第4章 進んで学習するようになる行動科学ティーチング
 勉強のやり方を教えるのが第一歩
 やり方はこうして教えよう
 学習には五感を総動員する
 学習を毎日続けさせるには?
 評価されることはうれしい
 ほめるタイミングに気をつけよう
 ほめる代わりにポイントカード
 機械でポイントを与える方法との違い
 成果をグラフで示すとやる気になる
 高校一年を乗り切れるか
 苦手なことから始める習慣を
 「ターゲット学習行動」を見つけて結果を変える
 お子さんの行動を見るための視点
 望ましい行動をさせるシェーピング
 複雑な行動はチェーニングで増やす
 テスト勉強はこうする

第5章 考え、行動する大人に育てたい
 勉強の型とは何か
 無駄な教育費用はもういらない
 中学の勉強は五年生から始まる
 応用とは基本の組み合わせ
 効果のない塾の見分け方
 成功体験を記憶に焼きつける
 本当はできるようになりたい
 スポーツができるなら勉強もできる
 行動科学ティーチングはあらゆるレベルの子どもに使える
 自宅で学習するくせをつけるには
 行動科学ティーチングは自分ひとりで学習できる
 元服の年齢で成功体験を
 成績を上げるには「テストノート」
 人生を切り拓く行動科学ティーチング

おわりに お母さんのせいでは、ありません
参考文献一覧



行動科学の専門家である石田氏ですので、この語句が頻出します。
この本では、子供は勉強はきらいです、とはっきり書かれています。
その理由は、やり方がわからない、そして続け方がわからないだけだと教えてくれます。
ぼく達わたし達も、みな子どもでした。
どれだけの人が「私は子どもの頃、勉強が大好きだった」と本気で言えるでしょうか。
結果を評価するのではなく、ポイントとなる行動をほめたり、注意したりする、この本で書かれている行動科学の基本はこれだけです。
早速一緒に見ていきたいと思います。

「できないのは、勉強の「やり方」を知らないから。そしてその「続け方」を知らないから。できない子はこのどちらかに当てはまります。例外はまずありません。正しいやり方や続け方を教えるだけで、どんな子も必ずできるようになります。」(11頁)
→教科書の内容は教えてくれても、テストの設問の解き方を教えてもらっても、勉強のやり方って意外と教えてもらっていないのではありませんか。

「教える側に個人差があるということは、当然ながら教わる側にも大きな差が生まれます。ある生徒には力がつき、別の生徒にはつかないという現象は、経験にもとづいた指導方法に頼っているからなのです。行動科学ティーチングは科学から生まれた指導法です。科学というのは、いつ・どこで・誰がやっても同等の効果が得られなければなりません。」(17頁)
→慌てず、難しく捉えないでくださいね。

「塾で指導したのは勉強の型です。それは読む・聴く・書く・調べる・覚える・考えるの組み合わせであり、どの教科にも共通する不動の型と言えます。」(39頁)


「「勉強できないから、もっとやりなさい」「勉強できないから塾へ行け」私たちはついこのような言葉を使ってしまいますが、できないからこそ、できるようになる方法を覚えなければなりません。物事には原因があって結果があります。悪い行動を取り除き、良い行動に変えてあげると、結果も良くなります。」(57頁)

「塾の講師はスポーツのコーチのようなものです。子どもの学力を見きわめ、足りないところを補強し、学習計画に沿って指導していきます。ここで重要なのがご両親のサポートだと考えます。生活管理、健康管理、そして脳を働かせるための栄養管理。どんなに優れた塾もこの部分だけはどうしようもありません。」(60頁)

「学習向上には三つのポイントがあります。
1)教師(講師)が知識を学び方を教える
2)生徒は習ったことを自宅で反復学習する
3)親は、子どものやる気を維持するために生活面からサポートしてあげる」(61頁)

「行動科学では、人間の行動に焦点を当てます。点数という結果はもちろん、その点数を出すまでのプロセスにも目を向けることが大切だと考えます。二十点だった子が三十点取れたら、そのことを認めてあげる。たとえ点数が上がらなくても、学習した行動のひとつひとつをねぎらい、ほめてあげる。この基本的な配慮を大人は思い出さないといけません。人間だれしも、人に認められたり、ほめてもらったりするのはうれしいものです。人に認めてもらった快感を知ると、もう一度認めてほしくなって同じ行動をとります。そのたびに認めてあげると、やがて行動は習慣へと変わっていきます。行動科学とは、こうして人の行動を変える成果を出すメソッドなのです。」(69頁)

「勉強とは、行動の積み重ねです。教科書を読む。授業に耳を傾ける。要点をノートに記す。宿題をやる。予習と復習をする。これらはすべて行動です。つまり勉強とは「勉強という行動をすること」なのです。いかにしてその行動を取らせるか、これが親や教師のテーマだと言えます。」(77頁)

「叱るときには、どこが悪いかを指摘する。そしてどの行動を改善するかを具体的に教えてあげる。これが正しい指摘のしかたです。そうしないと、子どもは何をどうすればいいのかわかりません。「ドリルを毎日三ページやるって約束したよね。それをやらないからテストの点が上がらないんじゃないのかな」」(84頁)

「成績のいい子は続け方も知っています。知っているというより、続けたいから続けているのです。毎日の勉強が楽しいから、さぼろうなんて考えません。続ける秘訣はここにあります。「続けたいから続ける」本人が楽しいと感じたことは、言われなくても自発的に続けます。」(86頁)
→参考にならないかもしれませんが、ぼくが本を読み続けるのもただ楽しいからです。

「子どもは親が好きです。好きな親にほめられたら、それだけでうれしいのです。ですから、ほめるべきところは積極的にほめてあげましょう。(中略) 何でもかんでもほめればいいというわけでもないのです。行動科学では、行動に焦点を当てて評価します。どんな行動をしたかをよく見て、望ましい行動を取っていたらほめてあげる。これが鉄則です。」(90頁)

「自分の行動を認められたいという欲求があります。単純なようですが、誰でもそういう欲求を持っているのです。人にほめられれば無条件でうれしくなりますし、ケチをつけられれば「もういいよ」と言いたくなってしまいます。」(93頁)

「行動科学では「行動した結果が次の行動を決める」と考えます。(中略) これを行動科学で「ABCモデル」と呼びます。
1)先行条件(Antecedent)・・・行動のきっかけとなる条件
2)行動(Behavior)・・・本人の行為、発言、振る舞い
3)結果(Consequence)・・・行動によってもたらされる結果状況」(99-100頁)

「平均点以上の子どもに対しても、平均点より上だからといってほめないほうがいいようです。「自分は人よりも上だ」という一種のエリート意識を持った子どもは、ひたすら他人以上の存在であろうとし、中には平気で不正を働く子どももいます。(中略) 日ごろから偏差値ばかや平均点ばかりを重視していると、子どもの価値観も歪んでいきます。他人と比較することによって物事を見ようとするため、自己本位・自己中心・自己弁護の強い子になりがちです。比べるときは過去の自分と。これが鉄則です。」(129頁)

「それから音読も有効です。口で読み、耳で聞くことによってスピーディーに記憶することができます。江戸時代の寺子屋でも、音読を重視していました。」(139頁)

「やるべき学習行動をしたときには、すぐにほめなければいけません。時間を置けば置くほど効果が弱まってきます。ほめる目的についてもう一度おさらいしましょう。ほめるのは、行動を繰り返させるためです。なぜ繰り返すようになるのか?その行動をしたら必ずほめられるという因果関係を本人が理解するからでしたね。ところが時間を置くとその因果関係があいまいになります。「この行動をしたからほめてもらえた」という脈略ができにくくなるのです。」(148頁)

「テストで点を取るために必要なことは次の二つです。
1)覚えていたことを思い出す、知っていることを理解する
2)苦手な問題をわかるようにしておく
要するに「できる問題で確実に点を取る」「できない問題を減らす」ということです。大切なのは1)を重視すること。」(181頁)

「やる気とは、やり方がわかったときに内部から生じるエネルギー。人に言われて出てくるものではありません。」(183頁)
→この本で一番印象に残った言葉です。

「塾に入れるときに気をつけたいのは科目選びです。親としては苦手科目だけを克服できればいいので、「とにかく算数だけを徹底的に教えてください」などと言います。これは成功体験の法則から言っても正しくありません。鉄則は「苦手科目と得意科目を一緒に」です。得意科目があると、それがやる気を刺激します。苦手科目だけではどうしても続きません。」(206頁)

「(これは子供部屋がある家でも同じで、)勉強を始めたら親は本を読むなり、編み物をするなりしてまじめな態度をみせることです。せっかく子どもがやる気を出しても、リビングからテレビの音が聞こえ、親がアハハハと笑っていたならどうなるでしょうか?」(214頁)
→子どもの学習に対する環境作りは、親の責任でもあります。イヤホンでテレビを見るのもやめましょう。パソコンは仕事のみで可能でしょうか。



ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
思いのほか長くなってしまいましたが、行動科学の示す学習の要領は何とか示せたのではないかと感じています。
前述の『「続ける」技術』(フォレスト出版)をぼくは読んでいませんが、大人でも学習することは必要ですし、そのために必要なことは、この本にすべて書かれていると思っています。
世のすべてのお母さまと、これからも学び、成長を続けるビジネス・パーソンにお勧めの一冊です。


ママのやさしさが、学力を伸ばす/石田 淳

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最後に。
この本は2007年5月に一度読んだ本でした。
ちょうど息子が生まれたすぐ後という時期でした。
その本をもう一度読み直し、ここに内容をまとめるチャンスを提供していただいた、ブログ仲間のchiyamiさん(ブログ「住めば天国 上海セレブ生活」)に感謝です。
ありがとうございました。

生かして頂いて、ありがとう御座位ます。
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