先日、修復的対話ファシリテーター長田誠司さんと、対話部ファシリテーターのメンバーで、長野県内の公立小学校6年生を対象に「修復的司法・NVC」をベースにした授業に参加しました。

誠司さんから、感情やニーズに関する説明と、その背景にある心と身体のつながりについて、ポリヴェーガル理論に基づいた身体感覚の視点も含めて、わかりやすく丁寧にレクチャーしていただきました。
今回の授業では、NVC(非暴力コミュニケーション)の「感情」と「ニーズ」という新しい概念に、子どもたちが初めて触れる機会となりました。
授業の冒頭、担任の先生が自らデモンストレーションに立ってくださり、ご自身が日々感じている悩みや不安な気持ちを言葉にして、子どもたちの前で静かに、真剣に分かち合ってくれました。
後半は、班ごとに分かれて6~7人のグループでエンパシーサークルを行いました。
エンパシーサークルというのは、参加者が円になって座り、お互いの気持ちや考えを安心して語り合い、聴き合う対話の場です。
目的は「正しい・間違い」や「評価」をすることではなく、その人の感じていることや大切にしていること(=ニーズ)を、ただ受けとめて聴くことにあります。
NVC(非暴力コミュニケーション)の考え方に基づいており、「共感=相手の世界に寄り添う」姿勢を育むためのとてもあたたかな方法です。
教室の中に「本音を話してもいい」「気持ちを出しても大丈夫」というあたたかい空気が広がっていくのを感じました。

当日は、担任の先生だけでなく、校長先生もエンパシーサークルに参加してくださいました。
大人が真剣に耳を傾け、子どもたちの言葉に一つひとつ丁寧に共感を寄せる姿に、子どもたちの表情もどんどん嬉しそうに和らいでいきました。
最後の感想共有の時間には、ある女の子がこう話してくれました。
「みんなが自分の気持ちをこんなにも分かってくれることがビックリしたし、嬉しかった。この班のみんなのことがもっと大好きになりました。」
その言葉を聞いた瞬間、同じ班の子どもたちの表情がぱっと明るくなり、照れくさそうに微笑んだり、うなずいたりする様子がとても印象的で、胸がいっぱいになりました。
目に見える変化ではないかもしれませんが、確かに子どもたちの間に「わかってもらえた」という安心感とつながりが芽生えたことを感じた瞬間でした。
最初は「感情ってなに?」「ニーズって難しそう」と戸惑いを見せていた子どもたちでしたが、少しずつ自分の心の中を言葉にすることに慣れていき、授業が深まる中で「自分は本当は悲しかったんだ」「本当はわかってほしかったんだ」と、驚くほど自然に感情やニーズを言葉にするようになっていきました。
NVCとの出会いが、子どもたちにとって自分自身を理解し、大切にする第一歩になったことを実感した授業でした。
何より、子どもたちの心の中に「分かち合える安心感」が残っていたら、それが何よりの成果だと思っています。
今回の実践を通して、子どもたちの中に確かな変化と可能性の芽が生まれたことを感じています。
この小さな一歩を、次の対話や学びにつなげていけるよう、今後も継続して関わっていきたいと願っています。
