大阪薪能 | 翡翠のブログ

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今日は大阪の生國魂神社へ、第68回大阪薪能 第二日を観に行ってきました。

能 観世流「経正」 シテ 生一知哉
狂言 大蔵流「痿痢」 シテ 善竹隆平
能 観世流「千手 郢曲之舞」 シテ 井戸良祐
仕舞 宝生流「春日龍神」 シテ 辰巳大二郎
能 金剛流「泰山府君」 シテ 谷口雅彦

 

開演時には、とても暑く西日がまぶしかったのですが、室内で呈茶があったので涼みつつ開演を待ちました。

 

 

開演時には、まだ暑かったですが、若い能楽師の方たちが案内をしてくださって楽しかった。写真を撮ってSNSに投稿してって。

 

まずは「経正」。好きな演目です。短くて2幕に別れておらず観やすい。経正の霊が回向に喜んで現れ、愛用の琵琶青山を奏でてみせるも、修羅道に落ちている自分を見られることを恥じて消えるという切ない物語。原作の平家物語も好きだし、以前にごく若い方の公演を動画で観て、素敵だ!となって、一層好きな演目です。これまで動画でしか観たことがなかったのですが、やっとリアル舞台で拝見。平家の若武者の切なさを感じつつ拝見できて、やはり好きです。

 

日が暮れて火入れされると一層、雰囲気良かったです。パチパチと薪のはぜる音もして。

 

2本目の「千手」は、どちらかというと苦手な演目。「経正」「千手」と平家物語好きに嬉しい番組構成だったのですが。同じ女性をシテが舞うものでも「巴」「船弁慶(の静御前)」などは比較的楽しめるのですが、美しい女性らしい舞はなかなか楽しむポイントがつかめず。ただ今回拝見して、千手と平重衡が無言で向かいあうところや、すれ違って一瞬体が触れて、別れていくところなどは、グッときました。

 

会場の空も夜になっていて、風も少し出て来ました。雲が多かったり、晴れ間が出て、そこに半月が出たり隠れたり、星が見えたりというのも薪能らしくて風情があって良かったです。

 

ラストの「泰山府君」は観世流にはなく金剛流のみに残る演目で、上演が珍し目とのこと。初のはずだけど、なんだか観たことある気がしてます。どこで観たのだろう?
作り物の桜が出てきて、天女が桜を手折ってしまう場面も美しいです。シテは、前シテ天女、後シテ泰山府君なのですが、後の場面では前シテとは別の人が舞うというのも面白い。そして後の場では天女もたっぷり舞い、泰山府君も舞い、その舞の対比も良かったです。

大満足ではありますが実は昨日、一日目の「鞍馬天狗」もぜひ観たかったので、そこだけ心残りです。子方がたくさんいないと上演できない演目なので前から観たいのですが先日も上演時に仕事あり行けず、今回は法事&体調イマイチで見送り、なかなか縁がありません。