名古屋扇子づくり体験 | 翡翠のブログ

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先日、名古屋扇子のお店、「末廣堂」で開催された扇子作り体験教室に行きました。

 

よく行っている名古屋能楽堂のすぐそば。扇子は京都という思い込みがあったのですが、ここ名古屋も扇子の大きな産地で、元々は京都から移住してきた職人によって始まったのだそう。京都の扇子が婦人物、舞扇、飾扇など高級品が主なのに対して、名古屋扇は、男物や実用品が主という違いがあるのだそうです。

 

名古屋駅の東側、名古屋城の西側は「ものづくり文化の道」と呼ばれる地域で、江戸時代から続く伝統産業や明治以降の近代産業の集まるところ。以前に彫金技法による真鍮バングル作りを体験した尾張仏具の「Wayuan 和悠庵」さんも、この辺りでした。

 

最初に、製造工程のビデオを見ました。感想は、すごい!です。ここまで一つ一つ、手作業だったなんて。その細かさ、技術に驚きでした。この行程、手間暇で、今、流通している価格は安すぎるのでは?という感想でした。

 

行程についての補足説明を実物を見ながらお話いただき。用意された扇面の柄から好きなものを選びます。

 

私は秋草の柄の扇子を持っていて、とっても気に入っているのですが、もう少し初夏らしいさわやかな色柄のものも欲しくて。ブルー系で、薔薇、藤、百合柄あたりが良いなあと思っていたので、こちらの百合柄にしました。

 

普段、末廣堂で子ども向けの扇子づくり体験で作るのは、11間の扇子ですが、今回は25~35間の通常の扇子として使用できるもの。

 

今回、体験した行程は、扇骨をはめる前の穴あけから、骨をはめるところまで。穴は、事前に紙合わせの後に刺し開けてあるものを、フッと息を入れて開けるのですが、なかなか開けられず、細長いへらのようなものも使って開け、折って癖をつけていきます。そして骨を入れる入れ方、持ち方を教えていただき差し入れてみる・・・のですが、正直1/3くらい入れると、前の方に入れたのが外れてしまって、全部は全然無理でした。職人さんでも、少ない本数から少しずつ時間をかけてできるようになっていくものらしいので、体験してみた後は、実際に職人の方に刺し入れ、貼っていただきます。

 

その間に、普段の体験用のものを使って、写真の右上の大きいものを使って、型に重ねて、じゃばらに折ったり、間にへらのようなものを差し入れて指す用の穴を開ける体験をしました。

 

てっきり紙は2枚なり4枚なり偶数枚重ねるかと思えば、3枚など奇数枚なのだそう。それでどうやって中に穴を?と思いましたら、3枚のうち中央の1枚は2枚に裂ける特殊な紙なのだそう。それで、その紙の中にへらを差し込んで穴を開けていくのですが、なかなか気持ちいい。でも折り目のちょうど中央に、まっすぐ開けるのは難しい。

 

できあがったのが、こちらです。持ち帰りできました。ただ、本当の工程では骨を差し入れて扇面を貼ったものが乾き、カーブをつけて形を整えるのも数日かけるのだそう。

 

ちなみに以前から持っていた京都の宮脇賣扇庵の秋草がこちら。雰囲気が大きく違うので、使い分けも楽しみです。

 

店内の扇を見るのも楽しく。思ったより手が届くお値段で、さらにアウトレットのものもあり。少し色がかすれた等、ほぼ完品にしか見えないのに、さらにお値打ちだったので、夏になると、うちわを持ち歩いている子どもたちにも、扇子の方が、かっこいいんじゃないか?と。夏に向けてお土産に買うことにしました。

 

絵柄はシンプルな方が使いやすいだろうと思ったので、次男坊にこちら。黒い地に黒の漆で幾何学模様。売り場には緑の模様のものがあり、次男坊は黒、青、緑が好きなので、色は良いけれど、何か鬼滅の刃っぽい・・・と思って迷っていましたら、黒の模様のものを出してくださって、これは良いなと。

 

さらに、こちらも渋くてかっこいい。黒に近い紺地で先端に銀です。こちらの方が、同じアウトレットでも、元々が少し高いので、こちらを長男坊に。

 

しかし、我が家の子ども、昔、母の扇子を逆に開けて壊したことがあるのだよなあ、まさか、もう壊さないと思うのだけれど、反対に開けないよう注意して渡そう。

 

他にも素敵な絵柄のものがたくさんあって、扇子も日常生活の中で使っていけたら良いなあと思いました。