奇跡のチェロアンサンブル | 翡翠のブログ

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2024年の初演奏会。奇跡のチェロ・アンサンブル 宗次ホール

出演者(チェロ)
辻本玲、伊藤悠貴、小林幸太郎、伊東裕、岡本侑也、上野通明


曲目 * = 小林 幸太郎 編
パーセル:アリア(トーマス・ミフネ編)
ポッパー:アルバムの一葉 * ソロ:上野
フレスコバルディ:トッカータ(カサド/小林幸太郎編) ソロ:岡本
ブロッホ:「ユダヤ人の生活」より 祈り * ソロ:伊東
ショパン:ノクターン 第2番 * ソロ:小林
メンデルスゾーン:無言歌 Op.109 * ソロ:伊藤
ドヴォルザーク:我が母の教え給えし歌 * ソロ:辻本
~休憩~
ポッパー:演奏会用ポロネーズ Op.14
フンパーディンク:歌劇『ヘンゼルとグレーテル』より 前奏曲(Niefind編)
ラフマニノフ:交響曲 第2番より 第3楽章 アダージョ(伊藤悠貴/小林幸太郎編)
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ *

 

アンコール:

ピアソラ,小林幸太郎 編:リベルタンゴ、現実との3分間

 

初めて聴きにいったときには、チェロばかり6人のアンサンブル?と驚きながら行きましたが、チェロって音域も広いし、色々な音色も出せるし、気持ちいい、かっこいい!と思って、これで3度目の公演鑑賞です。

 

 

今回の公演は昨年の8/15に台風で中止となって再設定されました。正月休みとはいっても外出が連続すると、少々しんどいので迷いはしたのですが、このアンサンブルは絶対素晴らしい演奏会なのでとチケットを取り直し、結果、やはりすごかった、行って良かったです。

 

今回の趣向は、前半はメンバーが順に中央に座ってソロを、他のメンバーがバックで弾くというもの。どの曲も、チェロらしく美しい音色で、でも選曲によって技巧的だったり、愛らしい音や哀切な音、高音、低音などチェロの味わい、音色の楽しみも色々でした。今回の曲の中では、技巧的な部分もあったフレスコバルディと、高音から低音まで幅広い音域のドヴォルザークが好きかな。

 

前半の演奏がわりとクラシカルな感じだったのに対して、休憩後の後半は、これぞ「奇跡のチェロ・アンサンブル」という、攻めているというか、チェロってここまでやれるのか、やってくれるのか、すごい!という曲でした。

 

ポッパーは踊るようなリズムが楽しい。

ラフマニノフは、ピアノ協奏曲第2番は何度か聴く機会がありましたが、交響曲第2番は昨年、バーミンガム市交響楽団で初めて聴きました。今回チェロ6重奏に編曲された曲は、少し不思議な複雑な重なりを感じた曲でした。元々、伊藤さんがチェロ四重奏として編曲したものを、今回小林さんが六重奏に編曲するにあたって、チェロのC弦のチューニングを低く変えたのだそう。

そしてサンサーンスの序奏とロンド・カプリチオーソ。前に聴きにいった公演でも弾いていましたが、これがもう、かっこいいのなんのって。メンバーの方が「この曲は難しい、辻本さんが、さすがチェロをよく知っているから、チェロのやれる限界ギリギリを求めてくる。やっと今回、弾いてて楽しいと思えた」と言っておられましたが、本当に、よくチェロでこんな風に弾けるなあ、チェロってこんな風に弾けるんだ、すごい、かっこいいとドキドキしながら聴きました。

 

さらにはアンコールまで、かっこよくて、かっこよくて。いつも私は語彙力が無いので、演奏会の感想が「素敵」「かっこいい」ばかりになってしまうのですが、このチェロ・アンサンブルは、まさしく「かっこいい」しか言うことがないほど、かっこいい。チェロを特になんとも思ってない人は聴いて好きになるし、好きな人は、すっごく好きになってしまうチェロの魅力を突き付けてくるチェロアンサンブルだと思います。