今日は、姫路城薪能をYouTube配信で観ました。
第53回 姫路城薪能
場所:世界遺産・国宝 姫路城 三の丸広場
YouTubeでリアルタイムライブ配信してくださっているなんて全然知らず、たまたま帰宅後にSNSで、檜書店さんがつぶやいてくださっているのを見て知って、駆け込みセーフで観られました。
プログラム
◆能 「経正」
平経正 𠮷井 基晴
僧都行慶 福王 知登
後見 山田 義髙
上田 貴弘
大鼓 大村 滋二
小鼓 久田 舜一郎
笛 赤井 要佑
地謡 竹石 宗 伊藤 裕貴 上田 顕崇 上田 宜照
藤谷 音彌 笠田 昭雄 上田 公威 上田 大介
◆狂言 太刀奪
◆能「三輪」
里女・三輪明神 上田 拓司
玄賓僧都 江崎 欽次朗
里人 鈴木 実
後見 藤谷 音彌
田中 章文
大鼓 山本 哲也
小鼓 大倉 源次郎
太鼓 上田 悟
笛 野口 亮
地謡 上田 嶺貴 梅谷 宏 笠田 祐樹 藤井 丈雄
上田 大介 上田 公威 上田 貴弘 山田 義髙
「経正」は好きな演目ですが、まだ実際の舞台で観る機会に恵まれません。しかし平家物語は好きで、そこに描かれている平家の登場人物らを描く能も好きです。今年は大河「光る君へ」のおかげか、源氏物語に関係する能の演目を観る機会が多く嬉しいのですが、能自体では実は平家物語を基にした演目の方が好きかもしれません。
動画では「経正」を観たことがあり、特に以前に観たYouTube配信では、青木真由人という若い能楽師さんがシテとして初めて面をかけて演ずる舞台だったそうで、すらりとした若々しい経正が、とってもカッコ良かったのです。その後、本田芳樹さんの動画も観る機会があり、そちらはもう少し優雅で華やかな感じでした。
他の修羅ものに比べて、琵琶の音を慕って亡霊として現れた経正の妄執と悲しみ、自分が修羅に苦しむ姿を見られることを恥じるという内容に一層切なさ、哀れを感じ、とても惹かれる演目です。今回の配信では、経正が修羅道の荒々しい気持ちにとらわれ、舞も激しくなるところから、自分の名前を声かけられ、恥を感じるところなども、画面ならでは、じっくり鑑賞して味わえました。
もう1本の演目「三輪」は、奈良の三輪山の神が女性の姿で現れ、僧に衣を頼み、三輪山の謂れを語り、さらに天の岩戸について神楽舞を舞ってみせるという物語です。こちらも、まだ実際の舞台で観る経験がありません。通ってくる男の正体を知るために糸をつけ、後を付けて正体が神であることを知るという伝説は、以前に、関連する寺社を参ったときに解説で読んだことがあります。こちらはシテが神であるからか、もう少し舞も表現も重々しい気がしました。
姫路城は以前に行ったことがあり、とても綺麗で、もう一度行ってみたい城でもあります。今回、配信ではありますが、その姫路城での薪能を観ることができて、とても良かった、現地でも観ている方がうらやましいです。